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22.科学者誕生

 秋となり、瑞希の妹の早苗さんが男の子を出産した。


 幸ちゃんと紗良と共にお産に立ち合った。七海を生んでから十年以上経過していたが、三人目ではあるので、問題なく安産で生まれた。遥馬はるまと名付けられた。


 早苗さんの出産後に神星に戻ると、その数日後に二十五歳の誕生日が過ぎていた花音が予知夢を見た。花音からそれを聞いて皆がサロンに集まった。


「花音、今回の夢の内容は皆に話しても良いことなのだね?」

「はい。大丈夫です。その夢では、皆さんは今と変わらない姿で、子供たちは五年後にしては大きいかなと思う成長ぶりでした。特に大きな変化はなかったのですが、このサロンに瑞希と翼、それと娘と思われる女の子も居たのです」


「え?瑞希たちが地球ではなく、ここに居たのかい?」

「はい。でもその時だけなのか、ここで暮らしているのか、何故ここに居るのか、その理由までは分からないのです」


「まさか、地球の人類が滅亡しているのでしょうか?」

「それとも、地球を見限って戻って来てしまっているとか・・・」

「その辺までは見えていないのだよね?」

「はい。分かりません」


「では憶測だけで不安を抱いていても良いことはないよね。ただ、地球や瑞希たちには気を配っていこう」

「そうですね」

「花音、新しい妻は増えていなかったかしら?」

「琴葉、それはない様でした」

「そう・・・」


「琴葉、そんなに妻を増やす訳ないでしょう!」

「ふふっ、一応、確認しておいただけですよ」




 僕は瑞希のところへ行った夜、ふたりきりでその話をした。

「え?私たちが神星の月の都に居たのですか?」

「うん。でも一時的なものなのか、移住しているのかは分からないそうだよ」

「そうですか・・・普通に考えれば今から五年後ならば、私の両親はまだ生きているはずですから、ここに置いたまま私たちだけが戻るとは考え難いですね」

「そうだよね」


「ただ、地球は変革の時を迎えていますからね。何があってもおかしくはないのですよね」

「うん。だから今まで通り、地球人の動きを注視していかないとね」

「でも、私の娘が生まれているのですね」

「そうだね。それは嬉しいことだね」

「はい。来年、早々には作る様でしょうか」

「早苗さんの息子の遥馬と年子という設定で登記するならば、そうなるね」


「それだと、あと三か月位しか夜を楽しめないのですね」

「ふふっ。出産後もまたできるのだからね。良いでしょう?」

「えぇ・・・そうですよね・・・」

「瑞希・・・」

 抱きしめてキスをした。


「それはそうと。翼の勉強は相当先に進んでいるのでしょう?」

「はい。ちょっと怖い位なのです。中学生の勉強は既に習得していて、高校の教科書を読み始めているのです」


「それだと幼稚園に行くのはどうなの?」

「行けないでしょう・・・小学校や中学校だって何のために行くのか分からない状況です」

「友達作り・・・くらいか」


「会話が成立しないのではないでしょうか?もう、私と普通に会話しているし、テレビのニュースを見ながらお爺ちゃんと環境問題とか農業政策の議論をしているもの・・・離れたところで聞いていると子供とは思えないのです」

「まだ一歳になっていないのにもう、そんなレベルなのか!」


「でも義務教育の小中学校は行かない訳にもね・・・」

「それなら高卒認定試験に受かれば学校に行かなくとも大学には行けますよ」

「あれ?五年後にもし、神星に戻っているなら学校には通わないということか」

「きっと、それまでに何かあるのでしょうね」


「今から考えても仕方がないか」

「そうですね」

「菜乃葉の受験はどう?」

「えぇ、それも大丈夫そうですよ。七海も」

「それは良かった」


「月夜見さま。お話はそれくらいにして・・・」

「あぁ、ごめんね」

 それから朝方まで愛し合った。




 翌朝、僕は瑞希と共にエリーを介して天照さまにお伺いをした。

「エリー、天照さまとお話ししたいのだけど」

「お呼び出しいたします。少々お待ちください」


「月夜見、瑞希。久しぶりですね。何でしょう?」

「天照さま。僕らの子の翼なのですが、知能の発達が普通ではない様です。これは元日本人なのではないでしょうか?」

 翼が今、勉強している内容を天照さまへ伝えた。


「月夜見と同等の能力が使えるならば、それだけ脳を活用できているのですから、興味が学問に向けば、すぐに習得できて当然です。地球での前世はまた別のお話です」

「あれ?では翼は元日本人ではないのでしょうか?」

「それは分かりません」


「ちなみに男の子の場合、どうやって前世の記憶を呼び出せば良いのでしょうか?」

「そうですね・・・翼の場合は記憶を戻さない方が良いでしょう」

「え?それは何故でしょうか?」


「学問好きなのですよね?それならば翼の前世は学者だったのだと思いますよ。例えばイノベーターに居る科学者の様な」

「あ。そうか・・・研究に没頭する様なおじさんだったら・・・」

「そういうことです」


「では、今はまだ子供らしいところも残っているから、このままの方が良いのかな」

「私はその方が良いです」

「では、そういうことで・・・」

 天照さまは通信を切った。


「月夜見さま、瑞希さま。他に御用は御座いますか?」

「エリー、大丈夫よ。ありがとう」

 エリーは下がっていった。


「瑞希、翼は今のところ、どんな分野に興味を持っているのかな?」

「恐らく、理数系でその中でも物理が好きな様ですね」

「物理・・・僕が最も興味のない分野だね」

「私も苦手でした」


「翼は物理に関する本とかを欲しがることはあるの?」

「それがインターネットで調べて勉強している様なのです」

「あぁ、今や何でもネットで調べられるのか」


「そうですね。インターネットの使用を禁じますか?」

「流石にそれをしては可哀そうかな。まぁ知識欲がとどまることはないのだから仕方がないよ」

「分りました」


 僕たちは翼と話してみることにした。僕の部屋に翼を呼んで、僕らは珈琲を翼はオレンジジュースを飲みながら話した。


「翼、勉強が進んでいる様だね」

「はい。お父さま」

「勉強は楽しいかい?」

「はい。楽しいです」


「翼は学問の中で何が好きなのかな?」

「数学と物理です」

「へぇ、それを勉強して何かに活かしたいとか、作りたいものがあるのかな?」

「僕は反重力装置を造りたいのです」


「反重力装置・・・それはどうして?」

「飛行機や船の動力として使うためです」

「あぁ、環境問題を考えてそこに行き着いた訳だね?」

「はい。それがなければ低軌道エレベーターもオービタルリングも造ることが難しいですから」


「そうだね。でも何故それを翼が造ろうと思ったのかな?」

「お父さまが人間たちに「重力操作ができないうちに宇宙開発をするな」と言ったからです」

「うん?あぁ、確かにそう言ったね。あれ?その演説は翼が生後四か月の頃だよね。それを聞いて覚えていたの?」

「はい、あの時のお父さまの演説は全て覚えています」

「そ、そうか。それは優秀だね」


「ありがとうございます。それで反重力装置がなければ化石燃料を使用する飛行機や船はなくせません。電力の確保も地球規模で考えると再生可能エネルギーだけでは限界があります。それに地球の磁場の問題も解決できません」


「僕はお母さまとこの地球で暮らすのですから、地球の未来のために僕ができることをしようと思ったのです」


 な、なんてことだ!翼の前世は大変な偉人だったのではないだろうか・・・


「そ、そうか・・・凄いな。翼。そ、それで、何か足りないものとか欲しいものはあるかな?」

「今のところ、僕の部屋のパソコンで十分ですが、来年には3Dプリンターが欲しいです」

「そ、そうか。それなら必要になったらお母さまに言いなさい」

「はい。ありがとうございます。お父さま」


 翼はそう言って頭を下げると自分の部屋へと戻っていった。


「翼って大変な人だったのではありませんか?アインシュタインとか?」

「そうだね。歴史に残る様な偉人だったのかも知れないね」

「本当に反重力装置を造ってしまうのでしょうか?」


「でもそれならイノベーターが既に造っているよね?」

「造り方を教えるのですか?」

「いや、どうだろう・・・翼は地球で生きていく者として。と言ったんだ。自分は地球人だと考えているのだから、僕や天照さまの手は借りない。という意味ではないかな?」


「あぁ、あの様な人種はその過程を大切にするのですよね」

「そうだね「はい、これが設計図だよ」と渡されて喜ぶ訳がないね」

「では、五年後に神星に行っていたのは、その辺の事情が絡んでいるのかも知れませんね」


「そうだね。最後の完成形に近付いた時に向こうの世界で実験するとかかな?」

「それは考えられますね」

「え?五年で反重力装置を造ってしまうの?」

 僕は自分で言って自分で驚いてしまった。


「そうだとしたら凄いですね」

「うん、まさかね・・・」




 翌年、僕と瑞希に女の子が生まれた。やはりプラチナシルバーの髪に青い瞳をした女の子だ。名前は葉留はると名付けた。能力は治癒の力しかない様だ。僕の子では初めてだ。


 それから四年が経過して僕は二十五歳になった。地球に月の都を送って五年だ。

思っていた通り、世界はまとまり切れていない。だが環境改善に向けて動き出してはいるのだ。


 自動車はある程度、電気自動車化が進んだ。ほんの一部でドローンの技術で宙を飛ぶ自動車ができてきた。だが落下の危険があり街中では使えず、金持ちの娯楽の域を出ていない。


 再生可能エネルギーでの発電も以前よりは進んだが、まだ一部の国では石炭や天然ガスを使って発電している。


 更に電気自動車が増えたことでガソリンの消費量が減った。だが産油国への利益分配の制度がまとまっていないため、原油価格が何倍にも値上がりした。


 そして当然だが、飛行機と船は変わっておらず、いまだに化石燃料を使っている。


 その結果、輸出入のコストは信じられない高さになってしまった。格安航空会社はなくなり飛行機も半減した。軍用機や自家用機はもうほとんど飛んでいない。


 そのため輸出入は最低限必要なものだけとなり、輸入品の値段は跳ね上がった。自動的に各国では特に食料品で自給自足を推し進めざるを得なくなっていた。


 日本をはじめとする先進国では、主にエネルギー関連企業が農業を始め、農業に適していない気候の国では軍事費をハウス栽培の技術に振り分けて自国生産を進めた。結果オーライと言うのかな。


 プラスチック製品は全て生分解性プラスチックに置き換わった。海洋プラスチックははなの大学で研究し、繁さんの家電メーカー企業を中心とした合弁事業によって、本格的に海洋プラスチックの除去作業が始まった。こちらはG7主要七か国とGDPの大きな国から資金提供されている。


 戦争は起こっていない。全ての国でインフラが劇的に変わっていくし、食料の自給率を上げることが急務となったために各国政府はそちらに掛かり切りだし、予算も全てそちらに割り振るしかなかったからだ。勿論、原子力は使用を停止して廃炉を進めている。




 そして翼はそれを完成させた。

ある日、僕が八日ぶりに地球の月の都へ行った時のことだった。

「お父さま、お帰りなさい」

 葉留が走ってきて抱き着いた。僕は葉留を抱っこして頬ずりをした。

「葉留、ただいま!良い子にしていたかな?」

「はい。お父さま!」


 すると、恐らく瑞希から念話で僕が帰ったことを聞いた翼が部屋から出てきた。

「翼。ただいま。研究は進んでいるかな?」

「はい。お父さま、後で見て頂きたいものがあるのです」

「そうか、ではすぐに見せてもらおうかな?」


 僕と瑞希と葉留は、翼の部屋へと入った。

目の前には黒い箱が一メートル程の高さに浮かんでいた。その箱は長さ一メートル、奥行きと高さが六十センチメートル程の大きさだ。


 その箱からコードが出ていて、翼が手に持つリモコンのコントローラーの様な箱に繋がっていた。


「翼。もしかして反重力装置・・・なのかい?」

「はい。そうです」

「もう、できてしまったのか!」

「はい。できました」


「凄いじゃないか!」

「翼、凄いわ!頑張ったのね!」

 瑞希が翼を抱きしめた。翼は笑顔になった。


「はい。お母さま」

「お兄ちゃん。これ、なぁに?」

「葉留、これがあれば、どんな重いものでも重力に逆らって、空に浮かべることができるんだよ」


「この月の都みたいに?」

「そうだよ」

「翼。この反重力装置、一度、天照さまに見て頂こうか」

「はい。お願いします」


「エリー。ちょっと来てくれるかな?」

「はい。月夜見さま」

「エリー、この翼が造った反重力装置の映像を天照さまに送ってもらえるかな?」

「かしこまりました」


 するとすぐにエリーから天照さまの声が響いた。

「・・・月夜見。瑞希。そして翼。反重力装置ができたのですね」


「はい。その様です。天照さま。この装置の出来栄えと言いますか、安全性とかを確認して頂くことは可能ですか?」

「では、今から神星の月の都へ来てください」

「え?翼や葉留を連れて行って良いのでしょうか?」


「もう話せば分かる知能があるのですから」

「そう言われたら、そうですね」

 僕は舞依に念話を送り、今から瑞希たちとそちらへ行くのでサロンに集まって欲しいと伝えた。


「では、神星へ行こうか」

「はい!」

「シュンッ!」


 サロンには妻と子供たちだけが揃っていて窓にはフクロウが居た。

「皆さん、お久しぶりです」

「瑞希!お久しぶり!ところでこの黒い箱は?」

「反重力装置です。翼が造ったのです」

「え?反重力装置を?翼がひとりで、ですか?」

「幸ちゃん、そうなんだよ。それで天照さまに見てもらおうと思ってここへ来たんだよ」


「あ!皆さん、この場面です!五年前に私が見た予知夢は!」

「そういうことだったんだ。では瑞希たちがここに居るのは、やはり一時的なことなのだね」


「さて、天照さま。これはどうでしょうか?」

「うむ」

 フクロウはバサッと羽ばたくと、ふわふわと浮いている反重力装置の上に乗った。

その上を歩き回り、箱の中を透視している様な素振りを見せていた。


「原理は合っている様ですね。これをイノベーターに送り、詳しい検査をしても構いませんか?」

「翼、良いかな?」

「はい。構いません」

「では、お願いできますか?」


「では、預かりましょう。結果がでたら翼の部屋へ返しますよ」

「シュンッ!」

「消えた・・・お兄さま!消えてしまいましたよ!」

「葉留、大丈夫だよ」

「そうなのですか・・・」

 フクロウは外へ飛んで行ってしまった。


「それでは僕らはこれで戻るよ」

 僕がそう言うと、子供たちが翼と葉留に一人ひとりハグしていった。


 そう言えば、翼はこの子たちと念話で話していると言っていたな。でも葉留は念話ができないからな・・・


凛月りつき、葉留とはお話ししたことはないよね?」

「いいえ、いつも念話で話していますよ」

「いつも?え?いつから?」


「葉留が生まれた時からずっとです」

「え?でも葉留は念話はできないよね?」

「話していますよ。ね。葉留」

「うん。リッキーお兄ちゃん」


「え?葉留には治癒の能力しかないと思ったのだけど・・・」

「他の能力もあるのでしょうか?」

「まぁ、それはまた調べてみようか。それで、翼や葉留とどんな話をしているの?」

「翼や葉留から地球人の現状を聞いたり、翼とは反重力装置を造るヒントやアイデアを出し合ったりしています」


「それじゃぁ、翼一人で造ったのではなく、子供たちが知恵を出し合って造ったのかい?」

「いえ、ほとんど翼ですよ。僕たちは翼が行き詰った時に気分転換させたり、ちょっとしたアイデアを出したに過ぎません」

「ううん。リッキー兄さんの助言には、多くの気付きがあったのです。とても助かりました」


「ちょっと待って頂戴。リッキー、地球人の現状を聞いているって言ったわね。あなた、地球に行こうとしたりしていないわよね?」

「お母さま。それは分かっています。天照さまとお父さましか、神星と地球の行き来はできないし、僕らでそれをしたら命がなくなるのですよね」

「それも知っていたの?」

「はい。僕たちは誰かしらが聞いたことを全て共有していますから」


「そ、そうなの!・・・もしかして読心術で私たち大人の会話を聞いているの?」

「たまにはそういうこともあるでしょうか」

「そ、そうなのか・・・」


 妻たちは絶句して顔を見合わせている。僕も驚き過ぎてこの場でこれ以上、何を話せば良いのか思い浮かばなかった。


「今日のところは一度、地球へ戻るよ」

「はい。お気をつけて」

 瑞希たちと地球へ飛んだ。

「シュンッ!」


 とりあえず僕たちは翼の部屋へと戻った。

「それにしても翼、凄い部屋だね。まるで工作室じゃないか」

 翼の部屋には見たことがない工作機械が所狭しと並んでいた。材料と思われる電子部品、金属板やケーブルなどでいっぱいだ」


「瑞希、こういう工作機械とかって、どうやって調達したんだい?」

「翼がネットで注文して、早苗の家に届く様にしているのです。早苗から連絡が来たら、ここへ転送しています」

「支払いは?」

「父のクレジットカード決済にしています」


「そうか。それにしてもここは手狭なのでは?」

「もっと広い部屋があると良いですね」

「それならば、早苗さんの家の地下にある倉庫を使ったらどうかな?買い物は皆、そちらへ届く様にしているのでしょう?」

「お父さま、良いのですか?」

「でも朝ご飯と晩ご飯はここで食べるのよ」

「はい。お母さま」


「翼、それにしてもさ、あの反重力装置が完成品として使えるものだとして、どうやって人間たちに与えるのか考えているのかな?」

「それは、お父さまに相談しようと思っていたのです。僕はまだ五歳ですから、表立って活動ができないと思うのです」

「そうだよね。でもね。翼ももう知っていると思うけれど、私は人間たちに手を貸さないと言っているからね。私も直接は動けないのだよ」


「翼はもうすぐ小学校に行くよね。少なくとも大学の研究室に入ってからでないと、あの装置は発表できないと思うな」

「ではあと、十五年位先のことなのですね・・・お父さま、学校には行かないといけませんか?」

「あの反重力装置の様な新しい工業製品は突然現れたら不自然だ。大学の研究室で研究成果として発表しないとね」


「では、大学から行っても良いのですよね?」

「翼にとって、小学校から高校までの授業を受ける意味はないだろうね。でも、地球で生きる上で、人間の文化や人間関係は学ぶ必要があると思うよ」

「そうですね。ひとりでは生きていけないですからね」

「そういうことだよ。分かっているじゃないか」


「では僕は、引き続き独自に研究を続け、高校から学校へ行って文化を知り、友達作りをします」

「そうだね。将来役に立つ人間関係が築けると良いね」

「はい。お父さま。お母さま、東大を目指す人が多く集まる高校を教えてください」

「分ったわ。恐らく私の母校になると思うけれど、最近の状況を調べておきますね」


これは大変な科学者の誕生だぞ・・・

お読みいただきまして、ありがとうございました!

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