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第2話 ダンジョンについての話し合い


ここで集まったメンツを簡単に紹介しよう。


御厨 理久(みくりや りく)

俺。


郷田 礼護(ごうだ れいご)

俺の幼なじみ。ぶっきらぼうだけど良い奴。元柔道部主将。見た目はガン〇ム。


佐俣 銀河(さまた ぎんが)

銀髪にピアスのチャラ男。丘サーファー。女好き。女は佐俣が嫌い。


有栖川 来夢(ありすがわ くるむ)

成績優秀。黒髪色白清楚。可愛い。付き合いたい。あわよくば結婚したい。


吾武 莉那(ごたけ りな)

三つ編みメガネ。元気な腐女子。俺と礼護をそういう目で見てくる。有栖川の親友。


羽根田 陽世子(はねだ ひよこ)

俺達のクラスの副担任。生徒の誰よりも小さい。ロリ女教師。生徒に舐められてる。


と、こんな感じだ。


とりあえずここに集まったメンバーは既に現状をある程度受け入れ、心の整理を付けているようだ。

他に選択肢が無い、という諦観がその理由だとは思うが、一旦は邪神の言う【魔王】として生きていく方針で覚悟を決めている。


「プラスの1人は羽根田先生か。助かる。」

「だしょ?みっくんはピヨコせんせー好きだもんな!せんせーが1人であわあわしてたからレゴ助が誘ったんよ。」

「ナイス礼護。先生の事は有栖川の次に好き。正直、性的な目で見てる。」

「「えェッ!?」」

「みっくんわたしは!?わたしは何番目なの!?」

「吾武は...な?」

「はいみっくんきらーい。」

「...吾武。日頃の行いだ。あと理久(りく)はセクハラをやめろ。」


いつも教室で話している面々の顔を見て安心したからか、要らないことまで言ってしまった。

おかげで有栖川と羽根田先生は変な声を挙げ、吾武からはジト目を向けられ、礼護には叱られた。


「...で。みんなヘルプは読んだ?」


無理やりにでも空気を変えるために、中空に浮かぶウィンドウを指しながら話を切り出す。


「大体は読んだんだけど...【ギフト】の事はよく分かんないね。」


俺の強引な舵取りに呆れながらも乗ってくれた有栖川が返事をしてくれる。


邪神の言っていたギフトについて。

これに関してもヘルプ機能で説明を読めるのだが、その内容はイマイチ判然としない。


どうやらダンジョンのシステム自体は邪神の権能によるものらしいが、このギフトというものは俺達自身に宿っている力のようだ。

その為、ダンジョン作成システムのヘルプ機能を見ても「異世界転移者が宿している異能。」という説明以外出てこない。


「でもさぁ。なんて言うか...使い方は分かるんだよねー。」


吾武の言うように、使い方は分かる。

俺のギフト【保管庫】であれば、【収納】と【取り出し】という言葉が頭に思い浮かび、それを選択することで使用出来るようだ。

更にまだ隠された機能があるような気もするが...それは使っていく内に分かる事なのかも知れない。


「と、とりあえず皆さんのギフトが何だったか共有します?」

「先生に賛成。そこからどんなダンジョンにするか決めてこ。」


羽根田先生の意見に有栖川が乗っかって他のみんなも首肯で応じた。

邪神の言っていた事を全て真に受けるのもどうかと思うが、実際ヘルプを読んだ感想としても、ギフトに合ったダンジョンを作るというスタイルは理にかなっていると思う。


俺達はそれぞれのウインドウに表示されているギフトを教えあった。


まとめるとこうだ。


御厨 理久(みくりや りく)

【保管庫】


郷田 礼護(ごうだ れいご)

【土いじり】


佐俣 銀河(さまた ぎんが)

【操流】


有栖川 来夢(ありすがわ くるむ)

【奇跡】


吾武 莉那(ごたけ りな)

【鑑定】


羽根田 陽世子(はねだ ひよこ)

【天候操作】


正直ギフト名が分かってもピンと来ないので、それぞれ自分のギフトで何が出来そうかを申告し合う。


その結果。


「街づくりとか出来そうじゃね?」


となった。


「...それって、魔王がやる事か?」

「わたしは良いと思うよ?レゴきゅんは反対なの?」

「いや...。平和に過ごせるならそれが1番良い。」

「先生も...異世界の方々に迷惑かけたくないです。」

「正直俺は特に役立てそうに無いから、みんなの意見を尊重するよ。」

「わ、私も【奇跡】とかよく分かんないし...。でも人に嫌われる様な生き方は嫌、かな。」


どんなダンジョンを作るか、という話をしていたはずが、いつの間にやら街づくりの話になってしまった。


でも、これで良いと思う。

人を誘い殺すダンジョンを作るより、人が集い憩う街づくりの方が、気持ちよく取り組める気がする。


「よしっ。方針は決まった。それじゃあどんな街にするか、皆で決めていこうか。」


明るい気分になって調子に乗ってしまった俺は、自分が【保管庫】なんていう大して役に立たなそうなギフト持ちであるにも関わらず、そんな風に指揮を取ってしまった。


しかし皆はそれを不快に思うどころかむしろ晴れやかな顔で頷いてくれる。


それがなんだか、とても心強く感じたのだった。


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