七匹目。
「何? もう、カミングアウト、しちゃったの?」
野上さんは、なんともいえない顔で、俺とテルとヨウを交互に見ていく。俺は、俯いたまま、黙っている。
「うんっ、別に、僕らは気にしないけど、他の人たちはどう?
ヤト、女の子だって」
ぼそり、とカオルが俺を見て、呟いた。
「俺は、世間が分からないなら、別に良い」
「俺も、俺らに迷惑がかからないなら、良い」
アオイがスマホをとられて、手持ち沙汰になった手をぶらぶらとさせながら、言った。どうやら、メンバー追放、的なことにはならないようだ。
「ん、じゃあ、ロウガは? どう思う?」
ヨウがロウガに話を振る。すると、ロウガは一旦、間を開けた後、呟いた。
「……皆が、良いなら…、」
野上さんが、全員を見回した後、頷いた。
「うんっ、じゃあ、この6人がzoo!! のメンバーです。
ひとつ、ビデオカメラを置いていくから、それで、勝手に撮影してね。
来月の第一土曜日から、放送だからね、それまでに皆で仲良くなっておいてー、
じゃ、マネージャーは帰ります、っと」
お茶をくいっ、と飲み干してから、野上さんはビデオカメラと説明書、そして、合鍵を置いて、帰っていった。
「じゃ…荷物、取ってきますか…、」
アオイがおもむろに立ち上がるとそう、呟いたので、各自立ち上がって、一旦、家に帰った。