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赤い絆と赤い誘い  作者: クロウ
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第2話 赤い筆跡

「こういう紹介の仕方をするとなんか少し恥ずかしいですね。」「確かに少し恥ずかしいですね。」「じゃぁそろそろ行きましょうか」その後大体2分くらいで彼女の家に着いた。見た感じだと普通の家だった。周りと同じように白い壁に茶色の屋根そんな感じだ。でも俺はきずいてしまった。たった一つ、ほかの家とは違うところに。壁に微かにだが赤い跡が見える。あれは恐らくいじめのあとつまり落書きであろう。赤いとはいえそれは明らかに血痕などではなく、スプレー缶の塗料だった。流石に頑張って消したのか跡はものすごく微量だったため、見つけるのもましてや読むことも困難だった。しかし、それほどまでにひどいいじめを受けているのは事実である。こんな話はニュースでも聞いたことがないくらいだ。しかしなぜ誰もこんなあからさまにいじめを受けているのに止めない。なぜ親は学校や警察に相談をしない。なぜ。そうは思ったが流石に俺はそこまで聞くことは出来なかった。その日はそのまま普通にお茶をいただき、1時間ほどでお暇した。あの落書きのあとからして一体何が彼女にあるのか気になってしょうがなかった。だからこそ俺はそれを知るために次の日も、また次の日も同じ時間に帰り、同じように彼女に声をかけた。そんな生活は大体2週間続いた。この時は全く気づかなかったが、2週間もこんなことをしたのは好奇心だけではなく、彼女に会いたいという気持ちもあったのかもしれない。


今日も俺はいつもと同じ時間に帰りいつもと同じように彼女を探した。彼女はいつもと同じ時間に同じ場所で見つかった。しかし、何かが違う。なんというのかいつもより重い雰囲気を醸し出していると言えばいいのだろうか。最近は俺がいるから帰り道はあの阿呆共はいない。だが暗い。俺は不審に思いながらも声をかけた。「やぁこんにちは」「あっこんにちは」彼女は声をかけるとこちらに振り向き微笑みを浮かべた。しかしそれはどこかいつもと違う。完全に作り笑いだ。こうなってくるともう何かあるとしか思えない。俺は好奇心に負けた。「何かあったんですか?」「いや特に何も無いですよ?なんでそんなこと聞くんですか?」「嘘をついても分かりますよあなたの顔を見れば」「...そんなに顔に出ちゃってますかね」「えぇ作り笑いをしてたら知らない人でない限り分かりますよ」「そうですか...でもこれは貴方には関係の無いことです。気にしないでください。」「...」「では今日はやることがあるのでこれくらいで失礼させてもらいますね。さようなら」「...さようなら」そういうと彼女は足速に家へと帰っていった。関係の無いこと...か。確かに俺に関係ないことだろう。しかし、どうも気になる。家に何かあったのだろうか。俺は再び好奇心に負けた。俺は彼女の家へと足を運んだ。


「なんだ...これは...」彼女の家の見えるところまでやって来た俺は衝撃を覚えた。そこには壁を洗う彼女がいた。そして壁には...赤い筆跡があった。それは彼女が掃除しているからかほとんど読めるものではなかったが一文字だけまだ読めるものがあった。そこには【し】という文字が。し?一体何を指すものだろうか。全く予想すらできない。その横には二文字ほどのスペースがあったがその時の俺には全く予想ができなかった。ここで3度目の選択を迫られた。彼女に話しかけるかそれとも見なかったことにするか。果たして俺はどうするのが正解だったのだろうか。俺にはずっと分からなかったし、これからも分からないだろう。しかし、俺はどうも《抑える》ということがあまり得意じゃないようだ。俺は彼女に声をかけてしまった。「こんにちは...はさっき言ったか。」「!?...来てしまったんですね...」「ごめんどうしても気になって...」「まぁ見られてしまったものは仕方ありません。せっかく来ていただいたんですお茶でも飲んで言ってください。」そう言って彼女は家に入ろうとする。「あっ!出してくれなくていいよ。そんなことより壁の掃除手伝うよ。」「えっ!?そんなの申し訳ないですよ!」「だってこんなの早く消さなきゃだろ?知らない仲じゃないんだそれくらい手伝うよ。」「でも...あなたにもいろいろやることがあるでしょう?」「そんなもの無いですよ。すごい暇です。ですから暇つぶしに手伝っていきますよ。」「...でも...」「まぁ何かダメな理由があるなら別ですが」「...分かりました。ありがたくお願いさせていただきますね。」「任せてください!さぁさっさと終わらせちゃいますよぉ!」壁の掃除は大体2時間くらいで終わった。多少残っているところもあったがまぁそこら辺はおちなかったので妥協した。その後は流石に時間が時間だったのでお暇させてもらった。彼女はお礼に夜ご飯でも食べていきませんか?と言ってくれたが流石に申し訳ないし家に帰らなきゃなので断ってきた。正直今思うと彼女の作る夕食も気になったがまぁ申し訳ないしねぇ。...流石に何が書いてあったのか何故ここまでいじめが酷いのかは聞くことができなかった。いや聞かなくて良かったのだろう。人には知られたくないこともある。そんなことを思いながら俺は帰路を辿り家に着くのだった。

第2話をしっかり連載として投稿するためにもう1度投稿させてもらいました。ほぼ同時に第3話も投稿させてもらいますのでよろしければ読んでくださいお願いしますm(_ _)m

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