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悪寒と蕁麻疹

「多田さんから最初に連絡をいただいた時はとても信じ難い内容でしたが、お陰様で活動できる署員を確保することができて本当に助かりました。改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。」


最初に電話で話した時とは違うどこかの海軍中将のような強面とは絶対的に似つかわしくない話し方に生理的な悪寒を覚えながら聞き続けるのにもそろそろ限界を感じ始めている。

こちらからありのままに全てを話すつもりはないが、聞きたいことがあれば答えられる範囲で情報は開示するのでどうか普通に話してほしいと思う。


「続けていただいた怪物やダンジョンの連携、降伏に関する情報も驚くべきことでしたが、最初の情報の正確さがありましたので直ぐに身内で確認させていただきましたところ問題がないどころか秘匿する方に問題があると判断して上層部とも相談した結果、政府による情報公開に至ったわけです。」


「少しでもお役に立てたなら情報を提供した甲斐があるというものです。」


「ここだけの話、実は情報提供者の正体、つまりあなたのことを知る者はかなり限定されております。」


なんですと。

何を危惧されているんだろう。


『多田さんの身を案じられてということのようですわ。実は深夜頃から公安警察の方がアパートの周囲を警戒していたようなのですわ。』


ようやく面近さんが冷静さを取り戻し、力を発揮し始めたようだ。

待てよ、深夜からってことは紀香を車ごとつくばの方に転送した時のことを知られちゃってるとか。


『のようですわ。』


「万が一、貴重な情報源のあなたが失われるようなことがあっては国家の存亡に関わるとの配慮からです。誠に勝手ながらあなたの周辺に警護の者を配備させていただいておりました。」


げっ、そんなことになってんの。

危険人物としてマークされての扱いじゃないなら構わないかと思ったが、行動が制限されるのは好ましくないなあ。

実際に警護を撒いた形で茨城、栃木の方に出かけちゃってるけど、そのことについてはどう思ってるんだろう。


『私たちが紀香さんと突然消えたことに関しては心底心配されたようなのですわ。その後、紀香さんの職場の方にも手を回したようで昼頃には無事が確認されましたが、私たちは行方知れずで公安警察の方がいろいろとご苦労されたようなのですわ。』


それは申し訳ないことをした気になってしまうが、そうすると日光東照宮や鬼怒川温泉に気軽には行きづらくなるなあ。って、そうじゃないね。


「警護の方がいらしたということは、私たちがコーポ大家からしばらくいなくなったことはご存じなんですよね。何かお聞きになりたいことがあるんじゃないですか。」


「それはそうなんですが、くれぐれもあなたの気を損ねないようにと上の方からも重々言われておりまして、無理に聞き出すつもりはございません。それでも何かお話しいただけるということがあれば、謹んで拝聴させていただきます。」


「私の気を損ねないようにするつもりでそのような話し方をされているのでしたら、逆効果なので最初の電話の時のようにお話ししていただけませんかね。あれを知っててこの口調ははっきり申し上げて気持ち悪いことこの上ないです。」


「…こりゃすまなかった。ワシももう少し続けていたら蕁麻疹が出とったかもしれん。助かったよ。で、どうなんだい。言える範囲でいいから新しい情報をくれんかね。ああ、そうだ。先にこっちの方の情報を渡しておこう。」


お互い我慢の限界だったようだ。

ようやく素に戻ってくれてこっちとしても大助かりだ。


副署長さんから得られたのは次のようなことだ。

まず、配下の拠点数が2になった時点で拠点周囲の空き地を無効化する効果が表れ、16に達すると位階が変わり、空き地を無効にする範囲が広がることが確認されたとのこと。

その恩恵を得ると同時に防衛の観点から都道府県単位で公的機関のダンジョンマスター同士で降伏先を決定して都道府県毎の上位に位置するダンジョンマスターは一応秘匿することにしたらしい。

どういうことかというと、位階序列のことも話しているのですべてを統合してしまうと一番上のダンジョンマスターが降伏させられると誰も逆らえなくなってしまうことを危惧したということだ。

位階が上がるともれなくスキルファームが取得できるのも確認されているようだが、これについてはどうやって使うのかが判っていないらしい。


そりゃそうだよね。スキルファームはスキルを二つ持っていないと操作することすらできないわけで、今のところ普通の人はデフォルトでスキルを一つしか持っていないようで、手っ取り早く二つ目のスキルを取得するには今のところスキルガチャを使うしかなくて、スキルガチャは1000ポイントも必要なわけで、必ずスキルを取得できるわけでもなくて、難関が多すぎるのだ。

私の場合、そのポイントをどうやって貯めたかを言うのがさらに憚られるわけでさてどうしたものか。


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