表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

初めての会話

「っあ、教室に筆箱置いてきちゃった」


放課後。

家に帰ろうと靴に履き替える時ふと思いだした。

莉菜は今、部活をやっている。

だから、私1人だ。


家に帰ってもやる事はないしと思い、筆箱を取りに教室に戻って行った。


ガラガラッ


私はドアを開けた。

そしたら、窓側の前の方の席で誰か机に伏せて寝ていた。


私は起こさないようにあまり音をたてず静かに自分の席へと向かった。


そして、筆箱が見つかりしゃがんだままドアの方に方向回転したら後ろの机に額をぶつけた。


ゴンッ

「痛っ」


私はバランスを崩し、尻もちをついた。


そしたら、机で寝てた人が起きてこっちに来た。


「大丈夫?」

とくすくす笑いながらこっちに手を伸ばしてきた。


「あっ全然大丈夫です!ありがとうございます。」

そう言って彼の手をとって立ち上がった。

私は顔を上げて彼を見たら、なんとあの学校で人気な矢神遥奇だった。


なんでか、少しキラキラしているように見えてしまった。


「あの、起こしてしまってごめんなさい。」

「大丈夫だよ、俺元から起きてたし」

「え、そうなんですか」

「うん、なんか葉月がわざと静かに教室に入ってくるから寝てるフリしちゃった」

彼は笑いながら言った。


私の名前知ってたんだ。


「そうだったんですか」

「それに、立つんだと思ったらしゃがんだまま方向を変えて頭ぶつけてるからおかしくって」

『ごめん』と言いながら彼はツボっていた。


「あー、久しぶりにこんなに笑ったよ」

「普段はあまり笑わないんですか?」

「うーん…そこそこってかんじかな」

「そこそこ…」

「うん…ていうかさっきから何で敬語?」

「だって初めて喋ったし」

「俺には敬語使わなくていいよ」

「分かった」


「お前は、葉月結だよな?」

「うん、あなたは矢神遥奇でしょ?」

「あぁ、葉月って面白いな。他の女子と全然違くて」

「矢神って女の子周りにいっぱいいるでしょ?」

「なんだヤキモチか」

「いや、全く」

「なんでそんな即答なんだよ」

「私、他とは違うから」

「なんでそこドヤ顔なんだよ」

「えへへ」


私達は笑いながらこんな会話を続けた。


私は矢神がこんなに優しくてあたたかい人だなんて知らなかった。


そして、何故か私は、密かにドキドキとなっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ