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自由気ままにソロでいく!  作者: タロルッチ
14/14

森人

「今ってどの辺なのかしら?」


「だいぶ進んだよね~広すぎて抜けられる気がしない!」


「...!....!!」


「ん?今なにか聞こえなかった?」


「あっちの方からじゃないかな?行ってみよ!」


「そうね、叫んでるようにも聞こえたから急いで行ってみましょう」



アカネ達は音の聞こえた方向に歩いて行った。

近づくにつれ女性の怒号と戦闘音が聞こえてきた。


「包囲を抜けさせるなッ!ここで仕留めるぞ!!」


「「「はい!」」」


覗いてみると狩人のような恰好をした人達が巨大なイノシシと戦っていた。


「人いっぱいいるね」コショコショ


「そうね、でも助けはいらなそうね少し様子を見ましょう」コショコショ


助けに入ろうかとも思ったが順調にやれていそうなのでアカネ達は様子を見ることにした。


(鑑定)


『ギガウィンドボア』


Lv10★


「星....?」コショコショ


「どうしたの?」コショコショ


「あのイノシシ鑑定してみたのだけどレベルの隣に星が付いてるのよ」コショコショ


「あとであの人たちに聞いてみる?」コショコショ


「信用できそうなら聞いてみましょう、とりあえず戦闘を見守るわよ」コショコショ



.....



「槍部隊!突け!」


リーダーが命令すると10人の槍を持った人たちが一気に駆けだした。

そしてウィンドボアの足をめった刺しにしていく。


ウィンドボアは怒ったのか大きな唸り声をあげる2本の牙を振り回し

槍部隊を追い払おうとしている。


「戻れ!」


槍部隊はすぐにその場を離れるとウィンドボアの周りに風が吹き荒れた。

風はどんどん大きくなりウィンドボアの周りを巡り、次第に牙に収束していった。


「集まれ!魔法部隊!防壁!」


5人の魔法使いが魔法を使うと目の前に土の壁が5つ並んだ。

丁度その時、ウィンドボアが牙を振り上げると風の大砲が放たれた。

それは真っすぐ進んでいくと壁を1枚2枚と壊していきながら狩人達のもとに

その命を刈り取ろうと進んでいった。

幸い、最後の1枚を壊されずに防ぎきれたようだ。


「弓部隊!構え!魔法部隊!エンチャント!」


弓に魔法部隊のエンチャントが付くと弓部隊はウィンドボアの顔めがけて矢を放った。

エンチャントによってウィンドボアの周りを巡る風の鎧を突破し目に突き刺さった。


「今だ!槍部隊!追い打ちをかけろ!」


槍部隊はウィンドボアに素早く駆けると脳天を突き刺した。


「我々の勝利だ!」


「「「やったー!」「ふぃ~ちかれた~」「今日は肉祭りだ!..」」」


「まだ気を抜くには早いぞ!他の奴らがやってくる前に

 素材の剥ぎ取りを急げ!小分けにして荷台に乗せるぞ!」


「「「ハッ」」」


狩人達は素早く正確に素材を剥ぎ取って行った。

瞬く間にギガウィンドボアは荷台に収まるようにいくつかに分けられていった。


「すごかったね~!」


「えぇ、一糸乱れぬ素晴らしい部隊行動だったわ」


「指揮官も優秀だったけどそれを信じてすぐに動ける他の部隊の人もすごかったね!」


「あれは確かな信頼がないと成り立たない動きだったわね」


「そろそろ落ち着きそうだし、声かける?」


「そうね、行きましょう」



.......



「誰だ!」


アカネ達が草から出てくるとリーダーはすぐさま警戒をあらわにした。

他の人達も少し離れたとこからいつでも戦闘できるように様子を伺っているようだ。


「冒険者よ、戦闘の意思はないわ」


「お姉さんたちのさっきの戦いすごかった!こう、ズバッ!!ビシッ!って感じ!」


アカネ達は両手をあげて、ただしすぐに戦闘はできるように

位置取りを意識しつつ近づいて行った。


「そうか、さっきの戦い見ていたのか」


「遠くから音が聞こえたから見に来たのよ」


「あまり不用意に音のする方に様子を見に行くのはおすすめしないぞ」


「大丈夫よ、私達これでもそれなりに戦えるから

 いざ、ってときはすぐ逃げれるわ」


「わざわざ声をかけて来たということは何か用があるのか?」


「いえ、用という用はないわね

 旅の途中だから人がいたから声をかけたってだけね」


「なら、私達の村に来るか?ちょうど大きな獲物も手に入って祭りをするとこだ」


「あら?いいの?」


「あぁ、接してみた感じ悪いやつらでもなさそうだしな

 それにこの森だ、戦力は多いに越したことはない」


「ならお邪魔するわ、私はアカネこっちはツボミよ」


「よろしくね~!」


「私は森人のルーメニアだ、こちらこそよろしく頼む」


「あなた達の部隊は全員女性なのね」


「森人に会うのは初めてか?森人は全員女性しかいないんだ」


「そうなの?子供とかはどうしてるの?」


「愛を誓いあって神樹に認めてもらえれば子供を授かることができる」


「へぇ~神樹なんてあるのね」


「それって世界樹みたいなもの~?」


「世界樹?が何かはわからないが神樹の周りは他のモンスターや生き物が入ってこれないんだ」


「結界みたいなものかな~?」


「そうかもしれないな、ただ私達が連れていく場合は許可していれば中に入れることができる」


「一度見てみたいわね」「ね~」


「村につけばすぐにわかるぞ、ぜひ見ていくといい」

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