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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
7章 POST
229/300

No.229 研修①

グリームと名乗る長身で眼鏡をかけた厳格そうな男と、シンラと名乗るヤンキーの様な口調のチンピラみたいな男が目の前に現れた。

どうやらこの2人も研修担当の様だ。


「リノイエ・レントにタカハシ・シュン、ゼンバヤシ・アカネ、スーナ・インジ、カワハラ・ツバサの5名…だったな」


河原…源河から微妙にもじってのかい。


「んふふふ、みんな硬い硬い! もうちょっとリラックスして良いのよぉ。別にとって食べる訳じゃ無いんだしぃ。あれ、そういえばメグちゃんは?」


「あぁ、フレイムは少し遅れてこちらに来るみたいです。任務報告に時間がかかるとかで」


「ったく要領が悪ぃったらありゃしねぇ!! もっとぱぱっと出来ねぇもんかねぇ」


「逆にお前は報告がいつも雑すぎる。ダーガレット総統で無ければ通じんぞ」


「っせぇな、報告してるだけマシだろうが!」


「はいはい、グリーム君とシンラ君もそこまでにしてぇ。ちなみにメグちゃんを含めた3人共、15メンバーなのよぉ。グリーム君がNo.9、シンラ君がNo.12、メグちゃんがNo.13よぉ。とても強い子達だから、頼ってねぇ♪」


「へぇー…じゃあそん中じゃあグリームさんが1番強いのか」


駿はいきなり失礼な発言をしてしまった。


「へいへいへい、そこのアホ面ぁ!! テメェいきなりいい度胸したんじゃねぇか! いいか、No.が低い高いだけで強さが決まんじゃねぇんだよ!! 俺の強さはNo.だけじゃ測れねぇんだよ!! っつーか、ブロードも何さりげ無くニヤついてやがんだ!!」


「シンラ君」


「あ、はいリリィさんすみませんでした」


シンラさんはリリィさんに一言で黙らされてしまった。リリィさんも怒ると怖いのだろうか。


「すまない、スピルラングが醜態を晒した。今日はまず諸君らに実際に魔石を使ってもらい、その際の得意不得意や癖をこちらで見極めさせてもらう。そこから諸君らの改善点や伸ばすべき長所を洗い出し、今後の研修に活かさせてもらう。以上だ。何か質問は?」


すると源河がすっと手を挙げた。


「えっと…蓮人君と駿君、茜君は風の魔石、スーナ君は癒やしの魔石、僕は水の魔石をそれぞれ持ってるんですけど、魔石はそれを使っても良いんですか?」


「いや、魔石は今から渡す風の魔石を使ってもらう。何故なら風の魔石が1番使いやすくベーシックな魔石であり、癖や長所、短所が見極めやすいからだ。水の魔石は風の魔石に比べると若干癖があり、能力の見極めには向かん」


「風の魔石か…使った事無いから大丈夫かな……」


「水の魔石が問題なく使えているのなら、風の魔石の扱いも問題ないだろう」


「はぁ……」


「私も癒やしの魔石以外使った事ないから、不安…」


スーナは不安そうな顔をしていると、リリィさんがポンと肩を叩いた。


「大丈夫よぉスーちゃん、私がちゃんと教えてあげるから安心してね♪」


「はい…頑張ります!」


どうやらすぐにスーナは自身を取り戻した様だった。


「よし…他に質問が無いようなら、早速研修の方に入るとする。こちらに来てくれ」


そう言われてグリームさんについていくと、何やら的の様な物が立っていた。


「よぉし、俺が手短に説明するぜぇ!! やる事ぁ簡単だ!! 魔石を使って、あの的に風を打ち込む!! 以上だ!!」


「あの的を…ですか?」


「ここでは魔石の力のコントロールを測らせてもらう。いくら魔石の力が扱えても、コントロールが低くては意味が無いからな。まずはタカハシシュンからやってもらう」


「う…うす…」


「シュン君、緊張しないでリラックスして良いのよ~」


駿は目を閉じて集中すると、的めがけて風…ではなく暴風をあらぬ方向に打ち込んだ。駿の放った暴風は壁を直撃し、一部壁が崩れてしまった。


「ば、バッキャロー!! お前は何処に風を打ち込んでんだ!! つーかコントロールを図るっつってんだろう!! 何全力で研修場を壊しにかかってんだ!!」


「す、すんませーんんん!!!」


「しかし……すごい威力だ。まさか風の力で研修場の壁を破壊するとは。だがコントロールは壊滅的だな。要改善だ」


続いて茜が的に向かって立ち、目を閉じて集中した。あれ、でも茜って…。


「ん? どうしたゼンバヤシアカネ。早く魔石の力を…」


「あのー…すみません、私風の魔石使っても、全く風が出ないんです」


茜はスッキリした顔でグリームさんに言い放った。


「…タカハシシュンよりも深刻だな。君は魔力の放出がイメージ出来ていないのかもしれん。まずはそこから特訓か」


茜はタハハーっといった感じで戻ってきた。でもここで特訓すれば、茜もいずれ風の放出が出来るようになるのかもしれない。

続いて源河が的の前に立ち、風を放った。するとど真ん中ではないが、的の端に直撃した。


「おいおい、始めて風の魔石を使ったにしちゃあ大したコントロールじゃねえか! センスがあんな! ってあれ、お前どうした……」


「いや…僕、魔力量が他の人より少ないらしく……すぐに魔力切れを起こしちゃうんですよね……」


既に源河は顔色が悪そうだった。


「いや、たった一発でそれかよ!?」


「…コントロールについては問題なさそうだが、魔力量のキャパの低さが課題だな」


続いてスーナが的の前に立った。緊張しているのか何度も深呼吸をしている。


「スーナ、さっきリリィも言ってたけど、リラックスしていけば大丈夫だから」


「う、うん、分かった」


スーナはそっと目を閉じて集中すると、的に向かって手をかざした。するとフワフワっとしたそよ風が発生した。的にそよ風が当たっている様にも見える。


「非常に微弱ではあるが、コントロールという面では問題無さそうだな」


「いや、いくらコントロール良くてもあの威力じゃあんまり意味ねぇだろ…」


「スーちゃあん、お疲れ様ぁ。頑張ったわねぇ♪」


リリィさんは戻ってくるスーナを優しく出迎えた。ほんとにスーナが可愛くて仕方ないんだろうな。

最後に俺は的の前に立ち、目を閉じて集中すると風を的目掛けて放った。

すると見事、的のど真ん中を直撃した。


「おお、あいつど真ん中にドンピシャだぜ!! やりやがんなぁ!!」


「うむ…コントロールについては言う事無いな。経験が浅いにも関わらず大したものだ」


俺は冷静を装ったが、無意識に右手でガッツポーズを作っている事に気付き、若干恥ずかしかった。

今日は内田雄馬さんのライブ参戦してきました。

控えめに言って最高でした。

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