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28.エリーとクララ

 一月になり、瑞希の排卵日がやって来た。


「瑞希、一人目は男の子と女の子、どちらが良いかな?」

「はい。男の子が良いのです」

「それならばゼリーは使わずにこのままするからね。いつも通りで良いよ」

「特別なことはないのですね?」


「そう、いつも通りに僕に溺れていれば良いんだ」

「今日も溺れたいです」

 瑞希は本当に僕に溺れている。事を始めるといつもの様にすぐに何度も絶頂に達した。

だが、今日はいつもの様に溺れている場合ではない。我に返り、もう頃合いかと深いところで果てた。


 事が終わって瑞希を抱きしめ、余韻に浸りながら話していた。

「これで子を授かることができるのですね」

「そうだね。高い確率でできると思うよ」

「この私が結婚して子を授かることができるなんて・・・夢の様です」

「瑞希、何か浸っている感じだね。前世の瑞希では考えられないことだったのかな?」

「はい。私は男性の前で素直になれる様な女ではなかったのです」


「まぁ、弁護士みたいな男社会の中で頑張るにはそうならざるを得ないでしょう」

「月夜見さま。お分かり頂けるのですか?」

「医師の世界でも同じ様なものだからね。女性医師を見ていると大変そうだもの」

「月夜見さまは本当にお優しいのですね」

「それ程でもないよ」


「瑞希。髪が伸びたね。綺麗な髪だ」

「はい。でもまだまだです。もっと長くしたいのです」

「それも女性らしくしたいということ?」

「これは・・・月夜見さまが美し過ぎるから、少しでも近付きたくて・・・」

「瑞希。君は既に十分に美しいし、本当に可愛いと思っているよ。その性格もね」


 僕は手櫛てぐしで瑞希の髪をすいては、サラサラと手からこぼれ落ちる髪を見つめた。七か月前にベリーショートだった瑞希の髪は肩を超えて肩甲骨けんこうこつの辺りまで伸びている。


 とても細かった身体も今ではふっくらと大人の女性らしさが増した様だ。でも、他の妻たちとは違い、背が高くなったりはしない。


「瑞希は、いつでも真面目で真っ直ぐで情熱的だ。でも内面の可愛さが表にでているんだ。それが愛おしいんだよ。前世のことは分からないけれど、僕の知っている瑞希はとても素直で可愛い女性だよ」

「あぁ・・・月夜見さま。もう一度して頂けませんか?」


「え?今夜はさ、大事な日だから。ここは安静にしておこうよ」

「あ!私ったら、また・・・」

「ふふっ、可愛いなぁ、ホントに。キスだけで我慢してね」

 そして熱いキスを延々と夜中まで続けた。唇が腫れていないと良いのだけど・・・




 六月になり、八人の妻たちの二人目の子供たちが生まれて七か月。瑞希のお腹の子も五か月に入り順調だ。ただ、予想外のことが起きた。瑞希の子の成長が早いのだ。


 妊娠四か月目で男の子であることが判明していたのだ。このままでは八月には生まれてしまう。


 月の都の屋敷では、瑞希が詩織に付いて子育ての特訓を受けていた。日本のお母さんに連絡して一緒に住んでくれることにはなったそうだが、子育てをお母さんに任せる訳にはいかないと、持ち前の真面目さと情熱で勉強しているのだ。


 特に僕らの子は普通ではない。空を飛ぶわ、物は飛ばすわとやりたい放題なのだから。保育士だった詩織でさえ目を白黒させる毎日なのだ。これを年老いたお母さんと二人だけで面倒を見るのはかなり大変なことだ。今からしっかりと対処方法を身に付けてもらいたい。


 一人目はリッキーだけが男の子だったのでまだ良かったのだが、今回、女の子は蘭華らんかだけで他は皆、男の子だ。屋敷の中は毎日パニック状態だ。二人目を作ったのが早かったと皆で後悔している。


 上の子もまだ一歳七か月だ。女の子は下の子たちに興味津々で、代わる代わるちょっかいをだしに来る。でもすぐに飽きて僕のところに飛んで集まって来るのだ。


 リッキーはまだまだ、やんちゃ盛りでやりたい放題。それに影響された下の弟たちも次々に空中浮遊を始めて、好き勝手に飛び回る。


 蘭華は女の子なのに一緒になって飛び回り、リッキーや弟たちと暴れまわっている。これはかなりのお転婆娘になりそうだ。


 アルカディアからの侍女六人と屋敷の侍女三人と妻九人が二人ずつペアになって、蘭華と男の子ひとりを担当し、目を離さない様に見守っている。


「あれ?これさ。僕らが地球に行っている間どうする?」

「男の子一人当り、二人は見ている人が居ないと厳しいですね」

「しかも能力のない人では本当に見ているだけで、手出しができないですね」

「そうだね。これはマズいな・・・」


 その時、サロンの大騒ぎの中に居たフクロウが突然、声を発した。

「それならば、私が面倒を見ましょう」


「え?天照さま?」

「天照さまが、僕らの子の面倒を見てくれるのですか?」

「でも、おひとりでは流石に・・・」


「ひとりではない。暁月ぎょうげつ玄兎げんとたちが居るではないですか」

「あぁ、月の都の月宮殿で、お母さまたちに見て頂くのですね」

「そうです」

「侍女も皆、連れて行くと良いでしょう」

「そうですね。アルカディアの侍女も可能な限り連れて行きましょう」


「天照さま。ところで地球には何日間滞在するのでしょう?」

「そうですね。二週間で良いでしょう」


「地球へ行く月の都はもうできているのですか?」

「来月完成します。できたら一度、ここへ持って来ますよ。瑞希が住み良い様に手を加えるならばこの時にしておいてください。地球へ行く二週間前に月の裏側へ出現させて、ゆっくりと降下させて行きます」


「では、月の都が地球の大気圏に入ってから、僕らは転移されるのですね」

「そうです」

「分かりました。ではお父さまたちには今のうちに説明して、お願いしておきます」

「では、そういうことで・・・」


「あぁ、良かった。天照さまが見ていてくださるなら安心だね」

「えぇ、本当に良かったわ」




 八月の初めのことだ。昼食後に皆でサロンに居ると、フクロウが声を発した。

「月夜見。地球へ行く月の都は完成しました。今、この上空へ移動しておいたので見に行きましょう」

「できたのですね。では見に行きましょう。子供たちを連れて行く訳にはいかないから、妻たちは半分ずつ行こうか」

「分かりました」

「では、舞依、桜、花音、琴葉、瑞希が先に行こうか。動力のない船に乗って行こう」


 フクロウも飛んで来て船に乗ると上空を目指して船を上昇させた。

「あれ?どれでしょうか?」

「真上の丸い雲の中です。下界から見えない様にしてあるのです」

「あぁ、あの丸い雲の中ですね」


 一度、雲の上まで登り、旋回しながら上から月の都を眺めた。

「大きさとしては、小さめだね。月光照國の月の都の半分くらいかな?」

「そうです。月夜見の月の都の三分の一の大きさです」

「でも、山と川に池、屋敷の並び方は似ていますね」

「既に庭園と畑もできているのですね」


「畑は少しやりたくなることもあるかと一応作ってみたのです」

「ありがとう御座います。私の母は土いじりが好きなのです」

「では、屋敷の中を見ましょう」

 船を庭園に降ろして船から降りた。庭園には既に様々な花が植えられていた。


「まずは屋敷の裏へ行きましょう」

 今までの月の都では屋敷の裏は船着き場になっていたがここにはなかった。そして、屋敷の裏というか月の都の外周には隙間が空いていた。


「ん?この隙間は何でしょうか?」

「ここからシールドがでてきます。宇宙と地球上に居る時は常にこのシールドを閉めています」


「その場合、空気はどこから?」

「下側に空気のダクトと浄化装置があります。地球上の汚染物質を取り込まない様になっています」

「え?地球の大気ってもうそんなに汚染されているのですか?」

「まだ人間に直接害になるレベルではありません。でもこの星にない汚染物質はありますからね」

「そういうことですか」


「あれ?シールドは閉めたままなのですよね?それだと雨が降り込まないと思うのですが庭園や畑の水は?」

「それはスプリンクラーで自動的に散水します。その他飲料水も含めて基本的には貯水槽に貯めてあり、不足した場合は外部の大気中の水分を集めて浄水、殺菌したものを供給しています」

「それは至れり尽くせりですね」


ちなみに、このシールドならば地球上のほとんどの兵器が直撃しても破壊できません。下側の岩に見える土台も岩ではなく特殊加工された金属製です」

「それは安心ですね」

「では、屋敷に入りましょう」

「あ。この月の都への外側からの出入り口はあるのですか?」

「それはありません。瞬間移動できる者しか出入りはできない様になっています」


「では、飛行する乗り物でこの月の都に近付こうとした場合はどうなりますか?」

「千メートル以内に近付くと、一万キロメートル離れた場所へ無作為むさくいに強制転移されます」

「では、フランスとかアメリカ、カナダまで飛ばされるのですね」

「これは近付かない様に警告しておく必要がありますね」


 屋敷自体はヨーロッパの小さな城の外観となっている。白い壁に青い屋根だ。

「まぁ!素敵!こんなお城に住んでみたいと思っていたのです!」

「瑞希が気に入ったのなら良かったよ」

 屋敷は地上三階、地下二階建てでエレベーターも完備されていた。


 そして、見た目よりも中は広大だった。サロンと食堂が大小ひとつずつ、それに大広間があった。厨房を覗くと、恐らく日本のものと思われる現代の家電製品と調理器具が全て揃っていた。食堂の隣には水を使わない洗濯機のある洗濯室があった。


 二階には僕の家族の部屋が十部屋あり、その全てに応接セット、大型テレビ、風呂とトイレ、寝室に衣裳部屋があった。

驚いたことに各部屋には僕と妻たちのサイズに合わせた衣装が全て揃っていた。


「天照さま、この衣装は?」

「地球で人前にでる時に着る、特殊な素材でできた衣装を用意しました。これならば銃で撃たれても貫通しません。ただ、少し痛いですが・・・」


「地球の服もあるのですね」

「そう見える様に作ってありますが、それも特殊な素材です。変装用の帽子やマスク、サングラスも用意してあります」

「それは助かります」


 そして瑞希の家族用として、ほぼ同じ造りの部屋が三部屋あり、そのうち二部屋の寝室はツインベッドの部屋になっていた。恐らく両親用と妹夫婦用か予備なのだろう。


 その他、子供部屋が六部屋と作業部屋や映画などの鑑賞室もあった。三階は広いスペースがあり、軽い運動もできる様になっていた。地下一階は倉庫で二階は機械室や貯水槽があるそうだ。


 全てを見て回り、サロンに戻るとそこには人影があった。

「うわ!人が居ます!」

 花音が叫んだ。


「あぁ、それはメイドのアンドロイドです」

「あ、ファクトリーに居たアンドロイドと同じですね」

「そうです。家事全般と子守り、それに警備に対応できます」

「瑞希は初めて見るよね。これ、嫌だったりするかな?」


「いいえ、とても自然ですね。私は助かるのでありがたいです」

「では瑞希、アンドロイドの頭に手を置いて「起動」と言ってください」

 瑞希はアンドロイドの前に立つと手を頭に置いた。

「起動」

「ブゥン!」


 小さく電子音がしたかと思うと、何度かまばたきして目を開いた。そのアンドロイドは僕や瑞希と同じ瞳と髪の色で、体格も瑞希の身長やプロポーションとほぼ同じだった。瑞希の子が安心できる様にそうしたのだろうか?


「ご主人様。お名前をお聞かせください」

「私の名前は瑞希です」

「ミズキさま。よろしくお願いいたします。私の名前を付けてくださいますか?」

「あなたの名前?そうね・・・では「エリー」はどうかしら?」

「私の名前は「エリー」ですね。登録しました。これから、よろしくお願いいたします」


「天照さま、エリーは普通に会話もできるのですか?」

「できますよ。このアンドロイドを通して私を呼び出すこともできます」

「え?天照さまにも通じているのですか?それなら僕の屋敷にも居たら便利なのに!」

「欲しいですか?」

「欲しいです」

「では、後で届けましょう」

「やった!ありがとうございます!」


「これなら少しは安心かな。瑞希、どうかな?」

「はい。とても贅沢です。私たちには勿体ないくらいです」

「まぁ、ここで暮らす限りは困ることはないかな?」

「食材などの買い物はどうするのですか?」


「食材はこちらから転送します。それ以外のものはいつも買い物をしている店に行けば良いのです。お金は既に十分に換金して、月夜見と瑞希の部屋の金庫に入れてあります」

「ありがとう御座います。では、買い物は私が瞬間移動すれば良いのですね」

「親を店まで転移させ、引き戻すこともできますよ」

「それって、人を物と同じ様に引き出したり送ったりできるということですか?」


「月夜見はやったことがないのですか?」

「えぇ、物はいくらでもやっていますが、人でできるとは思いませんでした」

「同じ様にできます。でも地球とこの世界の間ではやらないでください」

「それは承知しています」

「では瑞希、それも練習しておきましょう」

「はい。分かりました」


「天照さま、全ての部屋にテレビが置いてある様ですが、日本のテレビ番組が観られるのですか?」

「地球に行けば地球上の全てのテレビ番組が観られますよ。それだけではありません。パーソナルコンピューターの機能も備わっています。地球へ行けば自動でネットワークに繋がりますので全ての情報が手に入ります」

「全ての・・・それは凄い!」


「月夜見、其方そなたに地球の全世界の人間に同時に念話を送る能力を授けましょう」

「それって僕が日本語で話し掛けても、相手は受け手の言語で聞こえるのですか?」

「勿論です。念話とは相手の脳に直接イメージを送るものなのです。それを受け手は自分の言語として受け取るのですよ」


「では、こちらは普通に頭でイメージして話し掛ける感じで良いのですね」

「そうです」

「あれ?でも日本以外の人が相手だと相手の話している言葉は僕には分かりませんよね?」

「それは読心術で相手の心を読めば日本語に変換されますよ」

「なるほど・・・」


 フクロウが飛んで来て僕の頭に触れた。ビリっと微弱な電気が流れる様な感触があり、その瞬間にそれができるという確信が得られた。


「月夜見。あと二つ能力を授けましょう」

「どんな能力なのでしょう?」

「ひとつは、地図を見ただけでその場所へ瞬間移動できる能力です。行きたい場所を地図上で指させば、その地点の上空へ瞬間移動できます」

「それは便利ですね。で、もうひとつは?」


「神星と地球を行き来できる能力です」

「え?それを授けて頂けるのですか?」

「瑞希のところへ通いたいのでしょう?」

「はい!ありがとうございます!」

「ほ、本当で御座いますか!ありがとうございます!」

 瑞希は泣き出してしまった。それは嬉しいだろう。でも良かった。


「では、授けますよ」

 またフクロウが飛んで来て頭に触れると先程と同じ感触があった。

「ありがとうございます!」

「月夜見のこれまでの功績にむくいたまでです」

「瑞希。良かったわね」

「はい。琴葉・・・本当に嬉しいです」


「さて、他に何か質問はありますか?」

「とりあえずは、大丈夫な様です」

「では、そういうことで・・・」

 その後、幸ちゃん、紗良、陽菜、詩織を連れてもう一度見て回った。


「本当に良くできているね」

「えぇ、とても豪華ですね」

「でも、ここに隠れ住むのは良いことだけではないでしょう。この豪華さはせめてもの報いなのでしょうね」

「そうですね。瑞希は好きな時に月夜見さまの顔を見ることもできないのですからね」


 見学が終わって屋敷に戻ってサロンに入ると皆がざわついていた。

「どうしたの?って、あ!」

 サロンの真ん中に、アンドロイドが立っていた。


「あ!月夜見さま。さっき、このアンドロイドが出現したのです」

 子供たちがベタベタと触ったり、しがみついたりしている。

「あぁ、天照さまがもう届けてくださったのだね。では、早速起動してみよう」

 僕はアンドロイドの頭に触れて言った。


「起動」

「ブゥン!」

「ご主人様。お名前をお聞かせください」

「私の名前は月夜見です」


「ツクヨミさま。よろしくお願いいたします。私の名前を付けてくださいますか?」

「君の名前だね?そうだな・・・では「クララ」はどうかな?」

「私の名前は「クララ」ですね。登録しました。これからよろしくお願いいたします」


 クララの身長は百七十センチメートル位。プロポーションは細身だ。髪の色と瞳の色が青だ。髪の色が青って、何だか馴染みがないけど、アンドロイドとして区別するには良いのかも知れない。顔はとても可愛い少女の様だ。


「皆、このアンドロイドはクララだよ。これから皆の助けになってくれるからね」

 まずはクララに家族を紹介していった。足早に名前と歳を伝えていくが、アンドロイドなので瞬時に覚えていく。


「クララ、あなたはどんなことができるのかしら?」

「私は家事と子育て支援全般それに警備ができます」

「え?警備もできるの?」

 警備というワードに早速、桜が食いついた。


「はい。ご主人様とそのご家族を守る様、プログラムされております。剣術と体術ができます」

「剣術ができるのね。では後でお手並みを拝見しましょう」

「模擬戦ですね。かしこまりました」


「桜、ほどほどにね。壊してしまったら治せないからね」

「壊しはしません。どれ程の技術があるのかを知らなければ子供たちを任せられませんから」

「それはごもっともだね。でも当面は子育て支援が主な仕事になるね」


 その後、フェリックスや警備担当の者を全員集め、まずはアンドロイドとはなんぞや?との説明をしてから庭園で桜とクララの真剣を使った剣術の模擬戦が始まった。妻や侍女に抱っこされた子供たちも一緒に観戦した。


 フェリックスが審判となり開始の合図を叫んだ。

「始め!」


 開始早々、桜が目に見えない程の速さで踏み込み一撃を入れる。だが、クララはそれを見切ると、やはり目に見えない程の速さで反撃する。しかし桜もそれを受け流す。延々とその攻防が続き、決着がつかない。


 フェリックスやシェイラ、他の騎士たちも固唾かたずを呑んで見守っていた。二十分程が経過した時、クララが言った。


「桜さま、このまま続けますと、あと二十五分後に桜さまが負けます」

「ふん、体力の問題ね。分かったわ」

 桜は動きを止め、少しだけ悔しそうな顔をしたが納得はした様だ。そんな大人な表情も美しい。また惚れ直してしまった。


 そして模擬戦は引き分けで終了した。

「桜、凄いね。アンドロイドと互角だなんて」

「月夜見さま。クララは機械ですから。人間なんて敵ではないのですね。これならば子供たちを任せても大丈夫でしょう」

「そうか。安心したよ」


 桜に認められ、クララは我が家のメイド兼、子供たちの保母さん兼、警備担当となった。

お読みいただきまして、ありがとうございました!

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