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タマシイのカタチ

「これはクマ、こっちはウマですかね。これは…サイ?」


「どうして大人しくしてるのか不思議なのですわ。」


「ワシらも怪物化したダンジョンをいくつか確認したが、例外なく襲われたぞ。仲良く写真を撮ることなどあり得るのかね。」


「私もこれが一番信じられません。どうやって友好を深めたのか教えてほしいくらいです。」


実際に「天の声」は代償なしの半永久リスポーンを繰り返すダンジョンを制圧するのは容易ではないというか、異次元収納を持っていなかった時点では不可能と言い切ったのだ。

私の場合は、獣人の息の根を止めてただの物体と見做された時を狙って異次元収納へと格納し、当該ダンジョンの獣人を全て排除することで制圧したけど、制圧後に死体を異次元収納から出してもリスポーンすることなく駒になって消えてしまったのだから敵意なしの獣人の存在は本当に信じられない。


「考えられるのは「調教」のようなスキルですかね。にしたってこの集合写真はちょっとあり得ないというかなんというか。」


結構な数の獣人と人間が入り乱れて写っている状態をよくよく考えると益々信じられなくなってくる。

取り壊しアパートのように獣人と怪物化した猫が一緒にいたケースはあったが、複数種類の獣人が一つのダンジョンに混在していたことはこれまでに見たことがない。

ということは最低でも2つの獣人化したダンジョンから連れてきていることになるわけだが、いったいどうやって連れてきたんだろう。

「調教」のようなことをして手懐けたとしてダンジョンの外へ連れ出すことが可能なのだろうか。

ダンジョンの設定が初期設定のままなら獣人たちはダンジョンの外へ出られないはずだ。

だとすると、ダンジョンの設定を変える方法を見つけたとかだろうか。

それにしたってこれだけの数の獣人をぞろぞろ街中を連れ回していたら結構な騒ぎになりそうなものだ。

そしてやはりダンジョンの設定がダンジョンマスター以外に変更できるとは考えにくい、というかそれができるとなると設定の意味がなくなるというか、それ自体が攻撃にもなりえるから勘弁してほしいものだ。

ダンジョンマスター自体をどうにかして操って設定を変えさせることは出来るかもしれないが、そんなことをさせるぐらいなら降伏させた方が手っ取り早い。

だけど、そもそも獣人ダンジョンはダンジョンマスターがいないから獣人化したと考えているわけで操るためのダンジョンマスターがいないはずだ。

実際に私が支配下にしてきた獣人アパートの数々にダンジョンマスターはおらず、攻略後に私がダンジョンマスターになっているのだから。

もう一つの方法として転送させることも考えたが、これも攻略前には無理だと思う。

敵対勢力によって転送が可能なら、私のように異次元収納を使用するまでもなく獣人の排除が可能になってしまい、「天の声」が制圧不可能とは言わないはずだ。

仮に転送ができたとしても獣人たちが大人しくしている理由にはならないだろう。


とすると結果的に考えられるのは、獣人たちを生きたままダンジョンを制圧してダンジョンマスターになったぐらいしかない気がする。

そうすれば位階序列によって自動的に服従させることができるだろうけど、獣人たちを生かしたまま攻略することなんて本当にできるのだろうか。

それができるなら獣人化した人を調べることもできて、元に戻せる方法も見つけられるかもしれない。

自由を奪って拘束するだけでは不十分だろうし、睡眠や気絶させるだけでもダメだろう。

下手に戦闘不能にするとリスポーンしてしまうだろうから困ったものだ。

異次元収納を使ったように永続的にリスポーンもできないようにして戦闘不能にさせるようなことってどうすればできるだろう。

一人で考えていても埒が明かないので、周りにも意見を求めてみた。


「氷漬けにするのがいいと思うのですわ。」


「動けなくするだけでは無理な気がします。それにいずれ凍死するとリスポーンしそうです。」


「魂を服従させるとか奪っちゃうっていのはダメですかね。」


魂ねぇ。

リスポーンの仕組みを改めて考えるとその存在を考慮せざるをえない気がしてくる。

これまでに見てきた通り、獣人も人間も「死」が訪れると死体が消えて、特定の場所に肉体が再生される。

獣人は獣人のまま再生されるので、「死」の直前の健全な状態を再構成しているのだろう。

ゴミ男やババアたちも茫然としてはいたが記憶を失っている様子もなかったので肉体は刷新されたが、精神というか魂は別のものになったわけではなくて継続していると思われる。

なので、異次元収納に死体を収容するとリスポーンできなくなることから、ダンジョンは死体と共に魂を回収すると入れ物としての身体を再生してから魂を入れ直しているようなことをしているんじゃないだろうか。

ただ、魂をどうこうするなんてスキルでできるのだろうかという疑問は残るのだけど。


「ほら、あれだ。渋谷事変で最強のじゅじゅちゅしがごくもんなんたらというのに封印されとったじゃないか。ああいうことではダメなのか。」


副署長、ちゃんと言えてないですけど、それ多分方向的に当たりだと思います。


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