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24.新しい侍女たち

 今日は神宮での診察を紗良にお願いしてアルカディアに飛んだ。


 屋敷のサロンに出現すると、鈴が廊下を通りかかった。

「鈴!」

「あ!月夜見さま!お久しぶりで御座います!」

「久しぶりだね。皆は?」

「すぐに呼んで参ります!」


 サロンで珈琲を淹れて待っていると出勤の十六人が集まり、お休みの三人が宿舎から走って来た。


「月夜見さま!お待たせしました!あ!ご自分で珈琲を?」

「あぁ、これくらい大丈夫だよ。それより皆、久しぶり!元気だったかな?」

「はい!」

「今日は如何されたのでしょうか?」


「うん。皆、知っている通り、妻たち全員に子が生まれたのだけど、その子たちが変わっているから大変なんだ」

「大変?どうされたのですか?」

「いや、能力が高くてね。もう皆、空を飛んだり、ものを引き寄せたり、やりたい放題で目が離せないんだよ」


「もしかして、私たちをまた呼んで頂けるのですか?」

「そう思っているのだけどね、でも皆もダンスの先生をしているうちに結婚相手が見つかっているかも知れないと思ってね。今日はその確認に来たんだよ」


「どうかな?結婚したい相手が見つかった人は居るかな?」

「あの・・・」

「静、どうしたの?結婚相手ができたのかい?」

 静は戸惑いながらつぶやく様に言った。

「それが、私たち全員・・・」


「え!全員、お相手ができたの?」

「はい。そうなのです」

「あ!そうか、アルカディアは男性の方が多くて結婚できない人も居るのだからね。皆から尊敬される仕事をしている君たちと結婚できると知ったら放ってはおけないよね」


「そうか。それでは侍女の仕事を辞めたい人も居るのかな?」

「皆、辞めたくないのです」

「では、結婚相手にこの村へ引っ越してもらわないといけない人は?」

「はい。それは六人居るのです」


「分かった。ではその相手の住んでいる地区と仕事を紙に書いてくれるかな」

「かしこまりました」

「このことは椿さんに相談したのかな?」

「いいえ、まだ誰にもお話ししていません」


「結婚して相手の家に入っても、ここへ通えるならばこのまま働けるよね。では、この地区でも相手の家に入れないとか、少し遠くて通えない人は居るかな?」

「はい。二人居ります」

「つまり、八人はこの辺に住む家がないといけないのだね」

「はい」

「分かった。では椿さんと相談しよう」


 早速、オウムの電話で椿さんを呼び出した。

「月夜見さま。お久しぶりで御座います」

「椿さん、突然、すみませんね。相談がありまして」

「はい。どんなことで御座いましょうか?」

「侍女たちの結婚についてなのです」


「え?もう結婚の話が?」

「えぇ、ダンスの先生で各地へ出向いていたので、見初められるだろうとは思っていたのです。見事全員に結婚したいお相手ができたそうですよ」

「え!全員?」


「そうです。椿さんに調べてもらって結婚適齢期の男女の人数は、男性の方が多いとの話でしたね。そうなれば、皆に尊敬される仕事をしている彼女たちに人気が集まるのは当然でしょう」

「そ、それで、皆、侍女を辞めてしまうのですか?」

 椿さんの顔が青ざめた。


「全員、辞めたくないそうです」

「そ、そうですか!」

 椿さんはホッとした表情で胸をなでおろした。


「それで、家族で住める家が八世帯分必要になるのです。それと六人のお相手の仕事も必要です。この紙に六人のお相手の今の仕事が書いてありますので、この地区で仕事を与えないといけません」


「八人分の家と六人の夫の仕事先ですね」

「どうにかなりそうですか?」

「仕事は大丈夫です。家は空き家を探して足りなければ、新たに建てなければなりませんが」

「そうですか、新しく家を建てる場合は私が費用を出しますよ」

「月夜見さまがそこまでされるのですか?」


「あ!神宮の裏に新しく家を建てた方が早いのではありませんか?」

「土地ならばありますし、神宮の裏ならば電気もすぐに引けますから早いですね」

「それならこの際ですから、十軒くらいまとめて建ててしまいましょう」

「月夜見さまがよろしければ、すぐに手配させて頂きます」


「どのくらいで建てられると思いますか?」

「十軒ならば半年くらいでしょうか」

「分かりました。では、半年後に十九人の侍女たちの結婚式を神宮でやりましょう」


「かしこまりました。結婚式は美月さまに相談致します」

「では、侍女たちには私から話しておきます」

「はい。月夜見さま。よろしくお願い致します」


 サロンで待たせていた侍女のところへ戻って説明する。

「皆、椿さんと相談して決まったことを伝えるよ。まず、神宮の裏に家族で住める家を十軒建てます。これは半年後には完成します。六人の他の地区のお相手には、この地区で今と同じ仕事ができる様に、椿さんが手配してくれます」


「そして半年後に神宮で、十九人全員の結婚式を行います。その結婚式の後は、皆がこの地区に住み、今と同じ侍女の仕事をして頂きます。ですから結婚はあと半年、待って頂けますか?」


「月夜見さま、そんな・・・何から何まで準備頂けるなんて・・・私たちのために、本当によろしいのですか?」

「君たちのためだからやっているのだよ。あ!結婚式のドレスが用意できない人は居るかな?」

「それは流石に居ないと思います。そうよね?」

「はい!大丈夫です!」


「そうか。それで結婚までの半年間なのだけど、また月の都に来てもらえないかな?」

「勿論、行きます!」

「はい!行きたいです!」

「そうか、では三日後から来てもらうから、それまでにご家族や結婚相手に今の話を伝えておいてくれるかな?」

「はい!かしこまりました」


「では、三日後の朝に迎えに来るからね。静、誰から来るか人選をお願いできるかな?」

「かしこまりました」

「それでは、今日はこれで戻るよ」

「月夜見さま!本当にありがとう御座いました!」

「ありがとう御座いました!」

 全員が声を揃え、深く頭を下げた。


「良いのですよ。それでは三日後に」

「シュンッ!」


「きゃーっ!」

「どうしましょう!皆、結婚できるのよ!」

「しかも私たちのために新しい家を建ててくださるのですって!」

「彼をこの地区に呼んでくださって、仕事も与えてくださるなんて!」

「どうしましょう!私、すぐに彼に報告しないと!」


「そうね。今日、お休みの人はすぐに実家か、彼のところへ行くと良いわ」

「えぇ、すぐに行かないと!」

「私は明日お休みだから、明日彼と実家へ行って来るわ!」

「皆、本当に良かったわ!」

「静もね。良かった!」


「でも月夜見さまって、どうしてあんなにお優しいのかしら?」

「本当に。私たちの様な者に何故、これほどのことをしてくださるのでしょう?」

「分からないわ。それが私たちの神さまなのよ」

「私たちは生涯、月夜見さまに精一杯、尽くして行くしかないわね」

「えぇ、その通りだわ」




 それから三日後。アルカディアに侍女を迎えに行った。


「シュンッ!」

 サロンへ出現すると、侍女全員と椿さんが揃っていた。


「皆、おはよう!」

「おはよう御座います!」

「月夜見さま。家の建築の手配は完了しました。結婚式の方も美月さまが引き受けてくださいました」

「六人のお相手の仕事先は?」

「はい。それも問題御座いません」


「もうひとつお願いがあるのです」

「はい。何なりと」

「侍女たちが結婚するということは、子ができたら産休を取るということです。一度に皆が妊娠してしまうと侍女が足りなくなってしまいます」


「それは今までになかったことですね」

「そうでしょう。ですから侍女を増やさねばなりません。この春に卒業する女性から八名新たに侍女に採用してください」

「かしこまりました」

「お願いしますね」


「では、行こうか」

「はい!」

 侍女十名を船に乗せて月の都へと飛んだ。

「シュンッ!」


「さぁ、着いたよ。皆、荷物を部屋に置いたらサロンに集まってくれるかな?」

「はい!」


 侍女がサロンに入ると、そこには色とりどりのベビー服を着た赤ん坊が宙を飛び回っていた。侍女たちは驚き、立ちすくんでその光景を目で追っていた。


「どうだい?驚くでしょう?」

「はい!赤ちゃんなのに飛べるのですね」

「とっても可愛いです!」

「この子たちは全員がこの様に飛べる様になったんだ。まだ三か月の緋月ひづき以外は皆、声に出して会話ができるから、トイレや授乳も教えてくれるよ」


「では、もうオムツをしていないのですか?」

「そうだね。夜に寝る時だけだね」

「凄い!まだ一歳になっていないのに!」

「まずは、名前と顔を覚えてくれるかな?慣れてくれば、話しができるから仲良くなれると思うよ」


「まぁ!月夜見さまにそっくりなお方が居ます!」

「唯一の男の子、長男の凛月りつきだよ。リッキーと呼んでいるんだ」

「でも、この子は男の子だから注意が必要ですからね」

「舞依さま、どの様なことに気を付ければ良いのでしょう?」


「そうですね。興味を持ったものを引き寄せて近くで見ようとするのです。カエルとか虫なども引き寄せるので、こちらに目がけて飛んで来るの。それは驚きますよ」

「男の子ですものね」

「あとは、女性に甘えようとしますね」

「あぁ、言っているそばから・・・」


 リッキーが蘭に近付いて行くと抱きついて蘭の腕の中に納まった。

「まぁ!可愛い!」

 蘭は嬉しそうにリッキーを抱っこしている。リッキーはご満悦なご様子だ。

「そう言えば、蘭って花音に少し似ているかもね」

「確かにそうですね。雰囲気とか表情も似ているわね。親子で女性の好みが一緒なのかしら?」

「うーん。それは何とも・・・」




 それから三か月の間、妻たちと侍女に子供たちの世話をお願いし、僕は各国へ船の引き渡しを進めた。それに合わせて女性の身体の仕組みの本の増刷分と冷蔵庫と冷凍庫の使用方法をまとめた本を各国に配布していった。


 配布と言っても、まず王城へ飛んで置き場所を確認し、そこへ船や本を送り出すだけだ。

船はファクトリーのアンドロイドに指定された倉庫から念動力で引っ張り出すのだ。


 ルドベキア王国の国王とウィリアムズ公爵には、事前に話をして冷蔵庫と冷凍庫、それに洗濯機を全国の民に無料配布する旨の了承を頂いた。


 まぁ、これで冷蔵庫と冷凍庫は売れなくなってしまうのだが、その代わりに船が増えることで農具や漁具の追加発注が増えることと、ドライヤーのサンプルを与えることで勘弁してもらった。エアーコンディショナーは当面配布しないつもりなので扇風機や換気扇も十分に売れることだろう。




 そして四月のある日、アルカディアの侍女の勤務交代のため、アルカディアの屋敷へ行くと椿さんと新しい侍女が待機していた。

「月夜見さま。お待ちしておりました」

「椿さん、追加の侍女たちですね?」


 新しい侍女八人は以前、静たちが着ていたお仕着せを着ていた。あぁ、そうだ。この娘たちのお仕着せを揃えないといけないな。


「月夜見さま、今後は休みの日や産休を考えますと、神さまおひとりずつの担当を決めない方が良いと思います」

「椿さん、そうですね。決めなくて良いですよ」

「かしこまりました。では、侍女たちをご紹介致します」


「こちらから、ひびきあおいかなではるかつむぎしずくかえでしおりで御座います」

「皆、よろしくね」

「はい!よろしくお願い致します!」


「静、早速だけど、この子たちにもお仕着せを揃えないといけないね。寸法を測って紙に書いてくれるかな?」

「月夜見さま、あの・・・下着もでしょうか?」

「勿論だよ。測り方は分かるかな?」

「はい。琴葉さまと陽菜さまに教えて頂きましたので」

「うん。では、頼むね。僕はサロンで珈琲を飲んで待っているよ」


「あ、あの・・・もう測っておいたのですが・・・」

「あぁ、そうなの。流石は静だね。ではお仕着せを調達してくるよ。待っていてね」

「はい!」


 僕は静から侍女たちの寸法を書いた紙を受取り、ネモフィラのプルナス服飾店へ飛んだ。

「シュンッ!」

「ビアンカ。久しぶりだね」

「月夜見さま。いらっしゃいませ!相変わらずお美しいままで!」


「ふふっ、ビアンカ。また新しい侍女を採用したんだ。八名分のお仕着せを用意してもらえるかな?」

「白いワンピースとサンダルもですね」

「そうだね」

「いつでも対応できる様に在庫を揃えておきましたので、すぐにご用意致します」

「ありがとう」


 お茶を飲んでいる間に箱に詰めてくれた。

「ビアンカ、とても助かりました。ありがとう」

 そう言ってビアンカを軽くハグした。

「お役に立てて光栄です。いつもありがとう御座います」

 ビアンカはお礼を言いながら真っ赤な顔になった。


「では、またお願いしますね。今日はこれで!」

「シュンッ!」


 次はカンパニュラ王国のアリアナのところだ。

「アリアナ。また侍女の下着を追加でお願いしたいのだけど」

「まぁ!月夜見さま。いつもありがとうございます」

「今回は八人分なんだ」

「それにしても大変な人数の侍女がいらっしゃるのですね」

「えぇ、ちょっと今、大変なもので・・・」

 サイズを書いたメモを渡して、下着を準備してもらうとアルカディアへ戻った。


「シュンッ!」

 屋敷のサロンに戻ると侍女たちがさっきのままで待っていた。

「ひぇっ!」

「あぁ、新しい娘たちは慣れていなかったね。ごめんね」


「さぁ、お仕着せとワンピースを買って来たよ」

 紙に書かれた名前とサイズを見ながら、ひとりずつ渡していく。


ひびき、これからよろしくね」

「月夜見さま、ありがとう御座います」

あおい、少しずつ慣れていってね」

「はい。ありがとう御座います」


かなで、分からないことがあったら聞くのだよ」

「はい。ありがとう御座います」

はるか、君は一番背が高いね。何センチあるの?」

「はい。百六十八センチメートルです。ありがとう御座います」


つむぎ、不安な時は静を頼るのだよ」

 紬はきっと内向的な性格だろう。少し怯えている様だ。

「は、はい。つ、月夜見さま。ありがとう御座います」


 おや、もう涙を流している娘が居るぞ。

しずく、君は泣き虫さんなのかな?」

「は、はい。申し訳御座いません」

「謝ることなどないのだよ。感受性が強いのだね。悪いことではないよ」

「はい。ありがとう御座います」


かえで、髪が長いのだね。きれいな髪だ」

「あ、ありがとう御座います!」


 あれ?前に会ったことがある娘だな。

しおり、君は神の子孫だよね?」

「はい。かなり昔にさかのぼる様ですが」

しおりは、前に治癒の能力を持つ者に屋敷に集まってもらった時、来ていたよね?」

「はい。覚えていらっしゃったのですか?」


「うん。だって私と同じ瞳と髪の色だもの。アルカディアでは目立つよね」

「はい。目立ち過ぎてしまうのです」

「あぁ、そうか。それは良いことだけではないね」

「はい。でももう慣れました」


 確かこの娘は治癒の力が一番強かったのだ。莉子殿は神々の実子じっしでありながらそれ程でもなかった。栞の方が断然強い。この違いは何だろう?


「栞、村で暮らすのが辛いから、侍女になろうと思ったのかい?」

「月夜見さまは何でもお見通しなのですね・・・」

「それならば、栞はここの侍女ではなく、アルカディアを出て月の都の住人になるかい?」

「え?そんなこと、許されるのですか?」


「ご両親が許せば、の話だけれどね」

「両親ならば喜ぶと思います。私、うとまれていますから」

「それは何故かな?」

「私の両親には治癒の能力がほとんど無いのです。瞳や髪の色も私とは違うのです。突然変異で生まれたと言われて気味悪がられてきたのです」


「でも、両親の親は神の血筋なのでしょう?」

「はい」

「そうか。それは隔世遺伝と言って、お爺さんやお婆さんから孫に遺伝したりすることもあるのですよ。気味悪がる様なことではないのですが、その様な知識がないとそう思われてしまうかも知れませんね」


「静、今回、月の都に行く侍女に新人は入れていないですよね?」

「はい。この屋敷で研修してからですので」

「では月の都に行く者は支度をして待っていてくれるかな?ちょっと、栞の家に行って来るからね」

「はい。お待ちしております」


「栞、今、ご両親はどこに居るかな?」

「二人とも配給所の管理をしていますので、そこに居ります」

「栞、まずは新しいお仕着せに着替えておいで。静、手伝ってあげて」

「はい。栞、こちらに」

「はい。静さま」


 しばらくして栞の着替えが終わり、二人が帰って来た。

「では栞、両親の居る配給所を頭に思い浮かべてくれるかな」

 そう言って僕は栞の肩に手を回した。

「ひゃぁっ!」

「驚くよね。大丈夫だから続けて」

「は、はい」


 栞の意識に入り込み、頭に浮かんだ配給所の映像を見て、そこへ栞と共に瞬間移動する。

「シュンッ!」


「うわぁっ!月夜見さまと栞が消えちゃった!」

「瞬間移動したのよ。もう栞の家に着いているわ」

「そうなのですか!」


「うわ!家に着いてしまいました!」

「ここで間違いない様だね。では、ご両親に会わせてくれるかな?」

「はい」


 配給所に近付いて行くと、中から人が出て来て僕らの姿を見るなり、慌てて配給所の中へ飛び込んで行った。しばらくすると責任者らしい男女二人がでて来た。

「月夜見さまで御座いますか!」

「えぇ、そうです」

「栞も!どうされたのですか?もしや栞は侍女に相応しくないと?」


「その逆ですよ。栞は神の力の強い子です。アルカディアに置いておくよりも私の居る世界に連れて行った方が良いでしょう」

「神の力が強い?」

「えぇ、あなた方の親かまたその親の力が、遺伝しているのでしょう。栞を私が預かっても構いませんか?」

「も、も、勿論で御座います!月夜見さまにお預かり戴けるなんて!」


「では、その様にさせて頂きます。栞、何か持って行くものはありますか?」

「いいえ、御座いません」

「では、ご両親にご挨拶を」

「はい。お父さま、お母さま、今までお世話になりました。ありがとう御座いました」


「栞、元気でな!」

「栞、幸せになるのよ」

「はい。お父さま、お母さま」

 栞の言う通り、栞と似ていないばかりか、普通の親子の情というものもあまり感じられない親子だな・・・なにか不自然な感じだ。


「シュンッ!」


「栞、荷物をまとめておいで」

「はい」

「静、椿さん。それでは栞は連れて行きます。侍女の追加採用はとりあえず、不要です」

「かしこまりました」


 そして栞が鞄を持って戻って来た。

「では皆、行こうか!」

「はい!」

「シュンッ!」


 こうして神の末裔の栞は、新しい人生を歩むこととなった。

お読みいただきまして、ありがとうございました!

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