第1話 普通じゃないよ、その生活状況
この小説は、旧ダウングレードの第1章部分を小説本体としたものです。
(1 を除く)
周囲を見渡す限り。田んぼが広がっている。
隣の家までの距離は、想像以上に遠く、電気も水も、ゴミの処理まで自宅で行う必要があるというくらいの過疎地だ。
田んぼは、収入源であると同時に、自分たちの命を繋ぐものである。
無論、畑もあるし、牛なども数頭飼育している。
都市部の住民たちと同じように、最新の情報などはネットを介せば入手は可能だった。
さすがに、ネットで注文して届けてもらうことは難しいらしいが。
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朝日が昇る前の朝焼けから、畑仕事をしてきた祖父が
「とりあえず、ここまでだな。」
と言い、作業を中断させて朝食を食べに行くことになった。
祖父とは書いたが、年齢はまだ55歳だ。
両親は、30歳。
僕は、今年13歳になる。
両親の高校生時代の交際の末に生れたのが僕だけど、曾祖父母や祖父母は拍手喝采、狂喜乱舞だったという。何でだろう?
家族構成は、曾祖父母(ともに85歳)、祖父母(同55歳)、両親(30歳)、僕13歳、妹10歳の8人家族。
大規模農業を採用した初めての農家と言われている。
実際は、もっと高度な技術で農家をしていて、自宅に巨大なサーバーがあり、そこに住んでいる”電子妖怪”の『ようちゃん』という人工知能と、その配下に配置されている”かかし”が、田んぼや畑の一切合切の世話などを引き受けている。
家族がするのは、新しい作物や効率よく農家経営ができる方法。
たまに、畑仕事をするというくらいで、曾祖父は新しい情報を探すという名目のもと、世界旅行中だ。
この時代としてはあり得ないほどの科学技術力、いや、いるかどうか分からない者たちを利用する摩訶不思議さに、生まれてから何も疑問にならなかった。
同時に4つの小説に分割したのですが、ちょっと混乱していまして、題名と内容がごちゃごちゃになっていました。(なので、第1話は差し替えになっています)
ここまでお読み頂きありがとうございました。
できれば、評価などを頂けるとありがたいです。