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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
8章 BUDDY
254/300

No.254 Side 源河翼 〜POST VS ラグ②〜

ホテルの中に入ると、既にアビさんが敵と戦闘モードに突入していた。

ホテルのロビーは見る限り、敵だらけになっていた。

これら全員町長の指示によるものなのだろうか。


「ツバサ殿! 流石に人数が多すぎる故、応戦願えるか!?」


「分かりました!」


僕は一瞬目を閉じて、瞬時に戦闘モードに頭を切り替えた。


「POST言えども、これだけの人数を当時に相手できまい!」


そう言うと、10人程で一斉に僕に襲い掛かって来た。


「ツバサ殿!!」


「問題無いです」


僕は無数の水玉をイメージすると、マシンガンの如く的に乱射して見せた。

乱射した水玉は次々と敵に命中していき、あっという間に倒れていった。


「やるなツバサ殿! 魔石のコントロールが抜群にうまい!!」


「蓮人君程じゃないですけどね。この程度の相手ならわけないです」


「ふふふ、頼もしいな」


気が付くと、1回ロビーに潜伏していた敵は全員倒れていた。


「もう全員倒したみたいですね。でもなんでホテルに敵が……ここってPOST協力店ですよね?」


「ホテル全体が占拠されている様だ。恐らくスタッフは全員殺されている。先に私が中に入った時には、至る所にスタッフの遺体らしきものが転がっていた」


「この町……人の命をなんだと思って…!」


「という訳で、これは一刻も早く解決せねばならない一大事件という事だ。上に行くぞ!」


僕達はアビさんを先頭に上に上がっていくと、突然巨大なこん棒の様な物が上から降り下ろされてきて、アビさんは即座に反応し、抜いた刀でその攻撃を受け止め、そのままこん棒を押し返した。


「ほほう……やるじゃあねぇか…」


良く見ると、2mはゆうに超えるであろう巨体を有した大男が上に上がる階段の前に立ち塞がっていた。


「貴様のその出で立ち……とてもこの町の者とは思えぬが…何者だ?」


「おいおいおい…人を見かけで判断するのはぁ良くねぇんじゃなねぇのか? まぁこの町の人間じゃあねェってのは正解だがな」


「何故よそ者の貴様がこの町の町長に与する?」


「なぁーに、シンプルな関係よ。俺は町長に金で雇われた。ただそれだけの事だ」


「貴様の様な輩を…? 益々この町の町長殿の考えが分からんな。何の為に貴様は雇われた?」


「んな事ぁ俺は知らねぇ。俺ぁただ野郎から受け取った金の分だけ、指示にあった連中を殺すだけだ」


「外道が…!!」


「そう言うなよ。こちとら入り用なんだ。さぁお喋りは終ぇだ!!」


大男はこん棒を振り回しながら、手あたり次第に振りかぶってきた。

降り被ったこん棒でどんどん周囲の者が簡単に破壊されていく様子を見るだけで、その破壊力が伺えた。


「ふむ…攻撃そのものは単純だが、威力の大きさで無理やりカバーしてきているな」


アビさんも相手の猛攻を受ける事で精一杯で、中々攻撃に転ずる事が出来ないでいた。

やっぱり接近性でこの相手に立ち向かうのは、少し辛いものがありそうだ。

ここは距離を取りながら、後方支援に徹するべきだろうか。

そう思い、僕は一旦距離を取ろうと後ろに下がろうとした時、アビさんは叫んだ。


「ツバサ殿、距離を取るのは危険だ!」


「え?」


すると大男は懐から銃を取り出し、こん棒を片手で振り回しながら、もう片方の手で銃を放ってきた。

こん棒を振り回しながらの発砲だったせいか、幸い銃弾は大きくズレ、僕の頭上を大きく逸れていった。


「ちぃ…外したかぁ」


とは言え、接近戦も中距離戦にも対応してくるというのは中々厄介だった。

今ここで魔石の力を使ったとしても、あのこん棒で容易くかき消されてしまう可能性が高いし、最悪の場合交戦中のアビさんを巻き込んでしまう可能性もある。

アビさんに下がる様に言ったとして、先程の銃撃で狙い撃ちにされる可能性もある。


「なんとか隙を作らないと…」


少なくともあの銃さえどうにか出来れば……。

僕が持っている水の魔石と風の魔石で出来る事…。

するとふと一つの考えが浮かんだ。


「…そうか、よく考えたら簡単な事だ」


僕は水の魔石を取り出すと、距離を取って相手の銃撃を誘った。


「ツバサ殿!?」


「馬鹿がよぉ! もう外さねぇぜ!」


大男が銃を取り出して構えた瞬間、銃目掛けて水流を放った。

水をかぶった銃の引き金を引くが、銃弾が放たれる様子は無い。


「しまった、水を被ったせいで……!!!」


銃が撃てないと分かったが否や、アビさんは一度距離を取った上で構えた。


「ヒノザクラ一刀流……」


「おい待て止めろぉ!!」


「炎華瞬速」


先日、テトラ君の偽物を斬った時と同じ技を放ったアビさんは一瞬で大男の背後に移動し、大男はアビさんに斬られて、血飛沫をあげながら倒れた。


「やれやれ、私もまだまだ修行が足りんな。銃なんざ水で湿気らせればどうにでもなる事位気付いて然るべきだというのに……ここまで連戦で頭が回っていないのかもしれんな。だがツバサ殿がそこをうまくフォローしてくれて助かった」


「いえ…相変わらずその技の威力、えげつないですね」


「炎の魔石の力を借りている分、威力は高い。引火の危険がある故、普段であれば室内で使用する事は出来ないんだが、ツバサ殿が奴を水浸しにしてくれたお陰で使用できた。まぁ結果論だがな」


「それにしても…だいぶ時間をくっちゃいましたね」


「あぁ、奴に逃げられぬうちに追うぞ」


こうして町長に雇われたという大男を撃破した僕達は、町長が潜伏すると思われる部屋を目指して階段を上がっていった。

夕食後、うつらうつらしててテーブルに頭ぶつけました。

普通に痛いです。

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