大は小を兼ねる
さて、話は大きくそれまくってしまったが、ただのオッサンである私には一人で世界を救うなんて出来るはずがないけど、不条理を唯々諾々と受け入れられるほど達観も厭世もしていないので、自分なりにできることを考えようと思う。
ダンジョンが何をしようとしてるのかについては、大きく成長しようとしていることは何となく予想ができているがその先については全く想像がついていない状態だ。
普通に考えれば小さいダンジョンがたくさんあっても目的が達せられないから大きくなるんだぜ、とは思うんだけどそれだけじゃ絞り切れないよね。
そもそも異次元収納とか転送とかで異空間というか亜空間を扱えるくせに大きさを問題にしていること自体が謎過ぎるんだけど。
どうしてもダンジョン内の実空間における大きさが必要だとすると何が考えられるだろう。
転送の時とか地上の建物が一旦消失した後に戻った時にもちょっと思ったけど、「いしのなかにいる」ってならないようにするためとかだったりして。
よくSFの創作物とかで宇宙船が空間跳躍する時に何も考えずにどこへでも瞬時に移動しているが、厳密には当然のように移動先に障害物がないことを確認したり何らかの処置を施したりして実行しているはずで何でもありではないはずだ。と思いたい。
空想の世界なんだから厳密に考える必要がないなんていうのは、創作物であっても、いや創作物の世界であるからこそ別の破綻をきたすことになるのでちゃんと設定は考えてほしいものだ。
ありがちなのは、最終局面で主人公たちの危機に対処できる方法は唯一これしかない、みたいな展開でそれよりもいい方法ってあれもこれもあるじゃんってなる時の残念さときたらげんなりするというか百年の恋が冷めるほどのことに匹敵するよね。
せめて後付けでもなんでもいいから読者が納得できる理由付けが…って、コホン。
そんな話をしたかったわけじゃなくて、ダンジョンが大きくなろうとしている一つの可能性として、大きなモノを転送させるために十分安全な空間を確保するためっていうのがあるんじゃないかってことを言いたかっただけなんです。
後は、単純に生活するには日本の集合住宅水準だと狭いからもっと広くしたかっただけとか。
日本の住居って狭いってよく言われるしねw
ん?
かなり冗談のつもりだったのだけど、案外的を射ていたりするかもしれない。
ダンジョンマスターになったり怪物が現れるようになったあの日から不思議なことは多々目にしてきたが、異世界というか異次元というかダンジョンの住人どころかモノさえ目にしていないことに気づいてしまったのだ。
ミミックやゴーレム、ガーゴイルってそうじゃないのって思うかもしれないが、超科学技術だとは思うが、見かけ上は地球上に現存する物と大差ないんだよね。
最初に設置したミミックなんてじっとしてればただの郵便受けだしね。
ゴーレムもガーゴイルも人工知能というか人の魂を搭載した高機能ロボットとして納得できなくもない。
犬型や猫型などいろんな獣人や怪獣もすべて人間や動物が変化させられたもので、見た目は異形だが決して地球外生命体ではないのだ。
私がお気楽極楽な性格だったらダンジョンマスターにしてくれてサンキューです、スキルも使いたい放題だぜ、ウェーイってなれたかもしれないが、生憎そんな能天気ではないのだ。
ダンジョンが地球外からもたらされたのなら次の展開として地球外生命体が現れることを予測するのは至極当然ともいえる。
ということでダンジョンが地球外生命体が転送で移動してくるための場所を作ろうとしているとしたらどうだろう。
転送なんて技術力があればさっき言ったような空間跳躍できる宇宙船なんかもお茶の子さいさいで作れそうな気もするが、もしかしたら宇宙空間を航行できるような技術は発達しなかったのかもしれない。
それこそ、ダンジョンが十分に大きくならないと転送さえできないような大きさの生命体だとすると、その生命体が活動できる宇宙船の大きさがどれほどのものになるかを考えたら非現実的なレベルなのかもしれないしね。
大は小を兼ねるとは言うけど、現実化できない巨大すぎるものだと兼ねる以前の問題になってしまう。
そもそも転送が最初から当たり前のことだったとすれば、乗り物という発想がなかった可能性もあるのか。
で、安藤さんは何をモジモジしてるんだろう。
考えに耽っていて全く安藤さんのことを気にしていなかったことに気付いて目を向けたらこんな状態なのだ。
断っておくがモジモジしてるといっても全身黒タイツ姿になって人文字を表現しているわけではない。
「尿意を催してしまったのですが、旦那様の側を離れるべきかここでこのまま漏らしてしまうべきか迷っている間にいっそのこと便意も催してしまえば諦めもつくというかもう我慢できないというか得も言われぬ快感に打ち震えていました。」
関西人は糞尿を垂れ流しても笑って済ませられるけど、血を流してしまったら笑えないと聞いたことを思い出したが、そんなことはどうでもいいのでとっととトイレに行ってください。
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