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神話

神様を信じていないというのはちょっと違うかもしれない。

神様のような存在はいると思っているが、万能で何でもありなわけではないと思っている。

それこそ神道で言うような八百万の神々を否定するつもりなどない。

ギリシャ神話やローマ神話などで語られているような神々もありだと思っている。

私が信じていないのは分け隔てなく救いを与えるようなことをする人間にとって都合のいい存在だ。

そんなのがいるなら世の中に人を殺すような人間がいるはずがない。

極論を言えば世の中の人が不当に受けた扱いを放っておくはずがないというか、そういう不当な扱いを受ける前に完全無欠の神様がなんとかしろよと思ってしまう。

そんなに常在普遍で世界の理を自由にできるというなら何故私の妻を脳卒中なんかで逝かせた。

妻が何かしたというのか。

それとも何か私の行いが悪かったから戒めだとでもいうつもりか。

それなら私より先に報いを受けるべき人間が山ほどいるだろうが。

いかんいかん、なんかここ数日で自分の闇が深くなった気がする。

人や獣人をこの手にかけ過ぎてしまった報いだろうか。

それともダンジョンから何かしらの影響を受けているとかあるのかもしれない。

実際に妻が他界した時に強い喪失感はあったが、何かの所為にするなんて思ったことはなかったのだから。

いずれにしてもちょっと何か対処した方がいいかもしれないね。


心を落ち着かせて神様の話に戻すと、ギリシャ神話とかに出てくる神様たちは神聖というよりは非常にドロドロとした人間臭さがあって逆に好感が持てるほどだ。

例えば、今回の騒動の引き金というか何らかの関係があると思われる天王星はギリシア神話における天の神ウラノスから名前を取っているが、このウラノスという神は昔の昼ドラも顔負けのお話てんこ盛りだ。

ウラノスはガイアから生まれているが、そのガイアとの間にクロノスらティターン十二神をもうけている子だくさんのパパであることから原初の神々の父と呼ばれ、それらの神々を束ねる最初の王となった。

その一方で、キュクロプスやヘカトンケイルといった醜怪な子供たちを嫌って奈落タルタロスに幽閉してしまったという児童虐待ネグレクトの一面も併せ持つ。

すると、これに怒ったガイアは末子クロノスに命じて、刃が魔法の金属(アダマス)で作られた鎌でウラノスの男性器を切り落とさせるという正に血みどろの愛憎劇を展開しちゃうんだよね。

更に、この時流れた血から復讐の女神(エリーニュス)たちや巨人族ギガースたち、木の精霊(メリアス)たちが生まれたなんていうから無駄に子種をばらまくようなことまでしてる。

結局、ウラノスは息子のクロノスに王権まで簒奪されちゃうという情けない顛末だ。

更にこのクロノスも息子のゼウスに簒奪されちゃうのだからもはや血筋なのかもしれない。


まあとにかく全知全能の神様なんていないと思っているが、現代地球人の想像を超えた存在はあり得ると思っている。

遠い宇宙の向こうからやってくる宇宙人がいるかもしれない。

遥か未来からやってくる未来人がいるかもしれない。

どこから来たかも判らないけど超常の力を振るう超能力者がいるかもしれない。

なんかどこかで見たようなレパートリーになってしまったが、そういうのは全然有りというか正に今のスキルを使う私たちがそういうのに近い存在になってしまっている気もする。

この先、よくある話の展開だと人体実験とかするために拉致されないように気を付けようと思う今日この頃だ。

私の場合、大容量のコンテナ扱いされて物流の一端を担わされそうとか考えてちょっと笑ってしまった。


「またちょっと怖い顔してましたけど、今は大丈夫みたいで安心したのですわ。」


「ご心配かけたようですいません。もう少し見たら今日のところはこれぐらいにしておきましょうか。」


「…今日のところはということはまたお付き合いしてくださるのですね。嬉しいのですわ。」


「はぁ、そうですね。近くに拠点も作ったことですし樋渡さんとかも一緒にまた来ることにしませんか。」


「二人きりではないのですね。仕方ないのですわ。日光にはまた皆さんと一緒に来るのでよろしいのですわ。」


「日光には?」


「別の場所に拠点を作るときにはまた二人きりで行くのですわ。そうですわ、土日で沖縄に泊りがけで行くのですわ。水着でいちゃいちゃするのですわ。」


全くこんなオジサンのどこがいいんだか。

なんか水着がどうのこうのと聞こえた気がするがさすがに沖縄と言えどもう海水浴って時期じゃないんじゃないだろうか。

でも沖縄か。

たまには知らない土地に行ってみるのも悪くないかもね。

いつ病気が再発するかもわからないし、体が問題なく動く今が最後の機会かもしれないしね。

二人きりというところは濁して本当に拠点を作るならどこら辺がいいか等を話しながら小一時間ほど見て回ったが、ダンジョンに関わるような新たな発見もなく見学をキリのいいところで打ち切ると車を元に戻して東京に戻ったのでした。


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