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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
5章 みんなの日常生活
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No.90 虫の知らせ

ようやく買い物が全て終わり、家に帰る事になった。

あの後、俺は色んな服を試着させられて、かなりくたびれてしまった。

特にスーナが一番楽しんでいた気がする。

結局、俺が買ったのは、普通の柄入りのTシャツだけである。


「パパー、アイス~」


「いや、さっき食べたばかりだろ。また今度食べさせてあげるから」


「ホントに?」


「あぁ、約束だ」


どうやらキロとテンは商店街のアイスが気に入ったらしい。

特にテンはホントに美味しそうに食べていた。

まぁあっちの世界でアイスを売ってる店なんて見かけなかったし、そもそもアイスって概念すら無いんだろう。


俺とスーナがちびっ子達の手を引いて歩いていると、またしても人だかりが出来ていた。


「ん? なんだ、またなんかあったのか?」


「今日はよく人集りを見かける日だね。あれ、あそこに居るのって…」


スーナが指差す先を見ると、駿が立っていた。


「おい、駿、お前こんな所で何してんだ?」


「あ、蓮斗! ってなんだこの幸せ家族感! チクショー、良いなー!」


「『チクショー良いなー』じゃなくて、駿がなんでこんな所で立ってのか聞いてるんだけど」


「別に何って事もないぜ? 部活帰りにこここ歩いてたら、人集りが出来てたから、ちょっと様子見てただけだよ」


「あ、そう。結局、これって何の人集り?」


「あー、何でも大量の木材が突然空中から現れて、道路にぶちまけられたらしい」


「なんだそりゃ。なんか商店街に行く途中にもそんな事聞いたな」


「どういう事?」


「いや、なんかトラックの運転手曰く、急に歪んだ空間が現れて、この中に荷台が消えていったとかなんとか…」


「ごめん、全く何言ってるのか分からないけど、確かにさっきの目撃者も同じ事言ってたな。空間が歪んでどうのこうのって…」


「じゃあ…同じ現象って事?」


「急に歪んだ空間が現れるなんて恐怖現象、聞いたことないんだけど」


「まぁ実際に見たワケじゃないしな…」


ただ、2つの出来事が何かしら関係があるって可能性は高そうだ。

するとキロは俺の服をグイグイと引っ張った。


「ねぇーねぇー、なんのおはなししてるの?」


「ここにいる駿っていうおにーちゃんがバカだなっていうお話」


「オイコラ、蓮斗、お前子供になんちゅー事を教えてんだ!」


「このひとバカなの~?」


「おい、速攻で覚えちゃったじゃねーか! 結構今傷付いたぞ!」


その後、子供になんて事を教えるんだと、スーナにお叱りを受けた(何故か駿も)。

駿と別れた俺達は、なんとか無事に家に辿り着いた。


「ただいま~」


「おかえりなさい! どうだった、お出掛けは?」


「たのしかったー!」


「あらそー、良かったわね♪」


「あれ、じいちゃんは?」


「あの人なら、神社に向かったわよ」


「神社に…?」


別に新月の日が近い訳でもないのに、神社に何の用だろう。


「二人はどんなお洋服買ってきたのかしら?」


「キツネさーん!」


「あらー、じゃあ後でおばあちゃんに着て見せてちょうだいな♪」


家に上がると、二人はばあちゃんに買ってきた服を見せるために、和室の方に走って行った。

俺は一息つくと、再び出掛ける準備をしていた。


「レン君、今からどこか行くの?」


後ろからスーナに声をかけられた。


「うん、ちょっとね」


「神社?」


「なんだ、スーナは全てお見通しか」


「ふふふ♪ さっきのトラックと木材の件と、おじいちゃんが神社に行った事が気になるんでしょ?」


ホントにスーナは何でもお見通しだな。

逆にちょっと怖い位だ。


「うん…何か無関係じゃ無い気がするんだよなぁ」


「私も同じ事考えてた。神社で何か起きてるのかな…。村長さんとかユウさん達、大丈夫かな…」


「ユウさんがいるんだし、心配ないよ」


「うん…きっとそうだね!」


「じゃあ神社行ってくるよ」


「私も神社行くよ」


「いや、スーナは家で待っててくれ。二人して家から居なくなったら、またあいつら騒ぐだろうし…」


「そだね、またテンちゃん泣いちゃうかも」


「まぁすぐに戻ってくるよ」


「うん、みんなで待ってるね♪」


こうして、俺は家を後にし、じいちゃんが居る神社に向かった。

これから待ち受ける出来事も知らずに。

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