第0話 お払い箱
初投稿作品です。お年寄りを主人公にした異世界モノです。
「は?……今なんと?」
一人の老騎士が聞き返す。
「…悪く思うなゴーシュよ、昨夜の神会でお前を神団長から解任することが決定した」
「そ…そんな………」
神の側近で私の上司の上司にあたる大天使ワイズが突然私を呼びつけた。
その時点で嫌な予感はしていたが…。
「なぜなんです?私はもう40年以上も神団の下で神の一族に仕えてきました!それなのに……!」
「察しろ…お前はもう老いた、お前自信もそのことは充分感じてるだろう」
「…!!」
何も言い返せなかった…。
どこかでいつか自分は神界から下界に戻されると思っていたし覚悟もしていた。
だがいざその時を迎えると平常ではいられない…これも私が老いた証拠か……。
「下界に戻る手配はもう済んでいる、明日準備が出来次第出発しろ」
「最後に最高神にお会いしたい、面会は可能ですか?」
「………」
「いえ、やはり結構です」
もう完全なお払い箱か…空しいな。
下界を離れ神の僕となり忠義を尽くしてきたが…終わりはあっけないものだ。
私はゴーシュ、今年で70才を迎える老兵。
神の護衛を務める神団の長を任されていたが年齢を理由に解任される。
明日からは一介の人間として下界で暮らすことになるわけだが正直不安のほうが大きい。
もうながらく下界には関わっていない、自分のような老いぼれの居場所はあるのだろうか?
不安を隠せないままゴーシュは神界での最後の一夜を過ごした。
自分で書いてみると小説がいかに難しいか痛感しました。思いつき次第続き投稿したいと思います。