でも、お高いんでしょ
ネットショッピングとかでも怪しい商品って結構あるよね。
何の説明もなくて、画像だけ載せてあるようなものもあれば、逆にこれでもかと謳い文句を並べ立てて、画像が一切ないようなものまで。
誰がこんなの買うんだろうと思うけど、売ろうとする方はあの手この手で騙そうとしてくる。
偽の商品が届くのなんてまだいい方で、一旦入金したら何の音沙汰もなくなったり、届かないから返金しろと要求して手続きしていたらさらに被害に遭うようなことも増えているんだとか。
一度騙された人はさらに搾り取れるということで、別人を用意して助けるふりをして次から次へと騙すような手法も存在するので迂闊に他人を信用してはいけない。
いつの世でも人を騙そうとする連中は蔓延り続けるので、気を付けたいものだ。
それで、ポイント交換に潜む危険に気付いたからには対処方法を考えることにしよう。
そもそも一覧には機能説明とかが一切ないが、作成者以外の人が交換しても作成者の意図したようにちゃんと機能するのだろうか。
スキルみたいにイメージで効果が変わるなんてことなら懸念していた危険はなくなるんだけど。
『ポイントで交換できるものの機能、効果は不変です。ポイント開発により追加されたものも同様です。』
おお、問いかけに「天の声」がちゃんと応えてくれるとなんか嬉しい。
最初は結構反応が良かったように思えていたが、無反応みたいなことも結構増えていたので何となく一抹の寂しさのようなものを感じていた。
私の聞き方が悪かっただけなのかもしれないけどね。
もう少しうまく意思疎通ができると楽できるかもだけど、四六時中「天の声」と話しているわけにもいかないし、うまく折り合いをつけないとだね。
機能や効果が一定なら、交換する前に教えてもらうことはできないか尋ねてみる。
『初期設定の交換品については交換前に対応することは可能です。ポイント開発により追加されたものは1度交換した後に対応が可能になります。』
それだと交換後に即効果が発動するようなヤバいものに対応できないじゃないか。
あ、でも普通にポイント開発で作られたものなら作成者が使うはずだし、未使用のものは危険かもしれないから手を出さないようにすればとりあえず問題ないかな。
ということで改めて使えそうなものを探してみると「スカウター」なんてものがあった。
『対象の拠点数を数値化して表示します。索敵能力も有し敵味方は色で識別可能です。』
銀河系征服を目論み様々な惑星で破壊や地上げ行為を行う組織が使っていた装置のようじゃないか。
これを使えば、押江さんの所にいた敵味方の判別ができるスキルを持っていたと思われる人と同じことが簡単にできそうだね。
加えて、ダンジョンルーラーに位階が上がってるかも判るので脅威度の目安にもなりそうだ。
ということで「スカウター」を入手してみた。
作品中みたいに頭部に装着された状態で具現化されることはなかったが、視界に表示されるのはアニメで見たような感じに近いと思う。
白面を視界に収めると早速効果を発揮したのだが、ダンジョンマスターではない白面の拠点数は青色の0で表示されて残念な人みたいになっちゃった。
そんな私が思ったことを感じとったのか白面の機嫌が悪くなったように見えたので、ご飯をあげつつ言葉でも機嫌をとっておいた。
しかし、このスカウターは980ポイントもする割には高揚感はいまいちだね。
これならステータスが見える作品には定番の「鑑定」で対象のスキルとかが見えた方が有用そうだ。
特にスキルレベルが8に達しているのが判ればダンジョン内じゃなくても警戒すべきかどうか判断できるしね。
あ、本当に作ってみようか。
ということで、出来上がったのは「官邸」だ。
念のため偽装工作してそのままの「鑑定」にはしなかったのだ。
まあ、そんなことしなくても誰も交換できないとは思うんだけどね。
なんてったって交換に必要なポイント数が500万超えちゃったからね。
いろいろカスタマイズできるようにしたり、「鑑定」系スキルへの対策も施したりと機能を盛りに盛ったのだから仕方のないことだし、結果的に私専用みたいになったから良しとしよう。
タオタオは封印で獣人たちを従えているみたいだから、降伏だけで達成するには5万拠点以上必要だし、他勢力の眷属や獣人で稼ごうとすると50万匹以上倒さなきゃいけないしね。
あ、そうそう。
一応、身内には危険な交換品があるかもしれないことを警告しておいた方がいいよねということで、配下のダンジョンマスター、と言ってもダンジョン特別対策室の人が大半なんだけどね、に「伝心」で一斉通知しておいた。
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