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25.新たな転生者

 アルカディアの侍女たちを連れて月の都に戻った。


「シュンッ!」

「栞、ここが月の都だよ。あの大きい建物が私の屋敷、その隣が使用人の宿舎だ。その向こうには家族用の宿舎と畜舎がある。山、森、そして川に池もある。大きな畑もあるよ」


「これが夜には空へ浮かび上がるんだ。昼間はあそこの橋で村と繋げている。村には神宮と学校、漢方薬工場や孤児院もあるよ」

「月の都も村も素敵なところですね」

「栞が気に入ったのなら良かったよ」


「さぁ、屋敷に着いたよ」

「侍女の皆は荷物を部屋に置いて来てくれるかな?」

「はい」

「栞は妻たちに紹介するからこちらへ」

「はい」


 サロンに集まって子供たちを遊ばせていたところへ僕と栞で入って行った。

「月夜見さま、お帰りなさい」

「皆、ただいま」


「あら?新しい侍女なの?でもその娘は、治癒の能力を持つ娘よね?」

「舞依、そうなんだ。アルカディアで追加の侍女八人を採用してね。さっき顔合わせをしたのだけど、この娘が入っていたんだ。栞って言うんだよ」


「あら、私と同じ名前なの?」

「あぁ、詩織。字が違うね。この娘の名は本に挟むしおりだよ」

「本の栞なのね」


「話を聞いてみたら両親は治癒の能力を持っていない上に栞は容姿も似なかったものだから、うとまれてしまったそうなんだ」


「この容姿もあってアルカディアでは浮いてしまっていてね、村に居たくないから侍女になろうとしたって言うからさ、それならば侍女にはせずにこちらの世界に移住させてしまおうと思ったんだ」

「あなたが言いそうなことね。では神の子孫なのだし、侍女にはしないのね」

「うん。それが良いと思っているよ」


「ではどうされるのですか?」

「とりあえずは、水月のところに置いて宮司の研修をさせるのが良いのではないかな」

「そうですね。折角、治癒の能力があるのですからね」

「栞、宮司になるための勉強はしていたかな?」


「はい。配給所で伯父に教わっていました。でも十歳になるまでに少しだけなのであまり使えませんが」

「宮司の勉強をするのは嫌かな?」

「いいえ、きちんと勉強してみたいです」

「うん。それならば神宮で研修をするのが一番だよ。では水月に話してみるよ」

「はい。お願い致します」


 すぐに栞を神宮へ連れて行き水月に話してみたところ、まだマリエットが小さいので手伝ってくれるのなら助かると大喜びだった。栞はしばらくの間、神宮で働くこととなった。


 栞は侍女のお仕着せの上に白衣を着て宮司の仕事を始めた。でも神宮に預けっ放しは良くないと思い、部屋は月の都にしようと考えて妻たちに相談した。


「栞なのだけど、部屋はどうしようか?」

「妻の部屋がひとつ開いています。そこを使わせた方が良いでしょう」

「え?琴葉。妻の部屋を?どうして?」

「あの娘には治癒の能力以外のものを感じるのです。宮司や侍女とは別の扱いにするべきだと思います」


「えぇ、私も感じます。月夜見さま、栞の治癒の能力以外の力を確認されましたか?」

「いや、舞依。確認はしていないな。でもアルカディアの神の子孫の中で一番力は強いとは思ったけど」

「では、確認してみるべきです」

「そうか。ちょっと念話を試してみようか」


『栞!栞!聞こえるかい?』

『あら?何かしら?頭の中に月夜見さまの声がするわ』

『栞。これは念話だよ。離れたところでも相手を強く思い浮かべると話ができるんだ』

『では私は、月の都のお屋敷にいらっしゃる月夜見さまとお話ししているのですか?』


『そうだよ。栞。そしてこれができるということは、栞の能力は治癒だけではないということだ』

『私にも神さまと同じ力があるのですか?』

『そういうこと。だから瞬間移動もできるよ』

『本当ですか!』

『本当だよ。明日から能力が使える様に訓練してみようか』

『はい。お願い致します』


「皆、栞は念話ができたよ」

「では、瞬間移動や他の力もあるのですね?」

「そうだね」

「日本からの転生者ということもあるのでしょうか?」

「ないとはいえないね。前世がこの世界の神だった可能性もあるけど」


「試してみますか?」

「え?試すって?」

「キスやセックスをしてみるのです」

「いや、お役目の八人は揃ったのだから、例え前世が日本人でも寿命は五百年にはならないでしょう?それならば妻にはしたくないよ」

「それもそうですね」


「でも、元日本人なら記憶はあった方が良いとは思いますけれど」

「うーん。透視や治癒能力についてはそうだよね・・・」

「それなら私から栞に話してみるわ。栞にその気があれば。ということで良いのではないかしら?勿論、嫁にはしないって言っておくわ」


「え?キスやセックスをしておいて結婚はしません。って言うの?皆はどう思う?」

「私は琴葉に任せるわ」

「私も、琴葉と同じ意見です」

 結局、妻たちは皆、琴葉の考えに賛同した。どうも何者か分からないと落ち着かないということみたいだ。


 それから僕は神宮へ行き、水月と栞に話した。

「水月、栞には僕らと同じ神の能力が強くあることが分かったんだ」

「まぁ!凄いのね!」

「だから、栞は屋敷の部屋に住まわせることにするよ。それで午前中は神宮で宮司の仕事をしてもらって、午後は屋敷に戻って能力の訓練をしようと思うんだ」


「分かりました。では午前中の仕事が終わったら屋敷で昼食を頂くのですね?」

「うん。栞には僕らと一緒に屋敷で食事をしてもらうよ」

「え?私が神々と食事を共にするので御座いますか?」

「栞。君はもう神の家族の様なものだよ」

「私が・・・」

 栞はただ呆然ぼうぜんとして、遠くを見るような目になっていた。




 その日の夕方、神宮の仕事を終えて栞が屋敷に戻って来た。

「栞、ちょっとこちらへ来てくれるかしら?」

「はい。琴葉さま」

 琴葉は栞を妻の部屋の一番奥の空き部屋へ連れて行った。


「栞、今日からはここがあなたのお部屋よ」

「え?使用人の部屋ではないのですか?」

「えぇ、ここは月夜見さまと私たちの部屋が並んでいるわ」

「何故、この様に大きく立派なお部屋を私にお与えくださるのですか?」

「あなたを神として、私たちの家族に迎え入れる。ということよ」


「私が神?」

「えぇ、あなたは私たちと同じ異世界からの転生者か、この世界で前世が神であったか。どちらかなの。どちらにしても大きな力を持っているのよ」

「だから私を家族として扱ってくださるのですか?」

「そうよ。それだけ大きな力を持っているのですから、放っておくことはできない。という意味でもあるわね」


「あ!私がその力を使って何か罪を犯すとお考えなのでしょうか?」

「あなたを疑っている訳ではないの。力を持っているとそれを利用しようとする者が現れる可能性も考えないといけないのよ。だから保護するという意味ね。分かってもらえるかしら?」

「はい。分かりました」


「それでね。あなたがもし、私たちと同じ異世界からの転生者なのだとしたら、確認する方法があるのだけれど・・・知りたいかしら?」

「え?知りたいです!それが分かれば、また何か変わるのですよね?」

「えぇ、そうね。特に能力の使い方はすぐに分かる様になるわね」

「教えてください!どうしたら分かるのですか?」


「それはね・・・月夜見さまとキスをするの。それで変化が無ければ性交するのよ」

「え?月夜見さまとキスを?そ、そんなこと・・・許されるのですか?」

 栞は顔を真っ赤にして狼狽うろたえながら聞いた。


「それしか手段がないのだから仕方がないのよ。でもね。月夜見さまと私たち八人の妻たちは、天照さまから特別なお役目を与えられていて、五百年の寿命を持っているの。それは知っているわね?」

「はい。美月さまより教わりました」


「でもね、あなたが強い力を持っていても、私たちと同じ異世界転生者だとしても、寿命は長くはならないのよ。だから月夜見さまはあなたを妻に迎えることはないの」

「はい。それも分かります」


「あなたは月夜見さまの妻になれないのに、月夜見さまとキスや性交をしても良いと思うのかしら?」

「はい。私は月夜見さまに救って頂きました。アルカディアには戻りたくないですし、こちらの世界で暮らすためにこの力が必要ならば、一日も早く使いこなせる様になって、お役に立ちたいのです」

 栞は真剣で必死だ。


「栞、違うのよ。こちらの世界で暮らすのにあなたの能力は必ずしも必要はないの。ただ、あなたがその能力を伸ばしたい、有効活用したい、と思うのならば。というお話なのよ」

「はい。私は持って生まれたこの能力を最大限に活かしたいのです。これまでこの容姿と能力のためにうとまれ避けられてきたのですから・・・」


「そう。分かったわ。では今日、夕食が終わったら月夜見さまと一緒にお部屋へお行きなさい」

「かしこまりました」


 夕食の時間となり、食堂の席には僕と妻八人、それに舞依のお母さんと栞が座った。アルカディアの侍女たちも揃う中、栞が居心地悪そうに陽菜の隣に座っていた。


「侍女の皆に話しておくことがあるんだ。今、陽菜の隣に座っているのは、本当は新しく侍女になるはずだった栞だ。栞と言っても妻の詩織とは字が違うのだけどね」


「栞は神の末裔まつえいなのだけど、宮司や配給所の者よりも力が強いので確認してみたら神と同じ能力と力があることが分かったんだ」


「だから栞は今後、私たちの家族として神の能力の訓練をしてもらうよ。午前中は神宮の仕事をしてもらうけれどね」

「では栞さまは、こちらで月夜見さまとご一緒に食事をされるのですね?」

「シルヴィー、そうなるよ」

「かしこまりました」


 そして夕食が始まった。今夜は刺身と天ぷらの和食メニューだ。陽菜が栞に食べ方を教えていた。初めは緊張していた栞も徐々に柔らかな表情となった。


「栞・・・あ!」

 栞と呼ぶと、栞と詩織が二人とも振り向いてしまう。

「二人ともしおりだと呼ぶ時に困るね。どうしようか?」

「・・・」


「あぁ、それでは妻の詩織はそのままで、栞のことはしおりんと呼ぼう」

「しおりん。可愛いわね」

「しおりん。それでも良いかな?」

「はい。構いません」

 うーん。真顔でそう答えられても、気に入ったのかそうでないのか分からないな・・・


「では、しおりんで決まりだ」


「しおりん。今日の夕食はどうだったかな?」

「はい。初めて食べたものばかりでしたけど、とても美味しいです」

「刺身の山葵わさびは大丈夫だった?」

「はい。私、これ大好きです」

「ふむ。やはり日本人なのかな?」


 夕食が終わり、妻たちは子供たちとサロンへ向かった。

「しおりん。ではこちらへ」

「はい。月夜見さま」


 僕の部屋にしおりんと二人だけで入った。琴葉からはしおりんとの話の内容は聞いている。

「しおりん。前世の記憶を取り戻す方法は、琴葉から聞いたのだよね?」

「はい。お願いしたいと思います」

「しおりん、男性とキスしたことはあるのかい?」

「いいえ、御座いません」


「好きでもない僕が初めてで良いの?」

「はい。構いません」

 そう答えるしおりんは自分の意見をしっかり持ち、簡単には流されない様な印象がある。


「しおりんって、硬いというか意志が強い印象だね」

「そうですね。真面目だとはよく言われます」


「もしもなのだけど、しおりんが僕たちと同じ、異世界からの転生者だった場合、前世の人生を思い出すことになる。人の人生は幸せなことばかりではない。今までのしおりんの人生みたいにね。それを思い出すことになるのだけど、それでも良いのかな?」

「はい。気持ちは変わりません」

「そうか。分かったよ。でも初めてなのだよね・・・」


「では、景色の良いところへ行こうか?」

「シュンッ!」


「うわっ!真っ暗です!」

「少ししたら目が慣れてくるよ。ここは月の都の山の頂上だよ。ほら、あそこに屋敷が見えるだろう?」

「あ。見えてきました。お屋敷や下界の建物のあかりがきれいです!」


「今ここへ瞬間移動したのですね?私もこれができる様になるのですか?」

「そうだよ。きっとすぐにできる様になるよ」


 しおりんは笑顔になって空に浮かぶ月を見上げた。

「月がきれいですね!」

「そうだね。しおりんも綺麗だよ」

「まぁ!私なんて・・・」

「こちらの世界では黒髪でない人も多いでしょう?」

「えぇ、そうですね。黒髪の人の方が少ないです」


「僕と同じだから言うのではないけれど、しおりんの瞳と髪の色はとても綺麗だよ。もしかして、髪を短くしているのはその色が嫌いなのかい?」


 しおりんの髪は肩に届かない程のショートカットだ。でもアルカディアでは珍しいくらいに肌は白いし、瞳と髪の色は僕と同じだ。顔立ちは幼く可愛らしい。


「いいえ、目立つので短くしていたのです。これからは伸ばします。少なくとも月夜見さまくらいには・・・」

「そうか。僕は男にしては髪が長いよね。僕はこの髪が気に入っているから、つい切りたくなくなってしまうんだ」


「私も、もっと自分のことを好きになりたいです」

「自分に自信が持てれば、きっと好きになることができるよ。記憶を取り戻してそうなると良いのだけど」

「はい。お願いします」


「では、良いかな。目をつむって」

「はい」


 しおりんは身長が高い方だ。百六十五センチメートルはあるだろう。僕はしおりんを抱き寄せて顎に手を添えて上を向かせキスをした。


 数秒そのままで居ると、しおりんが「うっ!」と反応し目を丸く見開いた。


「しおりん?」

「あ、あなたは誰?ここは?え!ここはどこ?」

「栞ではないのだね?」

「わ、私は・・・ああ・・・」


 そして、しおりんは気を失った。これは前世の記憶を取り戻したパターンだ。僕はしおりんをお姫さま抱っこすると、しおりんの部屋へ飛んだ。


『皆、聞こえるかい?』

『はい。聞こえます!』

『しおりんにキスしたら、前世の記憶を取り戻した様だ。彼女の部屋へ運んだよ』

『はい。では私たちも行きますね』

『うん。頼むね』


 皆で栞の部屋へ集まると、フクロウまで入って来た。皆で彼女が起きるのを待つと一時間後にしおりんは目を覚ました。


「しおりん。目が覚めたね。記憶は取り戻せたかな?」

「はい。私は日本人でした」

「やはり、そうなのか」


「日本での名前は?」

九条瑞希くじょうみずきです。二十五歳で死にました」

「二十五歳で?では1980年生まれかな?」

「はい!そうです!どうして分かるのですか?」

「僕は1977年生まれで二十五歳で死んだ。そして僕は今、十八歳だからね」

「あぁ!そういうことですか!三歳違いなのですね」


「そうだね。日本では仕事は何をしていたの?」

「東京で弁護士をしていました」

「二十五歳で?優秀だったのだね」


「でも若かったのです。正義感を振り回し過ぎたのだと思います。担当した裁判での相手が悪く、証人を見つけたところで相手が手を回した者に襲われて死にました」

「ひとりで担当していたのかい?」


「いいえ、私はまだ助手でした。それで証人の証言を取りに行ったのですが、ひとりで行くべくではありませんでした」

「そうか。それは残念なことだったね」

「私が真直ぐ過ぎるのだと思います」


「うーん、そうだね。そんな印象は栞の時でもでていたよね」

「しおりん。私たちも日本からの転生者なの。そして今は、日本での名前で暮らしているの。あなたもそうする?」

「皆さまがそうなのでしたら、私も瑞希みずきでお願い致します」


「分かったよ。ではこれからは、瑞希と呼ぼう。瑞希、僕らの神の能力と言われているものはね、日本では超能力と言われているものだ。魔法ではないんだよ。人間は脳のほんの一部しか使っていない。それを全て活性化して使える様になると、この様な能力もある。ということらしいのです」

「では、神と呼ばれているけれど人間なのですか?」


「そうなんだ。そしてその能力は、頭の中でイメージするだけで実行できるんだよ」

「どんなものがあるのでしょうか?」

「念動力、空中浮遊、瞬間移動、透視、読心術と念話、動物とも意思疎通ができる。それと治癒能力。これらは皆、共通でできるね。あとは個人でできるものとできないものがあるよ」


「では、空中浮遊をしてみようか。こうして自分の身体が浮き上がる様子をイメージしてみて」

「はい」

 するとすぅーっと浮き上がり、天井付近で止まって降りて来た。


「そう。そんな感じだ。では、その枕が浮かび上がる様子を思い浮かべてみて」

「はい」

 同じ様に枕が浮かび上がり、ゆっくりと降りて来た。


「今度は、僕の身体の中を透視してみて」

「はい。あ!見えます!こんなに鮮明に見えるのですね」

「では今度、簡単に医学知識を教えるよ。身体の中が見えれば、治癒の能力も高いレベルで使えるからね」

「それはやってみたいですね。人の命が救えるなんて!」


「うん。既にこれだけできるなら、これを毎日訓練して行けば、何でもできる様になるよ。ただし、瞬間移動だけは、他の能力が全て自信を持って使える様になるまではやらないでね」

「はい。分かりました。ありがとう御座います」


「瑞希、日本での人生の最後のこととか辛いことがあれば、ここに居る者は誰でも聞くし相談にも乗るからね。いつでも頼ってくれて良いんだ」

「ありがとうございます」


「あと、日本の家族に連絡を取りたいならばその方法もあるわ。いつでも教えるから気軽に聞いてね」

「あ!ここは地球ではないのですよね?」

「そうだよ。ここは神の星と書いて神星という惑星。そしてその星のサンクチュアリという大陸の東の外れにある島国、ここがアスチルベ王国だ」


「では、アルカディアはその大陸にはないのですね」

「そうだよ。アルカディアは僕ら、五百年生きる者のためにつくられた大地だ」

「サンクチュアリって保護区という意味ですか?」

「そう。地球に住む人間や動物の保護区だよ」


「え?それはどういう意味でしょうか?」

「この神星という星の世界は、地球の生物が滅んだ時のための保険なのだよ」

「地球の保険?!だ、誰が作ったのですか?」

「天照さまだ。地球の日本とこの世界を創った始祖の神さまだよ」

「そのお方はどちらに?」

「第三の月の都にいらっしゃるよ」


「な、何だか頭が混乱します・・・」

「今夜はこのくらいにしておくと良いよ。まずは前世の記憶の整理に努めた方が良いだろうね。この世界のことは追々、話すよ」

「はい。そうさせて頂きます。ありがとう御座いました」

「うん。今夜はゆっくり休んでね」


 僕たちは瑞希の部屋を出て部屋へ戻った。

「月夜見さま。キスだけで済んで良かったですね」

「琴葉、そう言えばそうだったね」

「残念ですか?」

「ふふっ、瑞希はちょっと可愛いものね。でも僕は誰でも良い訳ではないからね」

「それを聞いて安心しました」


 瑞希か。新たな転生者が現れたことで何かが起こるのだろうか?

お読みいただきまして、ありがとうございました!

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