写るんです
安藤さんの綺麗なお顔と副署長さんの強面の間に遺伝子的な繋がりがあるとは微塵も思えないが、厳然たる事実のようだ。
「父と双子なんですよ。」
小学校入学時の写真には、副署長さんの強面を無理くり柔和させたような顔立ちの男性とほのぼの〜って擬態語をつけたくなるような温和な笑顔の小柄な女性が共に写っている。
なるほど、このお二人を足して2で割ると安藤さんのような出来栄えになるわけだ。
入学されているのは皇族の方がよく通われている新宿区のあの有名私立で、通われていた時期を考えると内親王殿下と重なっているようだ。
「内親王殿下とは直接お言葉を交わさせていただく機会もございました。残念な騒動もありましたが、その後は概ね良い学校生活をお過ごしになられたご様子でした。」
そう言えば、週刊誌の記事をきっかけに東宮、学校を巻き込んで大々的に報道されていたことがあったね。
真相についてはそれほど興味がなかったので詳しくは覚えていないが、私の印象としては週刊誌側が煽っていた感じが強かったと記憶している。
皇族がこういった報道に反論しない、もしくはできないことをいいことに書きたい放題をして売り上げを伸ばしたのだろうというのが個人的見解だ。
こういう下劣というか卑劣というか低俗な内容の報道がなくならないのは仕方がないことなのだろうか。
こういうものを望む手合いが絶えないからこそそれを目当てに書きたい放題する輩も蔓延り続けるということもあるかもしれない。
芸能人とかの不祥事や醜聞、直接的に言ってしまうと浮気や不倫の詳細なんて本当に知りたいんですかね。
自分の普段の生活には一切関わってこないので、どうでもいいことのはずだと思うんですけど。
私としては政治家は浮気しようが何しようが犯罪でない限りは本業で成果を出してくれるなら何も問題はないと思っているほどだ。
ただ、国会中継で居眠りしてるような奴は給料剥奪してしまえと強く思うのも仕方のないことだ。
さらには表現の自由だとその尊厳を一切理解しないまま言葉尻だけの自由を振りかざして好き放題している連中のなんと見苦しいことか。
そしてそれはなにも週刊誌に限った話ではない。
テレビやラジオ、新聞も大差ないのが我が国の実情だ。
その実情を表しているのが、どの報道を見ても代り映えしない横並びの内容に見て取れると思う。
何か起こると一斉に似たような内容のもので溢れかえったり、逆に何かが起きているのにどこもそれに触れようとしなかったりする。
時には見せたいものを見せるために、また別の時には見せたくないものに蓋をするかのように。
何とも不思議な状況が連綿と続いている印象を受ける。
それが国境なき記者団によって調査・発表される報道の自由に関する国際ランキングにも如実に結果として表れているのかもしれない。
ちなみに今年の5月3日に発表されたランキングでは調査対象国は180カ国に及んでおり、我が国は71位となっている。
メディア自身が忖度をして報道を控えているとなれば、その存在意義を疑われかねないだろう。
是非とも、有益な情報を国民のためにいち早く提供できる真の報道に目覚めてほしいものだ。
「国民の為になっているかという点では、我々警察にとっても耳の痛い話ですね。警察官による不祥事が明らかになるたびに気を引き締めねばと思ってはいますが。」
「不祥事が起こらないに越したことはないですけど、こればかりは仕方ないですよ。寧ろ、その不祥事が表沙汰にならなくなったら終わりなんじゃないですかね。隠ぺい体質ここに極まれり、ってなっちゃうと次世代の警察官に影響しそうで怖いです。」
「お言葉を胸に刻み、職務に励みます。」
元々、嫌なことは忘れない性質なのは以前にも言った通りだが、最近は特に愚痴ってばかりいるような気がしなくもない。
これもダンジョンの影響だろうかとその所為にしてしまいそうだが、周りの人の気分を害さないように精々気を付けるとしよう。
この後も安藤さんの残りの写真を拝見したが、最後に毛色の違う写真があってひっくり返りそうになってしまった。
「ご覧になりましたか。旦那様としてはどちらがお好みでしたか。」
その写真は激安の殿堂で売られているような女性警察官のコスプレ衣装を身に纏う安藤さんの自撮りだった。
タイトなミニスカートとひらひらなミニスカートをそれぞれ身につけてこれでもかという下からの角度で撮られているので下着がお見えになっております。
恥じらいながらも見せるんだという意気込みが伝わってくるとてもいい写真、じゃなくてとても困った写真だ。
「一応、両方持ってきていますのでお好きな方で、というか折角なので両方使いましょうか。」
使いませんよ。というかどう使うつもりなんですか。
聞き間違いからの行動力に驚きが隠せません。
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