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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
6章 ゲンガ
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No.182 画策

ゲンガに真っ二つにされてしまったマリアは、流石にピクリとも動かなかった。

人の体をこんな簡単に両断してしまうなんて、恐ろしい水もあったもんだ。


「俺達が必死こいて逃げるのが精いっぱいだった野郎がこんな簡単に…」


駿はマリアの死体を見ながら思わず息を飲んだ。

治療中にも関わらず駿が動いてしまったので、スーナが若干慌てていた。


「駿、あまり近付かない方が良いんじゃない? また動き出すかもよ」


「や、止めろよ茜、そんなゾンビみたいな言い方!!」


途端に駿はビビり出して、すぐにマリアが横たわっている場所から離れた。


「心配する必要は…無い…確実に心臓ごと…叩き切ったから…ね…」


「そ、そうかよ…ってあれ、そういえばあいつどこに行った?」


駿がキョロキョロと辺りを見渡していると、マリアとは別にもう一人床に横たわっている人物が居た。


「あれぇ、お前なんでここで倒れてんだよ!! さっき颯爽と部屋の外へ向かって歩いて行かなかったっけ!?」


「ふふふ…ものの見事に魔力切れさ……今は動けそうにない」


「えぇ、だってさっき2回位しか魔石の力使ってなくないか!? 鉄球を防いだ時と、あいつを真っ二つにした時と…」


「…僕は元々魔力量が極端に乏しくてね……2、3発も魔石を使えばこの通りさ……一歩も動けませぇん」


成程、ゲンガ一人でこの一味を壊滅出来ないのはそういう事か。

攻撃をした所で、魔力切れになって動けなくなった所をやられて終わりだな。


「随分と燃費が悪い体質なんだなお前。わざわざ俺達に作戦を持ち掛けてきた理由もそれか」


「その通りだよ。仮に休み休みやろうとしても限界があるしね。結局俺は諦めるしか無かったって訳さ…」


「地下に叩き落とされた時、自力で上がれなかったのもそういう事か…」


「そういう事だよ。どうやらようやく理解してくれたようだね…」


「じゃあ計画の提案する時に、それを言えば良かったじゃねぇかよ」


「おいおいおいおい、さっきから蓮人とこいつは一体何の話をしてんだよ!! 計画って何の話だ!?」


「あー、ごめんそういや駿と茜に説明しなきゃだった…」


そこで俺は駿と茜に、こいつがゲンガの正体で有る事、そしてゲンガと手を組んでこの一味を解散に追い込む事を計画している事を説明した。


「つー訳だ、ここまでは大丈夫か?」


「いやー、正直なんも大丈夫じゃねぇわ! 大丈夫じゃねぇけど……」


駿は茜の方をちらっと見た。茜は『私に振らないでよ』と言わんばかりの表情をしてみせた。


「まぁ…でも現状を打破するにはそれしかない感じだしね。私は蓮人とスーナの決断に従うよ」


「仕方ねぇ…じゃあ俺もそれで!」


「駿、ちょっとそれずるく無い? なんか私の意見にただ乗っかっただけみたいな…」


「そ、そんな事ねぇし!! 俺はみんなの意見を聞いて冷静な判断を下しただけだし!!」


「はいはい…。じゃあ蓮人、そういう事だから。私達もこの計画に賛成って事で」


「そっか、良かった!」


「ほらね、みんなレン君の決断を尊重してくれたでしょ?」


「ホントだな。…なんかちょっと嬉しい」


みんなの意見がまとまった所で、俺達はゲンガが寝転がっている場所へ集まった。


「君達の方は問題無い様だね…。じゃあ今から計画についての説明をするからよく聞いてくれ…」


「せめてお前座りながら説明しろよ。寝転がられながら説明されるの、なんかムカつくんだけど」


「…君達は鬼畜か……」


そこから暫くはゲンガによる一味解散大作戦の説明会が行われた。

そして説明が終わると、ゲンガはゆっくりと立ち上がった。


「お、お前もう立ち上がれるのか?」


「あぁ、だいぶ魔力も回復したからね。魔石の力を使ったりしなければ、普通に動く分には問題無い。では君達、手筈通りに頼むよ」


「了解! じゃあみんな作戦開始だ!!」


こうして俺達の一味解散大作戦 Supported by ゲンガを開始した。

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