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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
4章 ふたりの冒険生活
67/300

No.67 アルフ

アルフって確か、轟孤のグループリーダーじゃあ…。

男は黒いコート、黒のシルクハット、そして黒い長髪という、これでもかっていう全身黒づくめの出で立ちで、年は30代半ばといった所だろうか。


「君は…以前…会った事があるな…」


「なんでお前がここに…!」


「とある男に頼まれてな…」


「一体誰に…?」


「それは言えない…そういう約束だからだ」


「じゃあ何しにここへ…」


「今言ったハズだ、俺は頼まれてここに来た。ただそれだけだ」


ユウさんは、確か一度会ったと言っていたけど、俺とスーナは面識がないハズだ。

何の目的で俺達に会いに来たんだ…?


「…」


「…」


お互い沈黙がのグループリーダーじゃあ…。


「君は…以前…会った事があるな…」


「なんでお前がここに…!」


「とある男に頼まれてな…」


「一体誰に…?」


「それは言えない…そういう約束だからだ」


「じゃあ何しにここへ…」


「今言ったハズだ、俺は頼まれてここに来た。ただそれだけだ」


ユウさんは、確か一度会ったと言っていたけど、俺とスーナは面識がないハズだ。

何の目的で俺達に会いに来たんだ…?


「…」


「…」


お互い長い沈黙が流れた。


「…」


「…」


…え、なんかおかしくない?

この人、用があってここに来たんだよね?

なんでこの人、シリアス面して何も喋らないの?


「あの…さっきからなんで何も喋らないんですか…?」


するとアルフと思しき人物は何故か困った顔を見せた。


「いや…その…ある男に、ここに来る様に頼まれたが…正直特に喋る事がないので、困っている。私は君達と一体何を話せばいいんだ?」


「いや、んな事知るかよ! こっちが聞きたい位だわ! 多少は何か聞かされてるんじゃないの?」


「特には何も…。とりあえずここに来いとしか言われていない。理由も分からない」


「分からないじゃないよ! そこは理由聞いとこうよ! じゃああんた理由も分からずにここに来たのかい!」


「まぁ…そういう事になる」


なんだこの人は。

想像していた人物像とは随分違う…。

ある意味冷静沈着ではあるけど…。


「君達こそ何か知っているんじゃないのか?」


「え…っと、実は俺達、ご…」


ついうっかりこれまでの事と経緯を話そうとしてたが、あくまで相手は俺達が追っている悪党集団のグループリーダー、軽率に発言するのはあまりに危険だ。


「ふふ…警戒するのは無理もないか…。だが、安心しなさい、私はもう轟狐ではない」


「轟狐じゃない…? 一体どういう…」


「今言ったハズだ、私はもう轟狐ではないと。一切関わりが無い訳ではないが、直接指示を出したり等はもうしていない。全ての権限は幹部3人に引き継いでいる」


「じゃあ…今は何を」


「ふぅむ…一言では全てを言い難いが…貧しい人達の支援や世界の環境を守る為の旅を続けている…といった所だね」


「へぇ…なんか…益々轟狐のグループリーダーしてたとは思えない…」


「確かに…あそこでは異端だったかもしれないね…。轟狐の基本方針からも真っ向から無視していたし。でもあそこに属さないとできなかった事も沢山あった。私の目的を果たすには必要な組織だった」


「目的…?」


「ふふ、もう轟狐では無いし、君達に話しても問題無いかな。恐らく私がここへ呼ばれたのもそれが理由だろうしね」


元…とは言え、かつて轟狐のリーダーだった男が、こんなに簡単にペラペラと喋るものなのか…?


「噂が噂を呼んで、私が冷静沈着な無口の男だと思われているみたいだが、それはあくまで轟狐のリーダーとしてだ。喋らない訳じゃない」


「だったら誰に頼まれたのか位言っても…」


「そこについては、本人に固く口留めされているのでね。言う訳にはいかない」


一体誰だ、俺達にアルフを合わせたがっている奴っていうのは…。

少なくとも俺とスーナの事を知っているって事だよな…。


「分かった、誰から頼まれたのかについてはもういいや。その代わり、さっき言ってた目的っていうのを教えて欲しい」


「あぁ…さっきの奴だね」


アルフは遠くを見つめながら語り始めた。


「私は…その昔は他の連中と同じ様に悪事の限りを尽くしていた。それが別に悪いとも思わなかった…。そんなある日、俺は一人の男に出会ったんだ」


これは…ガラさんが言っていたこの人を変えた人物ってやつか…。


「その男の名は、リノイエリョウスケ。私にとって唯一の親友と呼べる男だ」


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