2.友達
校外ゼミの班を決めなくてはならない。
休み時間になり早速、行動を開始した。
「翼、俺と一緒の班になるだろ?」
「あぁ、勿論。他はどうする?」
「うーん。当てはないのだけど」
「神宮寺君!」
「え?なに?」
「一緒の班に入らない?」
「え?僕が?君と?」
「駄目かな?」
「い、いや・・・良いけど・・・」
何でもない顔をしているが内心は嬉しそうだ。恥ずかしがりやなんだな・・・
すると、凄い速さで近付いて来る人が・・・って、また神代さんだ。
「結城君。私も班に入れて!」
「え?まぁ、良いけど」
「ホント?」
パッと華やいだ笑顔になった。高校生らしい可愛い表情だ。
「え?神代さんも入るの?」
「あら、榊君。嫌なの?」
「いいえ、滅相もございません」
「そうすると、あと一人だね。誰にする?」
「今のところ、男子三人と女子一人だからね。バランスを考えると女子かな?」
「それなら九十九さん。どうかな?」
「え?」
神宮寺、榊、神代、そして九十九さんまでも一斉にシンクロして答えた。
「え?だって今、目の前に座っているし、きっと今の会話も聞いていただろうからさ」
「私は構わないわよ」
「そりゃまぁ、拒否する理由はないかな」
「そうだよね。昨日、友達宣言したしな!」
「じゃぁ、決まりだね」
「・・・」
『あぁ、どうしよう!目立ちたくないのに、このメンバーは真逆じゃない!背丈もクラスで一番高い五人になってしまうわ!』
おやおや、そんなに目立たない様にしていたいのか。どうしてだろう?
「ちょっと、九十九さんはまだOKしていないと思うけど・・・」
「え?嫌なの?」
「・・・」
『あぁ、でも断ることもできないし・・・あぁ・・・どうしたら』
「嫌な訳ないわよね?」
その時、九十九さんは、こくんと小さく頷いた。結局、流された様だ。
「なんだ。いいのね!それじゃ、私がメンバー票を書いて出しておきますね」
「お願いします」
「お安い御用よ」
「九十九さん。無理してない?大丈夫?」
「あ、あの・・・」
『あぁ、結城君が気遣ってくれているのに・・・何をどう話せば良いの?』
「そ、そうか・・・もし、本当に嫌ならいつでも言ってね」
「あ」
また、小さくこくんと頷いた。
『結城くんって、私の心が読めているみたいに分かってくれるし、気遣ってくれるな・・・』
ははっ。読んでますけどね・・・
「おーい。みんな!俺と翼はもう班決まったからさ!今から言って来ても駄目だよ!」
「えーっ!もう?」
「いつの間に!出遅れた!」
「あーもう、校外ゼミ行きたくないー」
「徹、もしかして皆から言い寄られるのを避けるために言ってくれたの?」
「そりゃそうさ。入れ代わり立ち代わり言いに来られたらうるさいだろ?」
「徹って、優しいね」
「なんだよ!気持ち悪いこと言うなよ」
「それに九十九さんのこと、追求しないしさ」
「俺は空気読むんだよ。そのくらい当り前さ」
「へぇ、榊がそんな人間だとはね・・・」
「こら、神宮寺!俺をなんだと思ってるんだ!」
「見た目のままだよ」
「けっ!失礼な!俺はこう見えてナイーブな人間なんだよ・・・」
「ふふっ、そうだね」
「九十九さん。大丈夫だからね」
「は、はい」
「お!返事した!」
「九十九さんが返事した!」
徹と神宮寺が驚いている。最早、九十九さんは声を発しないのがデフォルトに思われている様だ。
九十九さんは心の中では色々考えているし、なにかと葛藤もしている。小中学生時代に何かあって、自分を隠す様になったのではないか?
でも、この進学校に入っているのだから、勉強に関しては努力家であることは間違いない。それに物理が好きでもの作りも好きなのだから、僕と合わない訳はないのだ。
これから時間を掛けて紐解いていけば良いだろう。
校外ゼミの日がやって来た。行き先は福島の原子力発電所跡地だ。
僕らは東京駅に集合して東北新幹線に乗る。
席は五人で一班なので三人席に僕ら男子が、二人席に女子が座った。
僕は窓側の席に座らされた。これも徹の気遣いだ。
走りだしたら代わるがわる女子たちがお菓子を持って来るのだ。それを全部、徹が受け付けてくれる。まぁ、ほとんど食べられてしまうのだが。
九十九さんは、神代さんに話し掛けられ、少しずつだが答えられる様になってきている。まぁ、たわいもない話しかしていない様だが。でも声を発して答えられるだけ進歩している。
郡山駅からバスで原発跡地に向かった。到着するとそこは公園と資料館が建てられ観光地化されていた。原発が一掃されて十五年経過しているので、町には元住民も戻り、観光産業で暮らしているとのことだ。
それにしても抉られた土地の大きさ、深さ、広さに驚いた。
お父さんはこれを一瞬で太陽の軌道まで飛ばしたというのか・・・
僕がそれを呆然と眺めていると、いつの間にか隣に立っていた神代さんが話し掛けてきた。
「翼。天照さまって凄いのね」
「そうだね。これだけのものを宇宙まで飛ばすって・・・」
「そう言えば・・・翼って、天照さまに似ているって言われない?」
「え?いや、言われたことはないよ・・・」
「そう?でも雰囲気とかその瞳や髪の色、背格好も・・・似ていると思うのだけど」
「そうかな?でも相手は神さまだからね」
ヤバい。気付かれたか?これは神代さんの心を読んでおかないといけないな。
『翼って本当に不思議な人。なんて魅力的なんだろう・・・そう、天照さまみたいに素晴らしい人ね・・・でも翼って呼んで拒否されなかったわ!ラッキー!』
あ!さらっと翼って名前呼びされたから気付かなかったよ!神さまに似ているっていうのは、抽象的な印象でしかないのかな?それなら良いのだけど。ちょっと注意しないとな。
校外ゼミでは各班に分かれ、跡地の放射能残量を測定したり、資料館を見て原発事故の情報を集めた。今夜の宿泊地はいわき市にあるリゾート施設だ。でも泳ぐのは禁止らしい。つまらない。
食後に大きなホールに集まって二班ずつグループを作り、今日見学した原子力発電所の跡地や資料館で見た原発事故のあらまし、そして天照さまがこれを一掃した意味について、討論することとなった。
「議長は翼で良いかな?」
「え?僕?」
「そりゃぁ、主席なんだからね。頼むよ」
「徹に頼まれたら仕方ない。分かったよ」
「では、天照さまが事故を起こした原発を一掃された意味、今日見た原発跡や資料館を見て、環境改善について思うことなど、まずは皆の意見を聞いていこうか」
「はい」
神代さんが手を上げた。
「はい。では神代さん」
「私は、天照さまはお怒りになっていたのだと思います。私はその時、天照さまの言葉を直接聞いているのだけど、まだ生後数か月だから記憶には残っていないわ。でもその時の言葉を今、読み返すと、原発は人間の手に負えないものと言っている。そして事故を起こし、その後始末ができないのに、人間は原子力での発電を止めようとしていなかったのですもの」
「つまり、これ以上地球を汚すことは許されない段階に来たのよ。だから降臨されたのだと思うわ。それなのにまだ、地球人は結束できないでいるのよ。私も許せないわ」
「そう。では神代さんは、自ら何かしようと考えているのですか?」
「そうね。私は今、モデルの仕事をしているけれど、歌も好きなの。これからそういった活動を通じて人々に環境改善を呼び掛けていくわ」
「そうですか。素晴らしいですね」
「翼!本当にそう思ってる?」
あれ?心がこもっていなかったかな?
「勿論。思っていますよ。人にはそれぞれ役割があるし、向き不向きもある。一人ひとりやり方は違って良いのだと思います。神代さんは自分でできること、やりたい形でそれをしようとしているのでしょう?」
「まぁ!流石、翼だわ!」
「いや、いつの間にか翼を名前呼びしている神代さんの方が流石だよ!」
「いいでしょう!翼が駄目って言ってないんだから!」
「勿論。構いませんよ!」
「はいはい。それでは徹。君はどうかな?」
「俺は・・・そうだな。まずは貧困を無くす。格差を無くさないと駄目だと思う。環境改善は急ぐ必要があるけど、先進国が富を独占し、その国の中でも持てる者は強欲なままで、持たぬ者へ分配しないんだ」
「天照さまは、あの原発を一掃してくれたけど、僕ら人間に何も見返りを求めていない。僕らに委ねているんだ。それなら人間はひとつになって汚してしまった地球を元に戻さなければならないのに・・・ごめん。何だかまとまらないな」
「いや。徹が言いたいことは分かるよ。天照さまは地球の生物が滅亡することを防ぐために今、何をしなければならないのか、各国のリーダーに国連で話し合い、これからの行動でその意志を示せと、そして、このまま何も変わらなければ手を差し伸べることはしない。そうおっしゃったね」
「徹が言った様に世界の不平等を解消し、産油国に利益を分配しないと化石燃料は無くせない。日本の貧富の格差も無くさないと国民の心はひとつにはなれない。そういうことだよね」
「翼!流石だ!その通りだよ」
「それで、徹はそのために何をするんだい?」
「俺か?俺はだな。政治家になるよ」
「おぉー!」
「政治家になって格差を是正する!世界の不平等も解消する!」
「ということは、まずは東大を目指すのかい?」
「勿論だ」
「それは頼もしいね」
「ちょっと脱線したね。それでは巧」
「名前呼びかよ!」
「駄目かい?」
「良いけどさ・・・」
「なんだよ、何、赤くなってんだよ!」
「徹!う、うるさいな!」
「まぁまぁ、それで?巧の意見は?」
「天照さまは地球が瀕死の状態だと言った。それは化石燃料を大量に消費した結果、温室効果ガスによる大気汚染で地球温暖化したことを言っているのだと思う」
「俺は科学の力で二酸化炭素を除去、または化学変化させることによって元を断つつもりだ」
「おぉ、巧は科学者になり二酸化炭素を減らす取り組みをするのだね。素晴らしい!」
「ふっ」
巧は満足げに笑みを漏らした。
「それでは・・・九十九さん。意見はあるかな?」
「あ、あの。わ、私は・・・もの作りが好きなので・・・た、例えば大気を汚す冷媒ガスを使わない冷蔵庫やできれば水を汚さない洗濯機を作りたいと・・・思っています」
「おぉ!それは良いですね!冷媒ガスを使わないコンプレッサーのアイデアはあるのですか?」
「え?結城君、どうしてそんなに詳しいのですか!」
「あ!い、いや、それは・・・この場では・・・ね。それは今度、話そうか」
「はい!是非!」
「おいおい、九十九さんって普通に話せるんじゃないか!」
「ホント。今までのはどうして?って感じ・・・」
「あ!あの・・・もの作りの話になるとその・・・我を忘れると言いますか・・・」
あぁ、これは根っからの技術者だな。それにしても冷蔵庫と洗濯機か。両方とも完成品が家にはあるな。まぁ、見せることはできないけれどね。
もう一つの班からも環境改善に関する積極的な意見が聞かれた。
「翼からは何かある?」
「そうだね。環境破壊と言えば、化石燃料に目が行きがちだと思うけど、他にも大きな温室効果ガスの排出先があるんだ。それは家畜だよ」
「え?家畜?牛とか豚のこと?」
「牛や豚が温室効果ガスを出しているの?」
「あぁ、冬に牛舎や豚舎を温めるヒーターの燃料とかか?」
「いいや。牛、豚、羊、山羊、鶏などのゲップやおならだよ」
「えーっ!」
「でも、そんなの大した量ではないだろう?」
「そう思うだろう?でも実は、飛行機や船、自動車の排出する温室効果ガスの世界全体の量に匹敵する量の温室効果ガスを出しているんだよ。世界全体ではそれだけ大量に家畜を飼育しているってことだよ」
「嘘でしょう?」
「いや、嘘ではないよ。それだけではないんだ。未だに家畜の糞尿を土壌やため池に垂れ流ししている国が沢山あって、それが原因の水質汚染も問題になっているんだ」
「更に、家畜の飼料となる穀物の生産のために、今もなお森林伐採が進んでいるんだよ。それによる温室効果ガスの増加も馬鹿にできないね」
「それは、どうすれば良いの?」
「ベジタリアンになれってか?」
「いいや、フードロスを無くす努力をすれば良いんだよ」
「あ!聞いたことある!フードロスか!」
「そうだよ。必要なだけ作れば良いのに、持つ者が自分の利益だけを追求して過剰生産をしているんだよ。大型スーパーなんかもそうだね。必要以上に仕入れて売れ残りを廃棄している」
「飲食店も増え過ぎているし、やはりスーパーと同じで廃棄しているよね。フードロスを無くす取り組みがまだまだ足りていないね。これは各国のリーダーが音頭を取って、リードしていくべき案件かな。政治家にはこれを是非、大急ぎで進めて欲しいのだけどね」
「結城君。君ってどこかの大学教授みたいね・・・」
「あ。先生」
いつの間にか僕の後ろで、討論を聞いていた様だ。ちょっと力を入れ過ぎてしまったかな。
「それで、結城君も政治家になるのかしら?」
「いえ、僕は政治家には向いていませんから、それは徹に任せます。僕はさっき言った、飛行機や船、自動車の温室効果ガスを何とかしますよ」
「それはどうやって?」
「それが反重力装置です」
「あぁ、そこに繋がるのね」
その時、珍しく顔を上げ、僕を見ている九十九さんに気が付いた。何か眼鏡の奥の瞳がキラキラしている。思わず心を読んでしまった。
『結城君、凄いわ!反重力装置を本当に造ってしまいそう!私も頑張らなきゃ!』
九十九さんのやる気に火がついた様だ。
「分ったわ。このグループは大変良いディスカッションができていましたね」
「ありがとうございます」
その夜、新奈は結衣との二人部屋でそれぞれのベッドに入ってから話をした。
「結衣と二人部屋で良かったわ」
「どうして?」
「結衣と二人だけで話したかったの」
「え?私と二人だけで?」
「ねぇ、結衣は翼をどう思っているの?」
「どう?それは・・・頭が良いし、反重力装置を造ろうとするなんて、凄い人だなって思うわ」
「違うでしょ?女子二人で話していて「どう思う?」と言ったら恋愛感情のことでしょ?」
「恋愛?翼君に?私が?」
「そうよ。どう思っているの?」
「私なんかが、翼君に釣り合う訳がないわ!」
「釣り合うかどうかは聞いてないわ。大体ね、それは結衣が決めることじゃないのよ。結衣は翼を好きなの?」
「え?好きかって?・・・私が?・・・翼君を?・・・」
「そうよ。少なくとも嫌いではないでしょう?では、どれくらい好きなの?」
「好き?・・・そ、それは・・・そんなこと・・・考えていなかったわ・・・分からない・・・」
「そう・・・そうかもね・・・でもね。翼は結衣のことが気になってる・・・気にしてる」
「翼君が?私のことを気にしている?」
「そうは感じないの?」
「あ!・・・なんかね・・・入学式の日からずっと、私の心で考えていることが翼君には分かって・・・それで・・・私に気を遣ってくれているのかなって・・・思ったわ・・・」
「そうでしょ?それを気にしているって言うのよ。翼はあなたのことばかり見ていると思うの」
「え?そ、そんなこと・・・でも、それは・・・自己紹介で翼君と同じことを言ってしまったからじゃないかしら?私がもの作りが好きだから翼君が気になるのと同じで、翼君も私のことを気になっているのかも・・・」
「ほらね。結衣は実はもう、翼の気持ちを分かっているのよ」
「え?そんな・・・そんなつもりは・・・」
「えぇ、ないわよね。分かるわ。結衣はそういう子ね」
「では、始めに戻るけど・・・結衣は翼を好きでしょう?」
「そ、それは・・・嫌いな訳はないし・・・でも恋かどうかは・・・」
「結衣は恋をしたことがないのかしら?」
「そ、そうね・・・ないと思うわ」
「そうなのね・・・でもね、結衣。それは恋よ・・・」
「恋?私は翼君に恋をしているの?」
「えぇ、そして私もね・・・」
「うん。新奈は翼君を本気で好きなのね・・・」
「えぇ、本気よ。ただの恋じゃない。絶対に結婚したいわ」
「結婚!・・・もう、結婚を考えているの?」
「うん。翼には何かね・・・運命の様なものを感じるのよ・・・」
「運命・・・」
「結衣は?」
「え?だって、これが恋なのかどうかもはっきりしないのに・・・結婚なんて・・・」
「そうよね。私が変わっているのかも・・・でも、結衣も翼が好き。それは確かなことね」
「そ、そう・・・なのかしら・・・」
「結衣。私たちはライバルなのね」
「ライバル?でも・・・勝負にならないわ・・・新奈はモデルで神代重工の社長令嬢だもの」
「結衣。だからね。それはあなたが決めることじゃないの。恋人にするかどうかを決めるのは翼よ。翼が私たちのどちらを選ぶかなのよ」
「・・・」
「結衣、約束して・・・翼が選ぶ前に・・・自分で駄目だと諦めないって」
「諦める・・・」
「ね!お願い。そうでないと私は翼を譲ってもらったみたいになってしまうわ」
「希望を持っていても良いってこと?」
「えぇ、そうよ。だから翼にアピールすべきところはしっかりするのよ?」
「ねぇ、どうして新奈は私にそんなアドバイスをするの?ライバルなんでしょう?」
「どうして?・・・そうね。私は正直言って、翼には結衣の様な女性が合うのかも知れないって感じているの」
「え?」
「それでも、私だって少しは翼に受け入れてもらえているって思っているわ。だから結衣とは対等な立場で翼にアタックしたいの」
「新奈はどうしてそんなに他人の気持ちが分かるの?」
「あぁ、それはね。モデルの仕事をしているし、神代重工の社長令嬢として小さい頃から沢山の大人と接しているでしょう?そうしているうちに他人が自分のことをどう思っているか、好きなのか嫌いなのか、ただ利用しようと企んでいるのか・・・相手の顔を窺っている内に分かる様になってしまったの」
「それで、翼君が私を見ている、気にしているって気付いたの?」
「そうよ。私は学校で常に翼を見ているから・・・」
「私・・・恥ずかしくて・・・翼君を全然見ていなかったわ・・・ごめんなさい」
「結衣が謝ることなんてないわ。でも、どうしてそんなに自信がないの?結衣って本当は凄く綺麗な女性よね?伊達眼鏡なんて掛けて、わざと姿勢を悪くして胸が大きいことや背が高いことを目立たない様にしてる・・・そうでしょう?」
「そ、それは・・・」
「過去に何かあったの?」
「・・・」
「ごめんね・・・話したくないことならいいの」
「ごめんなさい・・・」
「良いのよ。でも翼のことはお願いね」
「分かったわ」
新奈と結衣は、お互いに翼のことが好きであることを確認した。
そして、校外ゼミの一日目は終了した。
お読みいただきまして、ありがとうございました!