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日本三大祭り

改めて、多田信忠編の再開です♪

しかし、まいったな。

まさか、娘の紀香がいきなり押しかけて来るとは思ってもいなかった上に、ステータスが見えるようになってるなんて。

しかも、102号室で伴さんと余計なご対面も済ませていて、なんかご機嫌斜めだったのをなんとか説明してやっと落ち着いたと思ったところに、今度は面近さんの訪問で振り出しに戻ってしまってどうしたものかね。


「多田さんっ、私という存在がありながら連日若い女を連れ込むなんてあんまりですっ。」


「連日?」


紀香の視線が痛いほど突き刺さってくるので早めに誤解を解きにかかる。


「連日って言っても昨日と今日だけだよ。それで昨日はさっき話した伴さんのことだから。空き部屋にしておいた102号室を臨時的に使ってもらって、朝起きて新聞取りに行ったらたまたま会って朝ごはんにご招待しただけなんだよ。突然のことで食べるものも準備なかっただろうから、ね。」


「ふーん。で、こちらの彼女面してる女性は?」


「彼女面って…そんなんじゃないから。こちらは202号室の面近さん。大学生だよ。面近さん、こっちは私の娘の紀香です。」


「そこまで明確に否定されるとすごく傷つくのですわ。って、娘さん!?」


「はじめまして、多田の娘の紀香です。父がいつもお世話になっております。」


「これは失礼いたしました。はじめまして、面近恵理といいます。不束者ですが、これからはママって呼んでくださいね。」


「呼びませんよ。しかも余裕で私より年下じゃない。」


誤解は解けた、でいいのかな。

改めてステータスを確認すると、いろいろと確かめないといけないことが山盛りだ。

なのだが、落ち着きかけた混乱に拍車がかかる。


「お父さん、さっきの人もこの人もママって呼んでなんて言ってくるのはどういうことですか。日本はいつから一夫多妻に戻ったんですか。」


「そんなこと言われてもねぇ…。」


「娘さん、お父さんを私にくださいなのですわ。必ず幸せにするのですわ。」


「ダメね。うちの大切な父をあなたみたいな小娘には渡せないわ。」


「私、決して軽い気持ちで多田さんに想いを寄せているわけではないのですわ。私の人生の三大ピンチのすべてに颯爽と現れて、助けていただいたご恩に報いるためにこの身のすべてを捧げる所存なのですわ。」


「ほう、そこんとこ詳しく。」


なんか大げさなこと言ってるけど、面近さんの三大ピンチってなんだろう。

もしかして一つはあれかな。

前にも言った気がするが、面近さんが酔っ払いに絡まれて部屋に上がりこもうとされていたのを適切に処理したことがあったけど、そのことのような気がする。

で、紀香はどうしてその詳細に食いついているんだい。


敢えて取り上げることでもないんだけど、日本においては「三大」なんとかって三つ並べて総称したがることって往々にしてあるよね。

全国的に認定されているのもあれば、どんな狭い地域だけで言われてる俗説だよ、みたいなものまでいろいろあるけど、誰が言い出しっぺなんだろうね。

例えば、火薬・羅針盤・活版印刷と言えば世界三大発明。

世界史の教科書にも載っているけど、ルネッサンスの技術・学問の発達を支えたものだよね。

実はこの三つはすべて中国で既に生まれていて、ヨーロッパに伝わって改良されたものだったりするから、世界三大発明と表現するにはどうなのよって向きもあったりする。

他にも紙を入れるべきだなんて意見もあったりするようだが、それを言い出したらきりがないだろう。

個人的にはルネッサンス期の三大技術革新ぐらいが適切だとは思ったりする。

ちなみに羅針盤は日本で独自の発展を遂げて、面舵、取り舵の語源を生み出したとされているようだから気になる人は調べてみるといい。

三大なんとかでどうでもいいんじゃないかの代表例が世界三大美人。

クレオパトラ、楊貴妃、小野小町って本当に誰が言い出したんだか謎過ぎる。

しかも世界的には小野小町ではなくてヘレネーが代わりに入るなんて言われることもあるらしいが、それでさえ世界的に言われてるなんてことはないだろうと思っている。

そして見たこともない絶世の美女と言われてただけかもしれない人より、自分が愛した妻の方が美しいに決まってるじゃないか。

こほん。とにかく三大なんとかって言い出した人の主観や主張が入りまくっているものが多いと思うので自分の価値観と相談して適宜判断してほしいと思う。


「父の上っ面だけではなく、そこまで見ているとはなかなか見所があるじゃないですか。」


「お褒めにあずかり恐縮なのですわ。ということで、ママと呼んでください。」


「それとこれとは話が別です。とりあえず、父に近づくことは認めますが既成事実を作ってどうにかしようなんて思い違いをしたら叩き潰しますので覚悟してください。」


「…はい、本気で仰っていることは重々承知したのですわ。」


なんか二人の間で話がついちゃったみたいなんだけど、それでいいんだろうか。

そして、面近さんは「読心」まで使って紀香の本気を読み取ったようだが、紀香はその本気になった時に一体何するつもりなんだろう。

さらに、ステータスを見て判明した紀香のスキルの「慧心」ってなんだろう。

今の私の三大疑問はそんな感じだ。


ちなみに日本の三大祭にヤマ〇キ春のパン祭りが入ることに異を唱えるつもりは毛頭ないどころか声高に叫びたいぐらいであることを付け加えておく。


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