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22.舞依との結婚式

 ガーデンウエディングの一週間後、舞依とのアスチルベ王城での結婚式の日となった。


 アスチルベ王より、前夜の晩餐に呼ばれたのだが、僕のお母さんはお母さんとして紹介できない。それどころか嫁として舞依との結婚式に出席させるので、晩餐で長時間顔を突き合わせて話をしたくないのだ。


 苦肉の策で、お父さんに水月の結婚式の時に来ているからと言い訳をしてもらって辞退した。


 その代わりに当日の朝は早めに王城へ入った。小型船で玄関に着けると、大勢の使用人たちが待ち構えていた。

「これは天照さま、月夜見さま、皆さま。ささっ、中へどうぞ!」


 皆にはサロンで待っていてもらい、僕と舞依は着付けをしてもらう。舞依のウエディングドレスはガーデンウエディングの時と同じドレスだ。着付けはサンドラに頼み王城まで来てもらっていた。


「月夜見さま、できました。これで如何でしょうか?」

「うん。良いね。サンドラありがとう。これから舞依の着付けだよね?」

「はい。既に明日香が始めていると思います」


「明日香?あぁ、凛太郎のお姉さんだね。明日香とアイリーンはどうだい?」

「えぇ、とても役に立っています」

「それは良かった。アイビーのこともお願いしますね」

「はい。彼女もとても良い娘ですね」


「それで、サンドラ。アイヴァンとはどうだい?」

「あ!そ、それは・・・あの、とても素敵な方です」

「そう、では気に入ったのだね」


「そんな、私が気に入るかどうかよりもアイヴァン先生が私なんか・・・」

「サンドラ。きっと大丈夫ですよ」

「そ、そうでしょうか・・・」


 うん。良い感じなんだな。三十歳同士のカップルなんて、この世界では珍しいからね。良い前例となってもらいたいな。


 着替えが済んでサロンに入ると、お父さん、僕、舞依、桜たちの順で並んで座った。お茶を頂いていると僕らと反対側に座っている女性の中に少し気になる女性が居た。何か暗いというか負のオーラをまとった感じなのだ。


 僕は皆に念話で話し掛けた。

『舞依、向こう側に座っている緑のドレスを着た赤い髪の女性は三女だったかな?』

『えぇ、三女のベルナデットです。その隣が夫のジスラン ロジエ伯爵です』

『ロジエ伯はかなり年上なのかな?』

『はい。姉の十五歳年上ですから三十八歳です』

『えー、五十歳近いのかと思ったよ』


『お姉さまがどうかされましたか?』

『いや、何か暗いというかね。思い詰めた雰囲気だから気になってね』

『そうですね。私も心を読んでいたのですが考えが支離滅裂な感じです』

『舞依、彼女に何かあったのかい?』


『元々お姉さまとお話ししたことがないので分からないのですが、お姉さまは結婚を急ぐ余り、お相手を伯爵家まで落として、更にかなり年上の方を選んで結婚したのです』

『自分でその結婚相手を選んだのですね?』

『そうなのです。でも後で後悔していたとウィリアムお兄さまから伺いました』

『そうか、それは悲しいことだね』


 アスチルベ王国は島国で他の国と交流が少ない。国としても小さく王女の結婚相手として満足のいく相手を探すことは至難の業なのだろう。


「皆さま!式の準備が整って御座います!」


『では、皆、彼女の動向を気に掛けていてくれるかな?』

『かしこまりました』


 僕たちは大広間へ移動して壇上へと上がった。壇上には王と五人の王妃たち、二人の王子とその妻、お父さんと僕と舞依が並び立った。


 壇のすぐ下には、右側に舞依のお姉さまたちとその夫が、左側には僕の妻たちが並んだ。

少し空間を取って、アスチルベ王国の貴族たちが上位から順に並んでいる。


 宰相さいしょうの挨拶の後、国王の結婚の宣言へと続いた。


「皆の者、今日はよく参列してくれた。天照家のお世継ぎである月夜見さまと私の娘、ソフィアが婚姻を結んだことをここに宣言するものである!」

「うわぁーっ!月夜見さまーっ!」

「ソフィアさまーっ!おめでとう御座います!」

「何てお美しいのでしょう!」

 参列者の叫び声やざわめきがしばらく収まらなかった。


 その後、落ち着いたところで僕と舞依が壇上に用意された椅子に座り、参列した貴族たちの祝辞を受けることとなった。


 初めはウィリアム殿と結月姉さまから始まり、舞依のお姉さま達の順番となった。僕はずっと読心術モードで祝辞を受けていく。


 長女のヴァネッサは相変わらず貼り付けた様な笑顔でありきたりな祝辞を述べた。九人の姉の中で唯一、心のこもった祝辞をくれたのは舞依の実の姉のエミリアだけだった。


 心配していた三女のベルナデットは、心を読もうと思っても読めなかった。と言うよりは心が闇に閉ざされている様だった。少し心配だ。


 姉たちの挨拶が終わると、高位貴族から順番に祝辞を受けていった。申し訳ないが自分はつくづく貴族社会に向いていないと実感してしまう。頂いた祝辞がほとんど頭に残っていないのだ。


 この退屈な時間の間は舞依や桜たちと念話で時間潰しをしていた。

『月夜見さま、私の結婚式ではこの挨拶の時間は無しにして頂きましょう』

『幸ちゃん、それは嬉しいけれど、失礼にはならないのかな?』

『月夜見さまは神なのですから。こんな時くらい神の特権を使ってしまいましょう!』

『幸ちゃん!愛してる!』

『嬉しいです!』


『あーっ!貴族の挨拶が嫌なら初めに言ってくれたら良かったのに!』

『いや、舞依。これは避けて通れないものだと思っていたんだよ!』

『まぁそうね。それは仕方がないわ』


『月夜見さま、もう少しの辛抱ですよ』

『うん。桜。頑張るよ』


 そしてようやく祝辞が終わった。会場の周りでは食事が振る舞われ、ダンスの音楽の演奏が始まった。フロアの中央は主役のために空けてある様だ。


「舞依、では踊ろうか?」

「えぇ、踊りましょう」

 僕らはフロアの中央へ進みでるとダンスを始めた。

結婚式も初めは重苦しい空気があったのだが、ダンスの時間となりやっと気が晴れて来た。


「舞依、ダンスは楽しいね」

「えぇ、貴族の風習は合わないけれどダンスは楽しいわね」

「お城でウエディングドレスを着てダンスを踊るなんて日本ではあり得ないことだよね」

「この世界にも良いところはあったわね」


「舞依もこの世界でやっと、幸せになれたかな?」

「えぇ、とっても幸せよ!こんなにも美しく、そして心から愛する人とダンスを踊っているのですもの。見て!回転するとふたりの髪が流れるの!なんて綺麗なのでしょう」


 その時だった、左に回転する舞依の顔の左側に、突然ベルナデットの生気のない顔がチラッと見えた。そのまま回転し、舞依の右側にその顔が近付いた瞬間、僕はゾッとし、同時にベルナデットが舞依に短剣を突きつける映像がスローモーションの様に脳裏に流れた。


 間に合うのか?そう考える間もなく、僕は舞依を抱きしめ三メートル後方へ瞬間移動した。

「シュンッ!」


 すると僕たちと入れ替わる様に、桜が瞬間移動で出現する。

「シュンッ!」


 と同時に右手に真剣を出現させるとベルナデットの短剣を狙い、一閃いっせんの光を放ちぎ払った。

「シュバッ!」


 桜の真剣は狙った短剣からほんの少しズレてしまい、ベルナデットの手首を切断した。


 短剣を握ったままの手首が宙を舞った。桜は振るった剣と共に流れる様に一回転した。美しいストロベリーブロンドの髪が遠心力に乗り宙になびいた。


「ぼとっ!」

「・・・」

 手首がフロアに落ちた音から三秒間の静寂せいじゃくがあった。


「キャーーっ!」

「ぎゃぁーーっ!」

 貴族たちの恐怖の悲鳴とベルナデットの痛む叫び声が重なった。


 ベルナデットはその場で膝を付き、ボトボトと血が流れ出る右手首を左手で押えうずくまった。


 参列者たちは悲鳴を上げながらダンスフロアから後退あとずさると、遠巻きにベルナデットを囲み、異様なものを見る目で見つめた。


 桜は僕たちのところへ駆け寄って来た。花音、琴葉、幸ちゃんも瞬間移動で集まって来た。

「シュンッ!シュンッ!シュンッ!」


「月夜見さま、舞依、無事ですか?」

「桜、僕たちは無傷だよ。ありがとう!」

「桜、本当にありがとう!」

 僕は舞依を抱きしめたまま桜に声を掛けた。


「申し訳ございません!彼女が列席者の中に紛れていて気がつくのが一瞬遅れました。時間が無くて短剣だけをぎ払うことができませんでした」

「それは仕方がないよ。それより彼女の腕をくっ付けないと」


「ベルナデット!な、何てことをしてくれたんだ!」

 夫のロジエ伯爵が青い顔をして怒鳴り付けている。


「ベルナデット!あなた、何故・・・」

 ベルナデットの母、サンドリーヌ殿はその場で泣き崩れた。


「皆の者!今日はこれにて閉式とする!」

 宰相が突然閉式を告げた。だが参列者は皆、恐怖と興奮が冷めず、歩みは一向に進まない。参列者たちはもたもたと出口に向かって歩いて行った。


「結月姉さま、神宮から添え木になるものと包帯を!」

「はい!お兄さま。すぐに!」

 結月姉さまは、僕が贈った美しいドレスをひるがえして神宮へ走って行った。


 僕は念動力で近くにあったテーブルと椅子二脚を引き寄せると、ベルナデットを椅子に座らせ、テーブルクロスを短冊状に引きちぎり、ベルナデットの右腕を縛って止血した。


 そしてベルナデットの手首を念動力で引き寄せると握ったままの短剣を引き剥がして桜に預け、手首をテーブルに置いた。


「今から治療をするから動かないでいてくれるかな」

「・・・」


 ベルナデットはうつむいたまま僕の言葉に反応することはなかった。それには構わず自分も隣に座り、腕の再接着手術を始める。


 まず、右腕の切断面を確認し、切り口の血を念動力で飛ばした。流石、剣聖の腕前だ。真っ直ぐにきれいに切断されている。これならば接着し易いだろう・・・


 前腕の切断面を透視しながら切り口を合わせて手首を付けた。まずは血管を繋ぐ。神経は太いものだけを結合する。けんは普通編み込む様に縫って繋げるものだが、細胞単位で結合していく様に治癒の力を掛けていく。


 皮膚からの出血を止め、炎症を起こさない様に殺菌も施した。ただ、骨はすぐには付かない。最後に添え木をして包帯で巻き、一時間程で手術は完了した。


「よし、これで手術は終わりです」


 立ち上がって周囲を見渡すと、招待客は誰も居なくなっており、双方の家族と王城の限られた使用人だけが僕らの周りを取り囲む様に立っていた。


 王がベルナデットに近付き声を掛ける。

「ベルナデット、結婚式を台無しにしたばかりか神に手を掛けようとするとは・・・一体何故なのだ?」

「・・・」

 ベルナデットは放心状態なのかも知れない。しばらく静寂が続いた。


 数分後にベルナデットは重い口を開いた。

「わ、私は・・・ソフィアが・・・ソフィアの美しい髪がうらやましかった・・・」

「お、お前はそんなねたみからソフィアを殺そうとしたのか!」

「お父さまが・・・早く結婚しろと・・・急かすのですもの・・・ヴァネッサお姉さまは公爵家に嫁いだのに・・・フランシーヌや私には・・・爵位の低い男性しか居なかった」


「何!私の爵位が低いだと!私はお前に何不自由ない生活をさせているし、欲しいものは何でも買い与えているではないか!」

 ロジエ伯爵は真っ赤な顔をしていきどおった。無理もないな。


「宝石やドレスなんて・・・そんなもので満たされることはなかったわ。ソフィアは美しい髪、美しい顔、完璧な身体。全てを持っていた。そして美しい神と結婚し、更に神の能力も授かるなんて。同じ姉妹なのに・・・ソフィアだけ何故?・・・こんなのおかしいわ!」


 その時、お父さんがアスチルベ王に近付いて言った。

「アスチルベ殿、汲むべき事情もあるのだろう。しかし、この罪は大きいと思うが?」

「天照さま、た、大変な重罪です。ベルナデットの死刑は・・・免れないでしょう」

「し、死刑!そんな・・・ベルナデット!どうして・・・」

 ベルナデットの母は混乱し、おろおろするばかりだった。


「ちょっと待ってください。アスチルベ殿。今私がやっとベルナデットの命を救い、手首を繋げたのです。そう簡単に死刑と決めないで頂きたい」


「先程、ベルナデット殿が吐露とろした、結婚までの事情にさかのぼり、原因を解明しなければ、他の姉たちもまた、同じ様に恨みを持つこととなるのではありませんか?」

「月夜見さまには、原因の糸口が見えていらっしゃるのでしょうか?」


「失礼な物言いになりますが、アスチルベ王国は裕福な国でも大国でもありません。人口も少ない島国です。王女であっても他国へ嫁に出すことは簡単ではなかったのではありませんか?」

「そ、それは・・・確かにその通りで御座います」


「それならば、爵位の低い者と結婚ができない王族の娘が十人も居たならば、この男性の少ない世界で結婚が難しくなることは容易に想像がつくと思われるのですが?」


「王として、父親として、娘の結婚事情はお考えになっておられたのでしょうか?」

「・・・」

 アスチルベ殿はぐうの音もでなくなってしまっている。


「父上、月夜見さまのお言葉の通りです。お姉さま方が結婚相手を探すのに苦慮されていることはこの目で見て参りました。五人も王妃をめとり、十二人も子を儲けるなんて、王として考えなしにも程があります!」


「私やフェリックスが、妻をひとりだけで良いと思う様になったのもそのせいなのですよ」


 王に対するウィリアム殿の言葉は暴言に近く、こちらとしても冷や冷やしたが、王妃たちは同意できる点もあるのか言い返す者は居らず、一様にうつむいているだけだった。


「ベルナデットお姉さまが、この様に心を壊されたのも望まぬ結婚を強いられたからです。他のお姉さまも同じ様な思いをされているのです。これは父上の責任ですよ」

 この際、言ってやる。といった感じか。心に溜まったものがあったのだろうな。


 長い沈黙が続いた。やるせない空気がその場を支配していたが、それから少し間を置き、やっと王が重い口を開いた。


「そうか・・・分かった。全ては私が悪かったのだな。もとより、娘の問題は親の責任であるな・・・」

「父上・・・」


「うん。此度こたびのこと、全て私の罪とし私は王位を外れる。ウィリアムに王位を継承し、私は離宮に退しりぞこう。ベルナデットも私が引き取る」


「王妃たちよ。今まですまなかった。離宮に移ることは無理強いしない。実家に帰るのも、子の元へ行くことも認めよう」

 アスチルベ殿は力なく語った。既に王の威厳は無くなっていた。


「ウィリアム殿、それで良いのですかな?」

「はい。王位の継承はお受けします。ですが父上、離宮に入られた後は、お金は自由にならないことは覚悟をお願い致します」

「それは・・・そうであろうな」


「では、月夜見。我々はこれで失礼しようか」

「はい。お父さま。結月姉さま、ベルナデットの治療は大丈夫ですか?」

「えぇ、朝晩に患部に治癒を掛けて、基本は安静ですね。一か月程度でしょうか?」

「えぇ、それで結構です。私も診に来ますので」

「はい。お兄さま。お願い致します」




 そして僕たちは船に乗り、屋敷へと瞬間移動で帰った。サロンに集まると、ただならぬ気配にニナ、シエナやシルヴィーは言葉を発することなく、あたふたとお茶を淹れ始めた。


 僕は舞依の隣に座って肩を抱いた。その反対側には桜が座り、花音、琴葉、幸ちゃんも並んだ。

「舞依、大丈夫かい?」

「えぇ、大分、落ち着いたわ。もう大丈夫よ」

「桜もありがとう」

「いいえ、もっときちんと対応できていれば良かったのですが・・・」

「桜はよくやってくれたよ。自分を責めてはいけないよ」


「でも何故、あんなことになってしまったのでしょう」

 花音が悲痛な顔でつぶやいた。

「うん。ベルナデットは、幼い頃から舞依の美しい髪をうらやみ、ねたんでいた。そして自分をなぐさめるために舞依をいじめて傷付けて来たんだ」


「ところが舞依が成長してみたら想像以上に美しくなり、更に僕と結婚したことで、その妬みは膨れ上がり、恨みに変わっていったのでしょう」


「不遇な状況下でその様な気持ちになってしまうことに同情はできます。だからと言って人を傷付けて良いことにはなりません」

 桜は自分に重ねているのだろう。辛い日々を思い出し、沈痛な面持ちとなってしまっている。


「そうだね。でもベルナデットはもう十分に罰を受けたと思うよ。手も完全に元通りとはならないと思う。その手を見る度に後悔し、反省することになるんだ」


「でも、手はくっ付いていましたよね。動かないのですか?」

「花音。僕は凄腕の外科医ではないんだ。あの様な再接着手術はしたことがないからけんが上手く繋がったのか分からない。だから元通りには動かないかも知れないし、神経は全て繋げていない。だから指先の感覚も一部では無くなってしまうと思うよ」


「舞依のお母さまはどうされるのでしょうか?」

「琴葉、それはどういうこと?」

「王が離宮に入ることを無理強いしないとおっしゃっていましたよね」


「それでしたら、第一王妃から第三王妃は一緒に離宮に入られると思います。ですが、フェリックスお兄さまのシモンヌお母さまと私のお母さまは離宮には入りたくないのだろうと思うのです」


「では、シモンヌさまはフェリックスさまの居る神宮へ入られるのですね」

「舞依のお母さまはここに住めば良いよ」

「月夜見さま、よろしいのですか?」

「勿論だよ。舞依のお母さまなのだからね。僕の妻の部屋も十部屋作ってあるでしょう?でも八部屋しか使わないことになりそうだから、一部屋使って頂いたら良いのですよ」


「ありがとうございます。母も喜ぶと思います」

「では、落ち着いた頃にお話ししに行きましょう」


「月夜見。それにしても散々な結婚式になってしまったな」

「お父さま。一週間前にここで使用人や村人も呼んで、ガーデンウエディングをしていたのでそちらで既に結婚した様なものなのです。今回はお付き合いで式を挙げた様なものですから気にしません」

「そうか、それならば良いのだがな。それでは私はそろそろ帰ろうかな」

「えぇ、今、お送りします」


「お義父さま。本日はありがとうございました。私の家族の問題で不快なものをお見せすることとなってしまい申し訳御座いませんでした」

「舞依殿、私のことは良いのですよ。月夜見をよろしく頼みますよ」

「はい。ありがとうございます」


 そして僕はお父さんを月宮殿へと送った。あぁ、とんでもない結婚式だったな。

お読みいただきまして、ありがとうございました!

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