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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
6章 ゲンガ
174/300

No.174 圧倒的実力差

そこで繰り広げられている戦いにただただ圧倒されるばかりだった。

俺と茜を相手にしている時は、全然本気なんかじゃなかったという事を痛感させられた。


「私と蓮人……完全に遊ばれてたって感じだね…」


「うん…俺も少し…いや、だいぶ自惚れてた……」


これが轟狐一の問題児集団、ゲンガ一派の実力という事をまじまじと見せつけられた形だ。

しかしだからといって、ここまで来て引き下がるという考えは無かった。


「なんにせよ…いつまでもここに居てもあいつらの戦いに巻き込まれて終わりだ。一刻も早くここを抜け出そう!」


「うん…でもどうやって…」


「恐らく普通に出口を目指しても、このふざけた応酬に巻き込まれて死ぬし、それを運よくかいくぐれたとしても、攻撃されて終わりだ。あいつらがその気になれば俺達は一瞬だ…」


やがて徐々に二人の戦いはヒートアップしてきて、辺りの壁や床が少しずつ壊され始めた。


「はぁ…はぁ…いい加減諦めたらどうなんだよぉ!! お前の攻撃じゃあ俺には届かねぇぜぇ!!?」


「はぁ…はぁ…そういう君こそ先程からフルパワーで魔力を放出し続けているけど、いつまで持つのかな?」


「バカがぁ!! 魔力が底をつく前にてめぇをぶち殺せばいいだけの話だろうがよぉ!!!」


「…それが出来ていないから、僕はこうしてまだ死なずにいる訳だけど…?」


マリアが懐から魔石を取り出しながら、銀髪の男の腹部辺りに手を差し出した。

すると凄まじい衝撃波が発生し、銀髪の男は血を吐きながら吹き飛ばされた。

衝撃波はこちらまで届き、容赦なく俺達を襲った。


「す、すごい衝撃……」


「茜…駿……大丈夫か…!!?」


俺はそばにいたスーナをしっかりと抱きながら、なんとか踏みとどまった。

どうやら駿は茜に庇われ、なんとか吹き飛ばされずにいた。


「多分あれは風の魔石…俺と駿が持っているのと同じもの……だけど、威力が桁違いだ……!!」


俺は戦いや旅を経て、多少は魔石の扱いに慣れてきたつもりでいたが、圧倒的な差を見せられた形だった。

銀髪の男はゆっくりと立ち上がった。こいつもこいつで尋常じゃなくタフだ。俺達の攻撃を食らって、メーとディックとの戦いを経ての連戦のハズなのに…。


「君もタフだねぇ~まだ立ち上がるの??」


「はぁ…はぁ…違ぇよぉ……どいつもこいつも攻撃がやわ過ぎるだけだ……」


「どーにもそんな風には見えないけどねぇ…まぁいいや、後の予定も詰まっている事だし、ここいらで終わりにしようかね」


「……注意力散漫だな…」


「…何?」


するとマリアの足元から突如、青白い轟炎が噴き出し、奴はその中に包まれてしまった。


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ま…さか…地中を伝って……」


「そうだ……全く…変にこの闘技場を頑丈に作りやがるから、床に罅を入れるのに苦労したぜぇ……!!!」


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「はぁ…はぁ…それじゃあトドメだぁ……」


銀髪の男から6本の腕の形をした炎が姿を現した。


「うげっ……なんだあれ……炎の手が生えたぞ……!!?」


「あれがアイツの切り札みたいな感じかな…?」


銀髪の男はそのままマリアが包まれている火柱に向かって行った。


「死ねぇぇ!! この炎の乱打に打たれてよぉ!!」


そのまま火柱に向かって凄まじい数の炎の拳が打ち込まれていった。

やがて炎の拳が火柱に飲み込まれていき、1本の巨大な火柱に変貌を遂げた。


「ははははははははははぁ……!!!! 俺の勝ちだぁ……そして………」


銀髪の男は狂気に満ちた笑みを浮かべながら、こちらを見ながら指を差した。


「次はぁ……てめぇらの……番だぜぇ……?」


相手はかなり体力を消耗している様子だったが、今自分が目の当たりにしている光景を見てしまった以上、とてもじゃないが勝てる気がしなかった。


「蓮人……これって万事休すってやつじゃねぇか…?」


駿は力なく笑っていた。どうやら考えている事は一緒だった様だ。


「まずはぁ……俺に一発でけぇ攻撃をお見舞いしてくれた女ぁ……まずはお前からだぁ……!!」


「やっばぁ……私に指名入っちゃったよ……」


咄嗟に茜のカバーに入ろうとしたその時、一瞬巨大火柱の中に揺れる人影が見えた。


「僕……のぉ……獲物だって……言ってるだろう………??」


すると巨大火柱から無数の斬撃が飛び出してきた。そしてその斬撃のひとつが銀髪の男の右腕を吹き飛ばしていった。


「!!!!!? ……っつ……てめぇ………!!!!!」


銀髪の男はそのまま片膝をついて蹲ってしまった。すぐそばに男の右腕が転がっていた。

そしてマリアは全身黒こげの血塗れになりながら、火柱からゆっくりと姿を現した。


「この子達を殺すのは…この僕だよ……♪」

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