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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
1章 初めての異世界
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No.1 プロローグ 異世界へようこそ-

初投稿、頑張ります。

挿絵(By みてみん)


目の前に広がる雲一つない青い空、鳥の鳴く声、雄大な大地。

それだけ聞けば、優雅な一人旅をしている旅行者にでも聞こえるだろうか。

しかし、俺は決して旅行をしているのではないことを断っておこう。

いや-----俺は回りくどい事は嫌いだ、諸君らにとっとと打ち明けてやろう…


「ここどこだーーーーーーーーーー!!!?」



はぁ…叫んだら、幾分すっきりした。


そう、実は気付いたら、見たこともないこの土地で寝ていたのだ。

ついさっきまで俺は学校へ向かって参考書を読みながら歩いていたはず。

最初は夢を見ているのかと思い、ベタながら頬をつねってみたりもした。

だが、変わらない。意味もなく痛いだけ。いや、だいぶ痛い。少しつねり過ぎて後悔すらしている。


痛いと言えば、妙な事に、朝から続いていた腹痛がどういう訳か、さっぱり消えている。

更に言えば、登校中に手に持っていたカバンや参考書がどこにもない。

しかも、俺は学ランを着ていたはずなのに、どういう訳か遊牧民族が着るような服装を着せられている。

勿論、登校中にそんなものに着替えた記憶はない。つーか着替えるかボケ。

今俺がいる場所を調べようにも携帯がない。カバンの中に入れっぱなしだ。

財布も一緒だ。非常に困った。どうしよう。こんな時人間はなんとも無力なことか…。


もしかして、俺は誘拐されたのか…?

手持ちの荷物や財布、携帯が無い、今俺が知らない場所にいるという点では一番信憑性がありそうだ。

服装が変わっている点はイマイチわからないが…。


とりあえず、ここがどこなのかをまずは把握しなければ!

未知の土地を歩き回るのは、少々不安だが、まずは状況把握をしなければ!


……

………

…………


30分は歩いただろうか。

一向に景色は変わらない。一面の草原がひたすら続いているだけ。

しかも、ものすごく腹が減ってきた。歩き回ったからか?

今朝は朝食を食べ過ぎて、腹が苦しいくらいだったのに。

いや、今はそんなことどうでもいい、とにかく先に進もう。


しかし、広大な大地が広がるばかりだ。本当にここはどこなんだろうか…。

日本…だよな?まさか海外?いや、いくらなんでもそれはないだろう。

いや、でも…。

ごちゃごちゃとした考えが頭を埋め尽くし出した時、背後に気配を感じた。


「誰!?」


思わず、上ずった声を出してしまった。だいぶ恥ずかしい。

振り返ると、そこには俺と同じ…いや、少し年下の少女が立っていた。


「あの…こんな所で何をされているのですか?」


少女は少し困り顔をしながら自分に話しかけてした。

急に話しかけられたからか、とっさに言葉が出なかった。

よく見ると、少女は俺が今着ている遊牧民の様な衣装を着ている。

顔は…正直、かわいい。いや、かなりかわいい。涙ぼくろがまたかわいい。

しかも、俺と同じ様な衣装を着ているということは、彼女もここに連れてこられたのか?


「大丈夫ですか?体調が優れないんですか?ここは山賊が度々出没するから危ないですよ」


やばい、この子何言ってんのンかわかんない。山賊って何?


「山賊…ですか?」


それが精一杯の言葉だった。


「はい、先日も被害があったので…。あなたもイクタ村の人だから知ってるでしょ?」


イクタ…村?ダメだ、何言ってんだか何もわからない。

っていうかなんで、自分がイクタ村の人間だと決めつけられた?

俺は神奈川県川崎市で暮らしている高校生だっつーの!


「いや、俺はイクタ…とかいう村の人間じゃないです。生まれも育ちも川崎なんで。

というかあなたこそ誰ですか?」


ちょっと、ぶっきらぼうな言い方だったかな?

少女は少し困った顔をしている。あぁ、困った顔かわいい。


「カワ…サキ?何を言っているんですか?だってあなたの来ている服はイクタ村のものでしょ?」


…会話が噛み合わない…。俺が今着ているのがそうなのか?

だけど、なんでそれを俺が着ているんだ?いや、着せられてた…?

彼女が着ている服も同じってことは、彼女はイクタ村の人なのか?

だめだ、全然わからない。とりあえず、話を合わせるか。


「えーと、君はイクタ村の人…なんですか?」


「はい、生まれてからずっとイクタ村で暮らしてます!」


そう言ってほほ笑んだ彼女の笑顔に思わず見とれてしまった。


まぁなんにせよ、現状を打開するには、その村に行ってみるしかないな。

俺がこの服を着せられた理由やここが一体どこなのかがわかるかもしれない。


「そのイクタ村に行くにはどっちに行ったらいいんですか?」


「あ、でしたら一緒に行きましょうか?私もイクタ村に帰る途中ですし!」


「良いんですか?なんかありがとうございます」


「いいえ、こんな所に置いていくのも危ないですし、困ったときはお互い様ですよ♪」


なんて優しいいい子なんだ…。やばい、優しさに包まれて泣きそうなんだけど。

そうして、俺たちは歩きだした。

しかし、村なんてホントにあるんだろうか?道路も標識も無いし、人っ子一人見当たらない。

相変わらず、一面草原が生い茂るばかりだ…。


「ちなみに、村まではどれくらいかかるんですか?」


「うーん、ここからだとだいたい2日くらいですねー」


「へー、2日かかるんですねー」


……

………

…………

……………2日?




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