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イメージが大切

「やっぱり使えないのですわ。」


結論から言うと、スキルレベルが8に達していないスキルは例外を除いてダンジョンの外で使うことができなかった。

例外はもちろん異次元収納だ。


それとスキルレベルが8に達したスキルはダンジョンの内外で性能が変わることはなかったようなので、ダンジョン外にも「天の声」の素が十分にあるかどうかについてはよくわからないという結果になってしまったと思っている。

ダンジョンの外では性能が落ちるっていうならダンジョンの内外で「天の声」の素の濃度に変化があるってことになりそうだけど、そうじゃなかったので今の私たちに濃度の違いを知る術はないだろう。

相変わらずダンジョンの境界を出入りすると感じる例の差はあるので、私としては「天の声」の素の濃度に差があると思ったのだが確証は得られなかった。


ちなみにどこで確認作業をしているのかというと、今朝、紀香を見送った後に制圧した鹿獣人アパートだ。

安藤さんがどこかに連絡をしに外に出ている間に移動してきてしまったので、ご機嫌を損ねているかもしれないがそこは何とかなるだろうと勝手に思っている。

なんとなく身内とするにはまだ戸惑いがあって、みんなのスキルをばらして手の内を明かしたくないなって思ってしまったというのもある。

突然、懐に潜り込まれて困惑しているのは判ってもらえると思うけど、どこまで打ち解けるか早めに態度を決めないとマズいよね。


ついでに、改めてレベル8に達したみんなのスキルの性能を確認してみたが、ちょっととんでもないことになっている。

面近さんの「読心」は日光東照宮でも大活躍だったように見えてる範囲なら深層心理までお構いなしだし、紀香の「遠見」に至ってはここつくばから東京スカイツリーの展望台にいる人の表情が見えるって言うんだもの。

樋渡さんの「治癒」は限界を試すわけにはいかないが、本人曰く、「四肢欠損ぐらいなら元通りになりそうかも」とのこと。

本人は、病棟で採血後の止血が楽になると喜んでいたけどね。

そして、私の「射撃」は最早一人軍隊のレベルかもしれない。

実際にぶっ放したわけではないが、存在を認識できさえすれば一発で確実に当てられるのは確認済みだが、その距離は飛躍的に伸びているみたいだし、威力を抑えなければどんなものでも貫けそうな感じさえある。

有効射程、威力、速射性のどれか一つなら今すぐでも人類史上最高の性能を叩き出せそうなのに、スキルレベルは8が上限ではない。

更に上げた場合にどうなるのか、空恐ろしささえ感じるよ。

そして、ここでも出てきた8という数字にもたされた特別な意味。

スキルレベルが上がるにつれて徐々にダンジョン外でも使えるようになるわけではなく、8に達することで突然使用可能になることから8という数字に意味がないはずがない。

ダンジョン関連で8進、16進と10進が混在するちぐはぐな感じもちょっと気になっている。


「私の「息吹」の使い方ってこれで合ってるのかしら。地味すぎるんだけど。」


一方、伴さんの「息吹」はレベルが上がっても相変わらず効果がよく判らないみたいだ。


「精神集中できてるような気もするけど、だから何って感じよね。」


「子供の時にやってたカードゲームだと「こごえるいぶき」とかの技を持っているモンスターがいたのですわ。」


「それって私がモンスターみたいに炎や氷を吐き出しそうなんてことを言いたいのかしら。」


何とかの息吹ねぇ。

そう言えば、タオタオが付与してたスキルってやたらとその効果を狭めてるというか限定していたような名称になってたよね。

「絶倫」でもよさそうなのに「精力絶倫」だったし、「魅力抜群」でも「影響力抜群」でもなく「歌唱力抜群」だった。

名称で限定することに意味があるとするなら、その逆はもしかしなくてももしかするのか。

これは試してみるしかないね。


「きゃっ。本当に火を吐かないでくださいな。火傷をしたら大変なのですわ。」


「えっ?私じゃないし。」


「あぁ、すいません。私です。でも多分、伴さんもできると思いますよ。」


「マジですか!?」


思った通りというか思い直した通り、私の「射撃」は指鉄砲だろうが何でも撃てるどころではなく、「射撃」に関することなら何でもありというスキルになるようだ。

ちなみに今は焼夷弾をイメージして撃ってみたのだが、燃え上がり方までイメージ通りになったので、威力の強弱もこれまで同様につけられるようだ。

そしてこれができるということは封印弾のようなものを撃てるんじゃないかと期待している。

イメージさえしっかりできれば問題ないと思ってるのだが、パッと思いつくガンマンが大泥棒の相棒の顎ひげと中折れ帽がトレードマークのマグナム使いや、背後に立たれることを嫌う凄腕のスナイパーだったりするので、封印のようなファンタジー要素とは程遠くてイメージがうまく湧いてこないのだ。

なんか一度失敗すると二度と出来なそうな気がするので、ちゃんとイメージできるまで封印弾を撃つのは封印しておこうと思う。


「火事になると大変なのですわ。早く消火してくださいなのですわ。」


ごめんなさい。


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