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第6話 誤解

_ ピンポーン


どうやら今日も目覚ましはだれかの鳴らすインターホンのようだ。


(こんな朝早くに誰だ?)


寝ぼけながら最低限の身支度をし、急いでドアへと向かった。


インターホンの画面に写っていたのは、何かの容器を持ちながら待つ甘倉の姿だった。


「どうした。こんな朝早くに」


「遅いですよ。凍ってしまうかと思いました」


まぁ…結構待たせたのは申し訳ないと思っている。

若干だが冗談を言う程度に表情が和らいだ甘倉に安心した。


「悪いな。寝ていたから」


「はぁ…そろそろ行く時間ですよ」


優等生は違うなーなんて思っている場合ではない。

甘倉に言われて気が付くが大分時間が無い。


「それで用は?」


「その…昨日見てて気がついたのですが昼食、いつも栄養ゼリーですよね…隣人がこんなだと気が気でないので。お弁当、作ってきたので貰ってください」


そう言って甘倉は俺に暖かい弁当を手渡した。


…そんなに甘倉はおせっかいだったか?

と騙されかけてようやく気がついた。


「本音は?」


「分量間違えて2人分作ってしまいました…」


「……素直でよろしい」


やはりこうだ。

案外甘倉はおっちょこちょいなのか?


「まぁ、貰えるものなら貰うが。なんか申し訳ない

な」


「いえ、勝手に私が押し付けただけですのでお気になさらず」


「そうか。それで……時間が結構ないんだが登校時間ずらすにもどちらかが遅刻することになるが」


一緒に登校なんてしたらいつ刺されるか。


「ば…バス停までは一緒に行きませんか?い、いえ…そういうことではなくてですね…時間がないので仕方なく……」


…。


軽く失神しそうになるくらい心に来るものがあった。

いくら他意は無いと分かっていても意識してしまう。

甘倉も大分顔が赤くなっている。


「……分かってる。支度するから待っててくれ」



………

……


「待たせた。行くぞ」


「ネクタイ曲がってますよ?」


そう言って甘倉は俺に近づき、慎重な手付きでネクタイを正した。

甘倉のいい匂いが鼻に届いた。


(近い……)



「エレベーターで行くか」


「いいですよ」


いつも甘倉はエレベーターで上り下りをしている。

合わせたつもりはないが、少しまだ眠い。

今日ぐらいはラクしてもいいだろう。


自然と体がエレベーターの壁にもたれ掛かった。


(やばい…緊張してのぼせそう)


「体調悪いのですか?」


「いや、全く。定期考査が憂鬱なだけだ」


自分で言い訳して気が付くのもおかしいが、今日は定期考査だ。


実は生徒会室や甘倉に頼まれて俺の部屋で勉強をしてきた。


甘倉は今日から始まる定期考査、どう思っているのだろう。


「まぁ、藍原くんなら1位は堅いでしょうね」


「俺だってしっかり勉強して努力してるんだがな」


「ふふっ、そんなことは私が一番知っているのですよ?」


「まぁそうだろうな」


そんな会話を続けているうちに降りるバス停まではあっという間についてしまった。


「じゃあ、俺は早歩きで先行ってるから」


………

……


〜生徒会室にて〜


何故お昼に生徒会室にいるのか。


実は数週間前、生徒会室で1人で優雅にランチ(栄養ゼリー)をするのが案外心地よいことに気が付き、昼食の時間になると教室を抜け出し最近はここで食べているのだ。


それを口を滑らせ会話中に言ってしまったことで生徒会全員にバレ、それからというもの生徒会4人で生徒会室で昼食を取るようになった訳だ。



『藍原、今日は弁当なんだな』


『彼女でもできたぁ?』


ニヤニヤしながら先輩たちが質問してくる。


「生憎彼女なんていませんよ。ただ友人がおせっかいで…」


と、話している途中にドアが開き、甘倉がやって来た。


「藍原くん。お弁当どうで………せ、先輩達居たんですね………」


…終わった。


『成る程な』


『へぇ〜〜〜?


「「誤解です!!」」


どうやら甘倉からはドアの影で先輩たちのいる場所が死角になって、俺一人だと思ったらしい。

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