No.146 対峙
ビックリする位間が空いてしまいました。。。
すみません。。。
「…何やら部下共から侵入者の知らせは聞いていたが…。まさか無謀にもこの俺の部屋に…しかも壁を突き破ってくるたぁ、面白れぇなぁ…」
相手は座ってこそいるものの、そこから発せられるオーラ、魔力、そして圧倒的な圧は、こちらが委縮するには十分過ぎるものだった。
「おいおーーい、こんなゴリラみてぇなおっさんがいる部屋だなんて聞いてねぇんだけど!?」
「な…何故幹部のガルダ様が…」
「かっかっ幹部ゥ!? ラスボス一歩手前じゃねぇかよ!! おめぇら何ちゅう奴が居る部屋に脱出口つなげてやがんだ!!」
「っく、俺も誤算だった…。確か、ここは空き部屋で誰も使ってなかったハズ…」
「『何故…』それはこっちが言いてぇセリフだわなぁ。メーとディック…てめぇらの事も耳に入ってる。何が気に食わなくて侵入者に加担してやがる…?」
「…どの道、我々は取返しのつかない失敗をしている…消されるのは時間の問題だ…。だったら…」
「…だったら? てめぇが今まで世話になった組織を簡単に裏切って逃亡図るってか? 随分と都合の良い話じゃあねぇか…。どんな組織にも仁義ってもんがあんだろうがよぉ…!」
「…このまま俺達が黙って消されるのが仁義だって言うんなら、仁義なんざ踏みにじってでもここを生きて出るぜ…」
「…とても勝算があるとは思えねぇが…。覚悟あっての行動ってか? なら全力で…」
俺は大男の横腹に、渾身の風弾をぶちかました。やはりというか予想通りと言うか、大男は微動だにしなかった。
「……」
大男はなんとも凶悪な目付きでこちらを睨み付けていた。
「蓮人、急にお前何してんの!? こっちが狙われんだろうが!!」
「駿こそ何言ってんだ。どの道このおっさんぶっ倒さないと先に進めないだろ?」
「いや、もっとやり方色々あんだろうがよぉ!! なんでわざわざ真っ正面から…!」
「この狭い部屋ん中に逃げ場なんてないんだ。さっきの隠し通路を戻ったって、どうせ敵がうじゃうじゃ居るんだ。それにグズグズしてたらそれこそ敵に囲まれるぞ。だったらひたすら叩いてくしかないだろ?」
「それはそうかもしんねぇけど…」
「成程…面白れぇ事言いやがる…。だが絶対的に覆らねぇ大前提がある限りそれは無に等しい言動だって事が分かってねぇのか?」
「『絶対的に覆らない大前提』…?」
「それは…てめぇら全員生きてここから出れねぇって事だよぉぉ!!」
そう言って、ガルダは手から火の玉を産み出し、俺達目掛けて飛ばしてきた。
「みんな避けろぉ!! みんな固まらないで散らばれ!」
珍しく駿が的確な指示を出した。
「おいおい、言ってる事とやってる事が全然ちげぇ様に見えるが?」
「うっさいな、時と場合によるんだよ!」
とは言うものの、相性は良くないな…。
やはり村を襲った連中と同じく、轟狐の連中は炎の魔石を使うみたいだな。
対して俺と駿は風の魔石、炎に餌をやる様なもんだ(理科で習ったなぁ~)
「駿、とりあえず魔石は使うな! 火の勢いが増すだけだ!」
「言われなくても、使う暇なんてねぇわ~!」
「冷静だわなぁ…。だが攻撃なくてどうやってこの状況を打開するつもりだ…?」
確かに状況は良くない。先程ガルダが放った火の玉が、瞬く間に拡がり始めた。グズグズしているとスーナ達も危ない。
「くっそ、あれで行くしかないか…」
俺は風を全身に纏うイメージを魔石に込めた。程なく俺の体を風が覆った。
「なんだそりゃあ…防御のつもりか? そんなもん炎に包まれて終わりだぜぇ?」
「防御じゃない、攻撃に転じる為の風だ! 見せてやるよ、ゲームで鍛えた想像力と、爺ちゃんに鍛えられた身体能力!!」
※次の更新は2月12日(金)の夜頃となります。




