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しかし、俺の分身が裏切らないとは限らない  作者: もし自分が分身できたら人生が楽になるんじゃないかと思ったが、分身が今の自分のコピーなら役に立つかは微妙かもしれない/あるは
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プロローグ:与えられた役割

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 そうして華々しいパーティーは終わった。


 パーティーなんて最初は参加したくないなぁ…なんて思ってた。しかしそれは、今までそういうものに参加したことが無かったからだ。


 そりゃあ、最初は緊張しっぱなしだったしどうして良いか分からなかったよ。


 でも、いつの間にか……慣れた。


 あんなに笑ったのも久々だったし、めっちゃくちゃ楽しかった。


 日も暮れて薄暗くなった帰路を、先程のことを思い出して頬を緩ませながら歩いていた。


 そんな俺は浮かれていた、気が抜けすぎていたのかもしれない。


 ーードンッ


 不意に背中から大きな衝撃が体を突き抜ける、唐突に足の力が抜け地面に両膝を着いてしまった。


 背から胸にかけてヒヤリとした感覚があって、目線をゆっくりと下へと向けた。


 すると、俺の胸元にその違和感の元凶がある。


 鋭利な金属の先が、俺の胸から突き出ていたのだ。


 頭の中が真っ白になった。


 突然過ぎて何が起きたか理解できなかった。


「え」


 俺の胸に剣が突き刺さっていた。そして、その剣先が自分の意識とは関係なく勢いよく引き抜かれ、胸に大きな傷穴が空いた。


 心臓が脈打つたびにその傷口からドクンドクンと血が流れ出す。


 服はどんどん赤く染まっていく、両手を胸に当て、血が流れを止めようと試みるも止まらない。


「…なんでこんな……」


 全身の力が抜け、そのまま前方へ勢いよく倒れてしまった。


 何故こうなったのか訳がわからなかった。


 事実を確認しようと、力を振り絞り体の向きを変え後ろを見た。


 するとそこにいたのは俺のよく知った顔だった。自分が標的になっていた事実に、驚きとショックからか傷みはほとんど感じていなかった。


「お前は生きていてはいけないんだ」


 そうか、さすがに命を狙われるのは想定外だった……


 出血しすぎたためか目蓋を開けていられず俺の意識はそこで途切れてしまった。

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