20年越しの写真
ネットで小さい頃の写真と同じ構図、人、服装で現在の写真を撮るというものを見たことがあり、面白そうなので同じことをしたいと思い、私は実家に兄と弟を呼び、両親と合わせて5人で写真を撮ることにした。両親も乗り気で、どの写真がいいかを相談しようとしたが。
「何かこれ変なの映ってない?」
ひっくり返したアルバムの中にある、一枚の妙な写真を弟が手に取る。日付を見るにどうやら20年前に取られた写真のようで、誰も写ってない部屋と、端に仏壇が写っているだけの写真だ。だが、オレンジ色の光が仏壇とは反対方向から差し込んでおり、何の光なのか、またどういう意図で取ったのかわからない。
「もう一度撮ったらわかるんじゃない?」
兄のその言葉で、家族写真とは別に同じ構図で撮る。デジカメで確認するも、やはり写真の意図は分からず……まぁいいかと家族写真とまとめてプリントする。そして、現像された写真を見て、驚いた。そこには同じ様に……オレンジ色の光が差し込んでいた。
「なぁ、これって」
後日、現像された写真を、再び家族で集まって確認していると……ふと兄が写真を手に取り、20年前の写真と並べる。左に20年前の写真。右に今の写真。そこには……過去の方は仏壇に届いていなかったが、今の写真は光が塗り潰すように仏壇を覆っていた。まるで20年かけて仏壇に到達したかのように。なぜ光が昔と今と写り込んだのかはわからない。試しにもう一度スマホでも撮ってみたが、光は変わらず仏壇を覆うように写り込んでいた。不穏に感じた母がお祓いしてもらおうと霊能力者に持って行ったところ。
「何でもない、ただの感光ですよ」
そう言われ、お祓いなどすることなく、持って帰った写真は、今でも実家のアルバムの中にある。なんでもないなら、どうしてデジカメで撮っても、スマホで撮っても写り込むのか。今度は1年後に、撮ってみようと思う。その時写るのかどうか……少し楽しみにしている自分がいる。
完