異変
2017年4月、得能 直幸は山之内高校の1年生として入学式に足を運んでいた。
春とは思えない蒸し暑さに苦しまされている直幸は、校長の長話に呆れていた。
『えー、新入生の皆さんご入学おめでとうございます。』
長い話をすきなやつなんていねぇの分かってんだろ、おめでとうとか言うならそれ以前に話を短くしろ。
『以上です。』
は?
そう、異変の始まりはここだった。このときはまだ、あんなことになるとは知らなかった。
どうやら俺は、人の心を操れるらしい。自分でそうなれと願えば、なんだってすることができる。神様、俺にこんな能力を恵んでくれてありがとう。
『よ!直幸!』
チッ、うっせーな。こいつの名前は細矢 隼、小学校からの幼馴染だ。俺とは違い、元気で活発なやつだ。
『んだよ隼、俺は読書してぇんだよ。』
『直幸ったら本当に毎日読書だよな、今日はちっと相談があるんだ!放課後正門でまっててくれ!』
相談?隼にしては珍しいな。
『はいはい、分かりました。じゃあまたな。』
俺は話を無理やり断ち切った。
授業が終わり、俺は正門へ向かった。待ってろと言われたが、逆に俺が後からきた。
『ごめん、遅かったか?』
『あ、いやいや俺も今来たんだ。』
だろうな。
『で、話ってなんだ。』
『そうそうそれだ、信じてもらえないと思うけど実は俺・・・』
俺はその後の言葉を聞き、倒れそうになった。
『人の心を操れるんだ。』
そんな馬鹿な。俺以外に使えるやつなんていない・・・・いや、いてもおかしくない。
『ば...バカな.....そんなこと出来るわけ...』
そうだ、出来るわけない。
『さすがに直幸でも信じてくれないか....まあ当たり前か...じゃあまた明日な!』
そう言うと隼は、手を振りながら家方面へ走っていった。
俺も・・・帰るか。
のんびり書いている作品なので、期待はしないでください(笑)。