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challengers   作者: 尾弍木玲斗
6/7

<下準備>

気がつくと、僕は

路地裏で寝そべっていた。

下界に帰るときはどんな状態で

目覚めるのかと思っていたが

案外適当らしい。

「うう・・・。」

僕はふらふらと頭を起こし、

携帯を見る。

液晶の画面には、

『16:40 2月14日 日曜日』

という文字と数字が浮かび上がっていた。

そして、かなりの数の着信履歴。

相手は1人しかいない。

携帯にただ1つ入っていたその番号に、

僕は電話をかける。

相手はワンコールで出た。

「今どこ?ねえ、

なんでさっきから出ないわけ?

何してたの?」

夕の問いから察するに、

コンビで目覚める時間にタイムラグがあるらしい。

「ずっと寝てた。」

「・・・タイムラグがあるの・・・?」

「らしい。」

夕はため息をついてから、

「で、どうするの?

言われた通りに合流する?

やめといた方が良いと思うけど。」

「うん・・・、やめとこう。」

僕は東京生まれだし、

夕も今の発言からして此処の土地勘はないのだろう。

ナナハラさんには合流しろと言われたが、

下手に動き回ったら、確実に余計合流が難しくなる。

「ナナハラさんが言ってた赤鳥マンション

に、各自で行こう。

名前のある建物なら、迷うことはないだろ。」

「現地集合ってことね、了解。」

電話が切れる。

「さて・・・」

僕が歩き出そうとした時、

メモの張り付いたリュックが

そばに落ちているのに気づく。

メモには、「あなたの荷物です ナナハラ」

中を見ると、ノートやペン、

保険証、高校の卒業証書、

バイクの免許(これは生前にとったからだろう)

そして、お金の入っている封筒。

「ありがとうございます。」

僕は虚空に向かって礼を言い、

頭を下げてから、歩き出した。


20分後、

僕達はマンションの階段を登っていた。

マンションに着いた僕達は、

まず、オンボロではなかったことに安堵した。

と言っても最新の高級マンションというわけでも

もちろんなかったけれど、

贅沢を言える身分じゃない。

ザ・普通のマンションという感じだ。

オーナーさんには、

説明が不要だった。

なぜなら、

この人は天国の関係者らしく、

僕達が『チャレンジャー』であることも

あらかじめナナハラさんが報告していたらしい。

ついでに年齢艤装もしてくれた。


にしても、年頃の男女が一つ屋根の下で

暮らすのはいかがものか。

と歩きながら思っていると、

ナナハラさんから電話がかかってきた。

「言い忘れていましたが、

2・3日に一回、わたしが家を訪問します。

その時に不適切な事を行なっていると分かれば、

ペナルティーがありますのでご注意ください。」

残念ながら、読者である君達が

思っているライトノベルのよう

なことは一切起きないし、

絶対に起こせないようだ。


部屋に入ると、家具などが買い揃えられており、

服まで用意されていた。

僕達が驚いたのは言うまでもない。


僕達は荷物をほどいてから、

ある問題に直面した。

「仕事どうしよう。」

一応お金はあるが、

何かやってないと絶対に怪しまれる。

その時、

夕が提案してきた。

「1つ案があるんだけど。

ていうか私がやってみたいの。

資格なしでやれて、

ちゃんとしたお金が入る時もある。」

「・・・何?」

夕は薄く笑みを浮かべて言った。

「何でも屋!」








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