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君の名は

『そういうことだったのですわ。』


どういうことだったかというとこういうことだ。

安藤さんのようなキャリア警部殿がわざわざ私たちの護衛などと称してついてきたのは、

簡単に言ってしまうと私という人物像を見極めるためということらしい。

ということはスカートのくだりも本気半分冗談半分で私の様子を伺っていたのかもしれない。


大丈夫だよね。真に受けてスケベな顔してなかったよね。

私を見極めるとは言いつつ、テーブルを一緒に囲んではいるが安藤さんから積極的に何か踏み込んで問い詰めてくる様子もなく、基本的には聞き役に徹して空いた器などに気を配っていらっしゃる。


「安藤さんも少しぐらい飲みましょうよ~。」


「いえ、自分が飲んでは護衛に支障がありますので。」


伴さんはシャンパンを安藤さんに薦めるが一向に飲んでくれる気配はないようだ。

お店に連絡しているときにも一番最初は三人と言ってたから自分は食べずに警護だけしているつもりだったようで、それに気づいた私がそれはそれで食事の席の雰囲気がおかしなことになりそうだからとなんとか説得して同じテーブルを囲んでもらったのだ。

ずーっとじーっと見られてたらせっかくの美味しいカニの味もよく判らなくなりそうだしね。

そして私はというと、美味しいカニを満喫しながらその裏でせこせことスキルファームをいじってみんなの主要スキルをレベル8に上げてスキルの種を「採種」してたりする。

それで実際に「採種」できたのは私の「射撃」から「射線」、樋渡さんの「治癒」から「治安」、尾茂さんの「言霊」から「木霊」といった具合だ。

他も似たり寄ったりで、今のところ元のスキルと同じものは「採種」できていない。

使い方もよくわからないものが多くて、今のところは餌にする以外に使い道がないと思われるものばかりだ。

これまでの感じだと元のスキルと同じ漢字を一部使用しているものが多いようだが、完全な外国人の場合にどうなるかは少し興味のあるところだ。

でもクリスの名前が私にはアルファベットではなくカタカナで表示されていることから、当人には母国語で見えても私にはやはり日本語で見えて先の規則性が適用されてしまうかもしれないな。


「安藤さんの下のお名前の永遠とわってとてもカッコいいのですわ。フルネームだとアンドゥトロワみたいでフランス語っぽいのですわ。」


気が付くと名前の話になっているようだ。


「フルネームはありませんが同級生の男性からはよく「アンドゥー」と呼ばれました。正直ちょっとイラっとします。」


「あー、わかりますわかります。男子って名前でいじってくるのよねぇ。「ただの理科」とか「ただ乗りか」、「忠則か」ってさんざん言われましたよ。自分の名前の時は無視しましたが、父の名前をいじってきた時はそのことを死にたくなるぐらい後悔させてあげましたよ。フフフ。」


紀香、そんなことしてたのかい。

私の名前の所為で人生踏み外させてしまいそうだったなんて知らなかったよ。ごめんね。


「私もよく揶揄われたのですわ。お持ち帰りされる面近恵理って私はテイクアウトメニューではないのですわ。でも恥ずかしいことにお店で盛大に自爆してしまったことがあるのですわ。」


「そこまで言ったのならちゃんと最後まで話しなさいよ。」


「あんまり笑わないでくださいね。高校生の時にファストフードのお店で注文した後に「お持ち帰りですか」って聞かれたのですが、勘違いして「私、名乗りましたでしょうか」って聞き返してしまいとても恥ずかしかったのですわ。」


何それ。可愛すぎるんですけど。

伴さんは盛大に吹き出し、紀香と安藤さんはあまり笑わないように必死に堪えてる感じだ。


「くっくっくっ、それ面白過ぎるでしょ。私の場合は揶揄われるのとはちょっと違うけど、名前に関しての話ならあるわよ。」


「伺うのですわ。」


「漢字だと梨の香りを伴っていて、苗字の伴はフランス語のvin(ヴァン)の響きに似てるし、名前の梨香は英語のliquor(リカー)にも似ているでしょ。vinってワインのことだし、liquorはラムやウイスキー、ブランデー、コニャックとかの蒸留酒のことを表すから私はソムリエールをやるべくしてやってるってことよ。」


「ドヤ顔でそんなことを言われても片腹痛いのですわ。たしか資格はまだお持ちになっていないのではなかったかしら。」


「うるさいわね。まだ受験資格がないだけよ。受けられるようになったら一発合格してみせるわよ。そうしたら多田さんとも一発どころか…はい、紀香さん、ごめんなさい。」


紀香、気だけで人を黙らせられるなんてすごい技を身につけていたんだね。

ちなみにソムリエは医師や弁護士のような国家資格ではなくて民間が認定している資格だ。

なので、資格をもっていなくてもお店でお酒を取り扱えないわけではないが、一定の知識と技術を習得している目安にはなるし、雇用する側も取得を勧めることが多いので取得を目指す人は多い。

ソムリエの資格を認定している団体は二つあるが、ひとつは受験資格に飲食店やワインに関連する職業に三年以上従事していることというのがあるので、伴さんはそっちの受験を目指しているのだろう。

そっちの団体では他にもワインとは無関係の職業の人にも受験できる区分を用意しているのでワイン愛好家でも取得を目指している人が多いようだ。

どちらの資格も上位の資格区分があるので更なる研鑽を積むこともできるが、年々ワインを取り囲む状況が変わっているのでどんどん合格の難易度は上がっているらしい。

興味のある方は早めの受験を検討してみてはいかがでしょうか。


私は美味しいワインを飲めればそれで十分なので、ただひたすら飲むだけのノムリエだ。

あー、カニとシャンパンの組み合わせも美味しいね。


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