No.231 研修③
やばい、先週末から今日まで殆ど執筆出来てないから、10話以上あったストックがどんどん消えてく。
逆にストック貯めといて良かった…。
「じゃあ私はそろそろ行くよ。早く戻らないとセラ君に起こられてしまうからね。全く…もう少し私の事を労わって欲しいものなんだが…彼女は厳しくて叶わんよ…」
レグマさんはため息をしながら、力なく笑った。
「レグマさーん、レグマさーん、後ろ後ろ」
メグさんが指差す方をレグマさんが振り返ると、そこには鬼の形相の秘書が立っていた。
レグマさんは冷や汗を流しまくったまま、固まってしまった。
「いや…その…セラ君……む、迎えに来てくれたんだね、すまない……」
「えぇレグマ様、あまりにも帰りが遅いので迎えにあがりました。溜め込んだお仕事の進行が滞っているので、即刻お戻りください」
「あ…はい、戻ります」
レグマさんは秘書の人に連行されて、まるで飼いならされた犬の様に研修場を去って行った。
「こっわぁ…」
俺達は全く同じ感想を心の中で呟いた。
それからも俺達は一日中、魔石の力の使い方についてのテストや、単純な体力測定等を行って行った。
そして時間はあっという間に夜を迎えた。
「よし…本日消化予定だったテストは全て完了した。諸君ご苦労だった」
「あ…ありがとうございましたぁ……」
一日魔力を行使したり、体を行使したので5人全員漏れなくダウンしていた。
「みんなお疲れ様ぁ。はい、今疲れを取ってあげるわねぇ♪」
リリィさんは魔石を取り出し、目を瞑ると俺達は淡い光に包まれていった。先程まであった体中の疲労感がみるみる内に消えていった。
「これは今日だけの特別サービスよぉ♪ 本来は魔石の力に頼らず、疲れは睡眠でとるのが一番なんだから」
「あ…ありがとうございます!」
この時のリリィさんは、後ろに後光の様なものが射しており、さながら女神様の様だった。
「明日からは各担当ごとに分かれて、ほぼマンツーマン方式で指導をしていく。誰が誰の担当につくかは、明日改めて連絡する。では本日は解散とする。以上」
「じゃあねぇ、今日はゆっくり休むのよぉ」
「いいかてめぇら、明日は絶対ぇ遅刻すんじゃねぇぞ!! じゃあな!!」
「じゃ、明日からは君達の事、ビシバシ! 鍛えて行くからね!! 覚悟しておいてよ!!」
そう言い残して行って、15メンバー、もとい俺達の研修担当の方々は去って行った。
「よし…俺達も行くか。ここにいても仕方ないし。着替え終わったらみんなで夕食食べに行こう」
「さんせーい!! さっきリリィさんに疲れは取ってもらったけど、腹は減りまくりだよぉ!!」
駿はお腹をさすりながら言った。確かに俺もだいぶ空腹だった。
こうして俺達は研修場を出て、各自部屋に戻って夕食に向かう準備をしていた。
「あ…僕は今はいいや。君達先に行っててよ」
「なんだよ、源河は腹減ってねぇのか?」
「そういう訳じゃないよ。ただ、今日は一人でのんびり夕食を取りたいと思って」
「んだよ、愛想ねぇなぁ」
「轟狐のアジトに居た時代はずっと一人で食事していたから、誰かと食事をするっていう事にまだ慣れていなくてね。今日はたまたまそういう気分なんだよ。気を悪くしないでくれ」
「まぁ…そういう事なら仕方ねぇな。蓮人ぉ、俺達で先行こうぜぇ。茜達がもう食堂の入り口前で待ってっかもしれねぇ」
「分かった」
俺達は源河を残し、部屋を出て食堂に向かった。駿の言う通り、既に茜達が入り口で待っていた。
「おー来た来た! あれ、源河君は?」
「あーあいつは今日は一人で食うってさ。ごう…前は一人で食べてる事が多かったから、誰かと飯食うのに慣れてないんだと」
「あ、そうなんだ。じゃあ今日は4人で食べよっか」
そう言って、食堂に入り昨日と同じくカウンターで食事を受け取り、席に座ろうとした時、ふと視線を感じたので、そちらに目をやると、先程まで研修を担当してくれていたグリームさん達が居た。
「あっ」
「なんだおめぇらも今から飯かよ!! 奇遇だなぁ!!」
「いやそりゃ同じタイミングで研修場出たんだから、ご飯の時間だって被るのは普通じゃないですか」
「お…おう、それもそうだな!」
「何をしている、お前達も席に座ったらどうだ?」
「あ、はい…お言葉に甘えて…」
こうして俺達はテーブルをはさんでグリームさん達の正面に座った。正直気まずいんだけど。




