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丁か半か

「ほな、明日よろしくお願いします。各地の名物聞いときますからまたご一緒しましょ。」


ネギ入り君に見送られて一旦東京に戻った。

名物云々はダンジョン特別対策室の拠点は北海道と東北の東半分くらいを除いて日本各地にあるので、転送で移動すればちょっと近所に行く感覚で各地の名物料理が食べられるってことで、私をもてなすためというのが半分、御相伴に預かろうというのが半分というネギ入り君の捕らぬ狸の皮算用だ。


「一応、訂正しておきますが彼は「ねぎいり」ではなく根岸ねぎしです。」


なんと。

安藤さんは少し勘違いをしていたようだが、妙なところでネギが結びついていたらしい。

名前にちなんで関東に来ることがあったら牛タン、とろろ、麦めしで有名なお店に連れて行ってあげよう。

というか、思い返してもちゃんとネギ入り君の名前を聞いた記憶がないのだけど。


「彼はダンジョンマスターではないですし、明日の会談が何事もなく終われば旦那様との接点はそうはないかと思いまして。原則として自分がすべて仲介いたしますので、旦那様に特別対策室の人員を覚えていただく必要はございません。」


確かに、午前中に降伏させた関西方面の指揮官という人でさえ名前を聞いていない。

本当にそんなことでいいんだろうか。


「いいんです。旦那様はここぞという時にビシッと決めていただければ何も問題ありません。」


そんな物語の主人公みたいに都合よく活躍するようなことできるわけないじゃないですか。

何の脈絡もなく天文学的な確率を易々と突破して事を成すような正義の味方と一緒にしないでください。


「正義の味方とは都合のいい時に現れて世界を救う。そういうものですし、旦那様に相応しいのではないでしょうか。」


だから、それは創作物とかにおけるご都合主義なわけであって、現実世界ではあり得ないですよね。


「こうして現にただ一人の旦那様に巡り合えたのですからそんなことはないです。確率的にはあり得ないことも十分に起きるのが現実世界です。」


確かに世界の総人口は約80億人でその中から運命を感じる人に出会えること自体が奇跡とは言えなくもないけど。

日本だけで言えば1億2千万人をちょっと超えるぐらいだっけ。

年末ジャンボ宝くじの当選確率が2千万分の1なので、そっちの方が十分大きい確率と言えてしまうのは確かだ。


余談になるが、宝くじは日本国内で認められている博打ギャンブルの中で唯一年齢制限がない。

当選金に対する課税も発生しないのでいいことばかりのように思えるが、実は公営ギャンブルの中で最も還元率が低く設定されていて45~50%となっている。

似たようなものにサッカーの試合結果を予想して購入するスポーツくじというのもあるが、19歳未満は購入することができない。

競馬や競輪、競艇、オートレースで馬券や車券などを購入できるのは20歳以上で、還元率は70~80%ぐらいだが、払戻金は一時所得とされているため、所得税の課税対象になる。

つまり払戻金を受け取った場合、申告して納税しないと罪に問われてしまう可能性があるのだ。

十年ぐらい前に30億円を超える払戻金を受け取りながらも申告せずに脱税したとして裁判になった例もあるので、興味のある人は調べてみるといい。


他にもグレーゾーンのギャンブルとしてパチンコ、パチスロがあるが、あまり突っ込んだ話をすると安藤さんに肩身の狭い思いをさせることになりそうなので突っ込まないでおこうと思う。

いずれにしてもギャンブルって基本的に胴元が損しないようになっているのだ。

つまり、普通の人はやり続ければやり続けるほど損をする仕組みになっているということ。

海外のラスベガスやマカオ、ソウルなどのカジノも似たようなものだ。

スロットみたいに運試しで回したらジャックポットが当たったなんて幸運な人もいるようだが、そんな幸運が続かないのは言うまでもないだろう。

なのに、最近よく話題に上るようになってきているのがオンラインカジノ。

実物は見たことはないので、その実態を知らないのだが、私にはこういうものに手を出す心理が判らない。

所詮、ギャンブルなんて胴元が儲かるようになっているのは言ってきた通りだ。

それに加えて、オンラインなら確率操作とか結果操作だってやりたい放題なのに普通の人が勝てるわけないのだ。

というか、それ以前に日本ではオンラインカジノを利用することは賭博罪や常習賭博罪になるので手を出してはダメなのだ。

なんで罪になるんだよってことを問題にする人もいるようだが、ギャンブル依存症などが問題になっていて、生活困窮者や自殺者などが増加しないようにしましょうってことだよね。

江戸時代から繰り返し賭博に関する取り締まりが厳しくなったり禁止されたのも、働かないで博打に入り浸って借金をするような人が増えたり、別の犯罪を誘発する恐れが高まることを危惧したからだとされているしね。

確かに楽して儲けられればいいのかもしれないが、そんな人生だけが楽しいわけじゃないよね。

前にも一か八かの勝負をする前にやるべきことを先にやろうよみたいな話をしたと思うが、本当の博打に人生かけちゃダメだよね。

いっそのこと公営ギャンブルもなくしてしまえよと思うが、官民挙げて大阪に統合型リゾートをつくりカジノを設置しようとしている。

もう訳が分かんないよね。

そのうち、カジノが合法か違法か丁半博打で決めましょうとか言い出しそうだ。


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