第6話 仕事の割り振り
「よし。じゃあ仕事割り振るぞー。」
皆のギフトや人となりに合いそうな仕事をTo-Doリストから割り振っていく。
まとめるとこんな感じになった。
俺
ギフト:【保管庫】
仕事:監督、DP使用による施設作成や物品購入、食料調達
郷田 礼護
ギフト:【土いじり】
仕事:畑作り、遺跡入口の隠蔽
佐俣 銀河
ギフト:【操流】
仕事:水路作り
有栖川 来夢
ギフト:【奇跡】
仕事:魔物召喚、魔物育成、DP獲得手段の模索
吾武 莉那
ギフト:【鑑定】
仕事:俺の補佐、有栖川の補佐
羽根田 陽世子
ギフト:【天候操作】
仕事:湖作り
仕事の割り振りに際して物凄く役に立ったのが羽根田先生のとある発見だ。
DPを消費する各種機能はダンジョンコアからでないと使用出来ないのだが、【ダンジョンステータス】と唱える事でダンジョンの情報を見る事自体はどこに居ても出来る。
羽根田先生がおつかいのついでに見つけてくれた機能だ。
ちなみに今のダンジョンステータスはこれ。
ダンジョン主:御厨 理久
ダンジョン名:とても住み心地の良いダンジョン Lv.1
所有DP:2,852/6,000
階層数:1
属性:罠
形態:地下遺跡
同盟:ひよこくらぶ Lv.1
同盟所属魔王:御厨 理久、有栖川 来夢、郷田 礼護、吾武 莉那、佐俣 銀河、羽根田 陽世子[6/10]
そしてこの同盟所属魔王から名前を選択すると、その者が持つギフトとその権能が表示されるのである。
この仕様も羽根田先生の発見だ。
ギフトの全てが詳らかになるというわけではなかったが、ざっくりとした効果が分かるだけでも充分に助かった。
これによって仕事の振り分けが格段にしやすくなったのだ。
例えばその権能が分かりずらい有栖川の【奇跡】であればこんな説明が出る。
【奇跡】
自分にとって都合のいい偶然を掴み取る事が出来る。
但し、発動は任意では行えない。
一見分かりづらい説明だが、これはあらゆる場面で効果を発揮すると思われる。
魔物の召喚がその一例だ。
ダンジョンメニューから行う魔物召喚では、極稀に【レア個体】というものが召喚出来るらしいのだが、このレア個体は通常個体に比べステータスが高い上に特殊なスキルを持っている事が多いそうだ。
有栖川はギフトを発動する事で、その"極稀"を引き寄せる事が出来るのだ。
これは相当なアドバンテージになる。
任意で発動出来ないとしても、繰り返し行う魔物召喚などでは、たまに発動するだけでも充分意味があると言えよう。
羽根田先生によるギフトの閲覧方法の発見も、誰かがいずれ辿り着いた事だとは思うが...このタイミングで発見してくれたのは、有栖川の【奇跡】のおかげかも知れない。
そんなこんなでこの情報を頼りに、俺は皆に仕事を割り振った。
特に反対意見が出る事も無く、仕事の終了時間を日暮れまでと決めて早速動き出すことになった。
「よっしゃ!気合い入れていくぜぇ!」
「がんばるぞー!」
「...まぁ、実際動き出せるかはこの後の展開しだいだけどな。」
佐俣、吾武ら元気組による号令を合図に、皆で移動を開始するが、まずは全員ダンジョンコアに行く事になる。
ダンジョンメニューによるダンジョンの編集がそれぞれの仕事の起点になるからだ。
DPに余裕が無いので今日のうちに全て着手出来るか分からないが、優先順位を間違えずに手をつけていこう。