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百合な彼女の転生後(仮)  作者: バルメ・メリーゲート
第一章 幼年期編
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得意な属性

 次の日からお母様の魔法指導が始まった。


「まず人には得意な属性と不得意な属性があります。一般的には……」


 アーレが言うには得意な属性は大体普通の人で2個、よくて3個。

 他の魔法を使うより消費と効果が大きく変わるらしい。

 小さな消費で大きな効果が得られるわけだ。

 得意な属性じゃなくても一応は使えるようだ。

 ただ魔力を倍近く消費するという。



「さ、これに手をかざして集中してみて」


 アーレが鈍い銀色の円盤を持ってくる。

 大きさはレコードくらい。

 だが厚みは5センチくらいある。

 見た感じ重そうだが、アーレが持っているのを見るとそうでもないのかもしれない。


「これに手をかざして、ゆっくりと魔力を手のひらに集めるの。できる?」


 魔力を集める。

 手のひらに意識を向ければいいのだろうか。

 私は手のひらに何かオーラとか気孔とかそんな感じのものが集まるイメージをしながら集中する。

 すると何かが体の中を通って手に集まってくる感覚がある。

 これが魔力なのだろうか。


「そう、そうよ。いい感じ」


 これでいいらしい。

 嬉しそうにこっちを見てくるアーレ。

 そんなに嬉しそうにされるとこっちまで顔がにやけてくる。

 手に魔力を集め始めて少しすると、だんだんと円盤に変化が出てきた。

 色がどんどん変わっていく。


「さて、そろそろいいかしらね。まぁ! さすが私の子ね!」


 嬉しそうにはしゃぐアーレ。

 なかなかにいい結果だったのだろうか。


「お母様、私はどうなんですか?」

「すごくいい結果よ! さすが私の子ね!」


 二回言った。

 大事なことなのか。

 まぁ本人からしたら大事か。

 私の結果は、得意属性が赤、緑、黒、無属性だという。

 さっきの円盤を見せてもらったが、中心が赤、そこから外に向かって赤を囲むように緑、黒になっている。

 無属性はどこ行った。

 というか何色だ。


「無属性は無色なの。つまり最後の円は色が無いから無属性ってことね」


 なるほど。

 無だから色もないのか。

 でもさっき聞いた話では、得意な属性は普通で2個、よくて3個って言っていたはずだ。

 もしかして私天才?

 いや待て待て。

 前世でよくやっていたFPSや格闘ゲームでも天狗になって突っ込んでボコボコにされたりした。

 ここは冷静になぜかを聞いてみよう。

 もしかして故障かもしれないしね。


「なぜ私は得意な属性がおおいのですか?」

「私の血を引いてるからよ。お母さんはこれでも世界一の大賢者なのよ?」


 衝撃の事実。

 まさかお母さんはものすごい有名人だったりするのだろうか。


「てのは冗談で、私はエルフの血を引いているからね。ハーフだけど。あなたにもその血が流れているって事よ」


 お母様ハーフエルフだったのか。


「私はハーフエルフでもエルフの血が濃く出たからほとんどエルフと変わらないけどね。見た目はほとんどエルフだし、ただ少し苦手な属性があるのが違いかしらね」


 なんでも純血のエルフは全ての属性が得意らしい。

 チートですか?

 アーレがさすが私の子って喜んでたのはエルフの血が入って得意属性が多くでたからか。


「それにね、エルフは基本魔力が高いから、カレンがこのままサボらずに鍛錬を続ければ魔力総量も大きくなるはずよ」


 まじか。

 私勝ち組みたいです。

 でもこれで調子にのったらダメだな。

 鍛錬すればって言ってるし。

 よし、今日から毎日鍛錬しよう。

 でも鍛錬ってどうすればいいのだろうか。

 滝行とか、土手に丸太を打ち込んで鉄のこぶしになるまで殴ればいいのだろうか。

 ってそれはボクシングか。


「お母様。鍛錬とはどうすればいいのでしょうか?」

「んーとねぇ。とりあえず魔力を使って空にして回復するのを繰り返す。あ、でも気分が悪くなるまでやっちゃだめよ? 体がだるくなってきたら休んで、回復してからよ? あんまり使い続けるとほんとに危ないんだから」


 昨日私が吐いて気絶したことを心配しているのだろう。

 アーレはよく注意するようにと念を押してくる。

 今日はお母様が見てくれるが、どうしても見れないきは使用人のセーラに頼めばいいという。

 セーラか。

 ちょっと、いやだいぶ堅物で苦手なんだよな、あの人。


 うちには使用人が二人いる。

 その一人がセーラだ。

 年齢はたぶん三十後半、丸い眼鏡をかけていて、赤茶色の髪を後ろでお団子に結い上げている。

 あまり感情を表情に出さないタイプで、慌てたり笑ったりしているのをほとんど見たことが無い。

 クールにミスなく家事をこなしていくスーパーメイドだ。

 ただ何か間違っていると指摘されるのであまり好きではない。

 前にナイフとフォークのもち手が逆、使い方が、スープを飲むときは、などなどクドクド言われてげんなりして、味がほとんどわからなかったときもあった。

 私が間違っているのはわかるがあそこまでクドクド言われたらさすがにめんどくさくなってくる。

 魔法でも細かく指摘されたりするのかな。

 今から考えるだけでもげんなりする。

 もう一人の使用人はマリアといって、二十前半の薄い青色の綺麗な髪をおかっぱにした元気なメイドさんだ。

 ドジったりしてセーラに怒られたりもしてるが、回りに元気を振りまいてくれる明るさがある。

 かわいいドジっこメイドさんだ。

 私ともよく遊んでくれる。

 ただ仕事をサボって遊ぶのはやめてほしい。

 セーラが怒ったときの絶対零度の表情を見るとちびりそうになるからね。

 できればマリアに見てもらいたかった。

 まぁ今日はお母様が見てくれるみたいだからいいけど。


「じゃあ今日は全部の属性をちょっとだけ出してみましょうか」


 私は元気よく返事をして、お母様の授業に集中した。

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