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バグ持ちの壊れたキャラだった冒険者。ガチャ確変SSRとなり不具合仕様認定で【真の壊れ性能】に!〜ユニーククラスの知識で自然と共生する産業革命!  作者: 夜切 怜
死闘! 【城塞戦】

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PKK

 『鋼の雄牛』』のメンバーは、『無銘』との戦闘では無く、モンスターに殺され続けていた。

 アーニーと祖霊の狙いが面白いように決まっている。 


 エルゼがアーニーに思わず尋ねたほどだ。


「俺も祖霊もMPKは大嫌いなんだ。本当はな。信じてもらえないかもしれないが」

「慣れてますよね?」


 そういわれてアーニーは思わず顔をしかめた。心外だと言いたいようだ。


「徹底的にやりあったこともあるんだ。亜人解放戦争のときにな」

「あー、あいつね」

 イリーネとロジーネ、レクテナには心当たりがあるのだろう。同じく顔をしかめた。


「いわゆるPKにも二種類いてな。変な言い方だがペナルティを恐れず決闘感覚で無差別に襲ってくる奴と、嫌がらせでPKしてくる奴。とくにMPKを狙ってくる連中はとにかく厄介だ」

「厄介とはどういう意味です?」

「仕様上、直接攻撃せずに、攻撃を食らうと被害者になるんだ。身を守るためMPKした連中を冒険者が攻撃すると、冒険者組合からペナルティを喰らうし、ペナルティを受けた状態はおとがめなし。それを狙って殺しにくる」

「身を守るためなのに?」

「そうだよ。じゃあ、どうするか。無視して狩りをやめるか、こちらもMPKを仕掛けるぐらしかないんだ」

「なるほど」

「確かに最悪な迷惑行為だな。加害者が被害者になりすます仕様なんて」

 エルゼは納得し、ニックは憤慨していた。


「亜人解放戦争で、本職でもないのに魔物使いって呼ばれる治癒士がいたの。アーニーと祖霊がいなかったら私たち危なかったわ」

 イリーネがぼやくほどの敵だったのだろう。


 エルゼも訝しんでいた。アーニーはイベントでしか頑張らないタイプの冒険者。その割に詳しいと思ったのだった。


「やり方はその時学んだよ。MPKっていうのは世界の【仕様】を解明するのに、一番暗い情熱を燃やしているからな。今回敵が、迷惑行為など存在しないと断言してくれたおかげで取れる戦術だ」

「対抗するために、アーニーさんと祖霊様も研究した、と?」

「祖霊の世界ではPKKっていうらしい。MPKは迷惑行為のえげつない戦術だが、あいつらには容赦しない。思う存分やらせてもらうさ」

「【城塞戦】のルールのおかげで、彼らは逃げることもできないですしね」

 エルゼの言葉にアーニーは頷いた。

 敵は彼らを罠に嵌めるつもりで、嵌まっていたのだ。


「『鋼の雄牛』の連中はルールに則って殺しにかかる似非PKだ。読みやすい」

「対策手段、普通なら考えもつかないですよ」

「一番は無視、放置なんだ。相手に合わせる必要はない。あいつらは狩り職中心。城塞戦のルールがなければ、普通の戦争状態もありえた」

「かといってあいつらのせいで行動が制限されるのは面白くないぞ」

「そう。仕掛けたもん勝ちなんだ。PKってのはね。とびっきりの迷惑行為だし、神々の監視対象下の置かれる。それを理解して対策する。相手と自分が違う競技(ゲーム)にいると理解するところから始まるんだ」

「自分の行動も制限するってことですか?」

「結果そうなる。俺たちも現在は狩りや迷宮探索できないだろ? 今は冒険者じゃない、ってところから切り替えないと、殺されるだけなんだ」

「俺たちは対人職や戦争職だから、理解はできる」

「PKKとはいっても所詮PKの一種なのは変わりない。すぐ飽きるし、相手のほうが競技(ゲーム)を降りる権利がある以上は不毛。対応が後手だからな」

 PKもMPKもPKKも不毛だとアーニーは思っている。


「城塞戦はルールが抜け穴だらけだ。PKによる圧力、ふっかけたもん勝ち。その先はさして考えてないだろう。今もあいつら、どうして押されているか理解している冒険者は少ないと踏んでいる」

「ロドニーの命令で動いているだけですもんね」

「『鋼の雄牛』が似非PKといったのは、奴らが狩り職中心の冒険者構成からみてもわかる。狩りにも飽きたから俺たち弱小チームをいたぶるためのPK。それが運の尽きだったってことさ。装備を調え、強くなってより強い獲物を倒す。対人スキルは少ないのが響いてくる」

「連中、もともと闇の飛龍退治に集まった連中だよな」


 冒険者ではなく、違う競技(ゲーム)。これが本質なのだろう。仕掛けられた方が遙かに不利な、理不尽な競技だ。

 アーニーは、『鋼の雄牛』が安全が確保された競技でしか、PKをしないということを見抜いていた。


「こっちは戦争職、対人職が多いからな。実際、面白いようにスキルが決まるだろ? 狩り効率の悪さは仕方ない」

「涙でるほどわかる自分が嫌だ。ようやく本来の戦いができている」

 ラルフが半泣きでいった。


「俺もわかるわー」

 ニックがしみじみいった。


「この力は何かを守るためにある。彼らは狩りで強くなるために力を蓄え、俺たちは守るために業を磨く。その違いだな」

「俺、一生アーニーさんについてくわ」

「俺はとっくにその覚悟だぜ!」

「アーニー様は渡しませんよ?」

「同じくです」

 盛り上がる男性陣に、女性陣が割って入るのだった。

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