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大渋滞

私としてはくりりんの太陽拳が見られて大満足だわ。

一応どういうことかを説明しておくと、くりりんのスキルは「目眩」で素直にこのまま読むなら「めまい」だけど、送り仮名を補って「めくらまし」と解釈できないこともない、と拡大解釈させたわけよ。

こうすることで、あの作中に出てくる目眩ましの技である太陽拳を再現させたのよ。

私にはちょっと眩しいかなってくらいで特に問題はなかったけれど、まだ遠巻きにこちらの様子をうかがっていた子たちは「目が、目がぁ~!」とのたうち回っていたわ。

結構、距離があるからちょっと悪乗りしてるんだとは思うけど、至近距離で直視させられたら確実にしばらく視界がおかしくなりそうではあるわね。

ネタ技ではあるけど、相手の隙をつくるにはかなり使えるんじゃないかしら。


「これで満足していただけましたか。」


くりりんにサムズアップして応える。


「素晴らしいわ。私は大丈夫みたいだけど、味方を巻き込まないように合図を決めておきましょ。」


くりりんと合図に関してああでもないこうでもないと話してると須奈乃ともう一人近づいてきたわ。


「凜ちゃん、先輩をよろしく頼むわね。」


くりりんは小さくお辞儀して須奈乃に応える。

そこで、私はさっき決めたばかりの合図を出さずにはいられなかったわ。


「「ダブル太陽拳!」」


「「目が、目がぁ~!」」


数分後、須奈乃ともう一人の視力が落ち着いたところで話を再開したわ。


「何してくれてるんですかねぇ。さっきのはスキルですか?凜ちゃんのスキルは目眩を起こさせるんじゃなかったっけ?というか二人でおんなじことしてませんでした?」


「質問が多いわね。まあいいじゃない。私のやることだし。」


「そうですね、ってなるかーい。」


「追々、話してあげるわよ。で、この子は?」


さわ瑠奈るなです。よろしくお願いします。」


「凜ちゃんも瑠奈ちゃんも二人共、可愛い一回生なんであんまり怖がらせないでくださいね。」


「誰が怖がらせるっていうのよ。」


「瑠奈ちゃんも行くんだ。よろ。」


「凜ちゃんが一緒だっていうから、ね。」


「瑠奈ちゃんのスキルは「拒絶」です。見えない壁みたいなのをつくれるってことで協力してもらうことにしました。」


「それって言わずもがなのアブソリュート・テラー・フィールドね。すごいわ。是非、侵食してみたいわ。」


「…能美先輩、やっぱり帰っていいですか。」


「瑠奈ちゃん、逃げちゃダメよ。背中を見せると襲われるわよ。先輩、怖がらせないでって言いましたよ。」


私を熊か何かと勘違いしていないかしら。

でもそうね。あの作品を持ち出すなら「逃げちゃダメだ。」は外せないわね。


「あと、津雲台から五条くんが来ます。」


「スキルは領域展開が使えるのかしら。それとも反転術式?もしかして六眼持ちなのかしら。」


「そんなわけないです。ちなみに五条くんの名前は承太郎なんですけど…」


「なんてことなの、じゅじゅじゃなくてジョジョじゃない。ということは時を止められるのね。すごいわ。」


「ちゃんと最後まで聞いてください。確かに友人からはジョジョって呼ばれてるみたいですけど、彼のスキルは修復です。クレイジーダイ〇モンドってほどじゃないですけど、ちょっとした怪我ぐらいなら治せるってことなので協力をお願いしたところ快く引き受けてくれました。」


「なんか色々渋滞してるわね。瑠奈はツインテにしてて見た目完璧に美少女戦士みたいだし、くりりんにジャイ〇ンまでいてオールスターって感じで楽しくなりそうね。」


「ジャ〇アンってもちろんご自分のことですよね。生憎ですが、私は同行できないので調子に乗ってやり過ぎないように気を付けてくださいね。」


「大丈夫よ、ちょっと様子を見てくるだけって言ってるじゃない。何も心配することはないわ。」


「先輩の心配なんてこれっぽっちもしてませんよ。相手の怪物や建物、その辺り一帯の方を心配してるんです。本当に程々にしてくださいよ。」


失礼ね。私を何だと思ってるのかしら。


「五条くんは現地に向かってるので、うまく合流してください。あれの東堂みたいな体つきしてるのですぐわかるってことです。」


ほんと大渋滞してるわね。


「高校の時、柔道の全国大会で準優勝した強者らしいですよ。伊代先輩の盾になれるって喜んでたので優しくしてあげてくださいね。将来ある若者を再起不能にしちゃダメですからね、絶対ですよ。」


「本当に私を何だと思ってるのかしら。」


「じゅじゅで言えば宿儺でしょうね。帰ってきたらさっきの合体技のこともちゃんと教えてくださいね。凜ちゃん、瑠奈ちゃん、気を強く持って頑張るのよ。それじゃあね。」


須奈乃は本当に用事があるようで、とっととその場を後にしたわ。


「何で私が宿儺なのよ。せめて愛くるしいパンダにしなさいよ、ねぇ。」


どう答えればいいのか判らないのか、顔を見合わせて二人が固まってしまったわ。


「さあ行くわよ。くりりん、瑠奈、ついてきなさい。」


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