表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/147

情報公開

「後はどんだけ餌に食いつくかお楽しみっちゅうわけや。」


「これなら追加で公表された建物の復活に関する情報にも対応できるだろうけど、本当に大丈夫なのか。」


「俺は浅草の怒りだけは買いとうないで。その点だけはほんまに下根が何とかしてくれんと困るで。」


「はいはい、ほんまビビりやなぁ。寧ろ、追加情報のおかげで誰の下につこうか迷ってる奴はうちらんとこに来るんちゃうか。」


津雲台寮の一件を終えて戻ると、どうやら大桜たちの計画も一段落したみたいね。


「追加情報ってどんなのが出たんですか?」


「うぉっ!いつの間に戻ってたんや。びっくりしたわ。」


大桜にもつっこまれてたけど、昇は体が大きいわりにちょっとビビりなとこがあるのよね。


「お帰り。今もテレビのニュースでもやってるんだけど、ダンジョン関連の緊急対策が公表されたんだ。」


報道の内容を大雑把にまとめて教えてくれたのは次のようなことよ。

・昨日の夜以降、アパートやマンションなどの集合住宅がダンジョン化していること

・ダンジョン化した建物には大きく分けてダンジョンマスターの存在のあるなしで二種類あること

・ダンジョンマスターがいる場合は、その住人はステータスが見えるようになっていて、ダンジョン内で不思議な力が使えるようになっていること

・ダンジョンマスターがいない場合は、住人が怪物化していて大変危険な状態にあるので迂闊に近寄らないこと


「それで、建物敷地から出られないようならダンジョンマスターに働きかけて行動の自由を確保するように促しているのはSNSとかの情報通りだな。ダンジョンマスターが協力に応じない時は警察に連絡することも厭わないってさ。」


「怪物の存在を公表したのね。日本経済に大きなマイナスになるんじゃないかしら。」


「それがな、円相場は乱高下繰り返してるけど、円安にも円高にも一方的には進行しとらんのよ。」


「こうやって大々的に対策含めて報道で伝えてるから、期待と不安が半々ってところなのかもな。」


期待ってどんなのかしら。

まさかダンジョンが新産業として躍進するとでも。

何をバカなと思わなくもなかったけど、そんなこともないかもしれないわね。

そうね、スキルなんて超能力的なものが使えるようになったわけだし、うまく利用できれば技術革新を起こす可能性は十分あるわね。

そうなると同盟国あたりがスキルの独占は許さんとか言って、大量の人員を在日基地とかに送り込んでくるかもしれないわね。


「それと空き地化に関しても伝えてる。空き地化したダンジョンが連携しようとしていることも。その連携を阻止するために複数のダンジョンマスターで折り合いをつけて「降伏」することを推奨してる。伝手がない人は政府関連のダンジョンマスターが降伏先になってくれるっていうのがついさっき緊急ニュース速報で流れてたよ。」


ふーん、東京の情報提供者は政府とつながったのかしらね。

それはそれで別に構わないけど、この情報を悪用しようっていう不届き者にも注意しないといけなくなったわね。


「それであなた達の計画に問題はないのかしら。」


「まあやれることはやったし、結果は明日の朝にはわかるやろうから楽しみにしててな。」


太陽たちの顔色が若干優れないようだけど、本当に大丈夫なのかしら。


「そう。帰るなら瞬間移動で送るけどどうする?」


「あー、それな。うちらもダンマスやから使えそうな気はしてるんやけど、ナビ子ちゃんに聞いてくれへんか。」


って言ってるけど、どうなのかしら。


『ダンジョンマスターは自身および配下の拠点間はすべて転送可能です。ただし、位階上位者の拠点への転送は上位者の許可が必要となります。』


「ここから帰るのとあなた達が下した拠点については転送可能だって。ただし、ここへの移動は私の許可がいるらしいわ。」


「そっか、まあそれはしゃあないな。許可もろた猪飼らが女子部屋っていうか伊代の部屋の中に突然現れても困るしな。」


「なっ!?俺はそんなことしないっ!」


「ほんまかぁ〜?夜中に一瞬だけなら添い寝してもばれへんかもよ~。」


「しないって言ってるだろっ!」


太陽が顔を真っ赤にして否定してるわ。

からかわれてそこまでムキになるなんて中学生みたいに純情ね。

それにしても瞬間移動で寝込みを襲うなんて思いもしなかったわ。

逆に朝起きて身が覚めた時に私が添い寝してたらどんな顔をするか見てあげるのも楽しいかしらね。


「はいはい、太陽にそんな度胸がないのは判ってるからその話はもういいわ。で、明日は何時に集めればいいのかしら。」


「せやなぁ。8時でええんとちゃう。」


それに異を唱える者は誰もいなかったので、大桜たちはそれぞれ転送で帰っていったわ。


「それにしても転送なんて方法がこうも簡単に目の前で繰り広げられるようになるなんて驚きです。」


「本当ですよね。最初に問答無用で転送されたときは何が起こったのか全然判りませんでした。」


「胃が裏返るかと思ったの。」


「それで先輩は転送の安全性なんてどうやって確認したんですか?」


須奈乃が変なこと聞いてくるわ。


「安全性って何?それ美味しいのかしら。」


何卒、評価・ブックマークよろしくお願いします♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ