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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
8章 BUDDY
273/300

No.273 調査報告書⑩ 〜罪〜

ロクが騒動を起こしてから一夜が明けた。

謹慎処分が下ったロクは特にする事も無いので、久々に戻った自分の部屋で剣を使った素振りをしていた。

すると、なにやらドタバタと足音を立てながら何者かがこちらに向かってくるのが分かった。


「ロク殿ぉーー!!!」


アビはノックをする事もせずにいきなり部屋に入って来た。

ロクは若干ビックリした様子で、部屋に入って来たアビを凝視していた。


「おお、丁度部屋に居たのか!」


「誰だお前、勝手に人の部屋に侵入しやがって…」


「おおう、これは失礼! じゃないくて、『誰だお前』は幾ら何でも酷くは無いか!? 私も君と同じ15メンバーの1人だぞ!」


「俺は別に15メンバーなんて興味無い…」


「ほほう、自分も15メンバーなのにか?」


「…別になりたかった訳じゃない。勝手に周りが押し上げてきただけだ」


「ほほう、それは若干嫌味にも聞こえるな」


「…何が言いたい」


「いや、突っかかってすまない、個人的な話だ。で、どうだ!? お願いできるか!?」


「何をだ。まだ趣旨を何も言って無いだろう」


「あぁ、すまない私とした事が話の順序がバラバラになってしまった。是非、今から私と手合わせをお願いしたいのだが、宜しいだろうか!!?」


「断る」


「ロク殿と会えるなんて中々無いからチャンスなんだ!!」


「気分じゃ無い。帰れ」


「えぇー、ちょっとだけでも駄目か!?」


「帰れ」


「うぅー…嫌だというなら仕方ない…今日はツバサ殿と手合わせをするか……でも次あった時は改めて手合わせをお願いするぞ!!! ではご免!!」


そう言ってアビは部屋を後にした。

ロクは溜息を着くとそのままベッドに横になり、眠りについた。


それから5日後、謹慎処分解除の1日前となり、鈍った腕のリハビリをと、ロクは訓練場に行き、2時間ばかりトレーニングをしていた。

丁度トレーニングを終えて、部屋に戻ろうとした時、ルリリが訓練場にやって来た。


「あ、ロク兄さん此処にいたんだ!」


「ルリリか…どうした?」


「リリィさんが呼んでたよ。医務室まで来て欲しいって」


「医務室に……? 義手の点検か?」


「それもあるんだけど、見てもらいたいものがあるって…」


「……分かった、準備したら行く」


「了解!」


ルリリはニコニコしながら、訓練場のベンチに座った。


「…そこで何してる?」


「何ってロク兄さんが準備終わるのを待ってるんだよ?」


「別にそこで待って無くても良いだろ。俺は準備が終わったら行く」


「私は今までそれに何度騙されたかなー?」


「………」


そこで何も言い返せなかったのは、ロクに思い当たる節が沢山あるからだろう。

ロクは非常にバツの悪そうな表情を浮かべていた。


「あ、でも別に急かしてる訳じゃないから、準備はゆっくりで大丈夫だからね♪」


「………」


ロクは無言で準備を進めていた。

やがて準備が終わるとルリリと共に医務室に向かって歩き出した。


「所でリリィさんの話っていうのはなんだ?」


「んーと実は私も聞かされてないんだよね。リリィ曰く『先に要件言っちゃうと、勝手に取捨選択して来ない場合があるから』って…」


「成る程、理にかなった理由だ」


「『成る程』じゃないよ! 呼ばれたらちゃんと行くのが普通でしょ!!」


「行くのに値するかどうかは俺が決める。今回はリリィさんに先手を打たれたから仕方無いが…」


そうこうしている内にロク達は医務室に到着した。


「失礼します! ロク兄さん連れてきました!」


「あらあら、ルリリちゃん御苦労様♪ ロク君もちゃんと来たくれたのねぇ♡」


「あんたが来いって言ったからだろ」


「えぇ〜でもいつものロク君なら断る選択肢もあったんじゃなぁい? それとも何か後ろめたい理由でもあったのかしらぁ?」


「…別に」


「ふふふふ、冗談よぉ♪ じゃあまずは右手の義手を外して頂戴」


ロクは左手で右手の義手を体から切り離すと、義手をリリィに渡した。


「はい、ありがとう♡」


「で、俺を呼んだ用件はなんだ? 義手の点検だけじゃないんだろ?」


「そうだったわぁ、実はロク君には会って貰いたい子達が居るのぉ」


そう言ってロク達はリリィに連れられ、医務室の奥の部屋に案内された。


「この子達よ。ロク君も流石にまだ覚えてるわよねぇ?」


そこにはロクが散々ボロボロにした特殊部幹部を名乗っていたシルバーとエルがベットの上で、茫然自失の表情で横たわっていた。

昨日はすみませんでした。

まだ本調子ではないですが、とりあえず大丈夫です。

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