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4.記憶の覚醒

 フェリックスとソフィアを連れて月の都へ行くことになった。


 宿で朝食を済ませてから船で城の玄関に飛んで二人を乗せた。

「フェリックス殿、ソフィア。では行きますよ」

「はい」

「シュンッ!」


「さぁ、月の都の上に出ましたよ。これが月の都です。周囲を少し遊覧飛行してみましょうか。あの山のふもと暁月ぎょうげつお爺さまの屋敷が見えますね。そしてこちらが月宮殿です。庭園と畑もあります」

「大きいのですね。こんなに大きな大地が空に浮かんでいるなんて素晴らしいですね」

「あぁ、そうだ。新しい月の都も見ておきましょう」


 カンパニュラ王国の神宮の面前の海に浮かべて屋敷を建築中の月の都の上空へと降りて来た。


「こちらが新しい月の都です。屋敷を建築中ですが、まだ基礎の部分の工事に取り掛かったところですね。基礎工事の位置を見ればどこに屋敷が建つのかは分るでしょう。ソフィア。二年後にはここで暮らすのですよ」

「え?あ!は、はい・・・そ、そうなのですね・・・」


「さぁ、一通り見ましたね。月宮殿へ参りましょうか」

「シュンッ!」

「さぁ、月宮殿の前に着きましたよ」

 庭園前の野原に着陸させ、歩いて月宮殿に入る。


「お兄さま!お帰りなさい!あ!」

 何だろう?水月すいげつ姉さまのあんなに驚いた顔は初めて見たな・・・


「あ!・・・あ・・・そ、そちらのお方は?」

「あぁ、水月お姉さま、こちらはアスチルベ王国の第二王子、フェリックス アスチルベさまです」

「は、初めまして。水月と申します。もうすぐ十五歳です」

「あ!わ、私はフェリックス アスチルベと申します。私もすぐに十五歳になります」

 え?何故、いきなり自分の歳を宣言し合うのだろうか?


「まぁ!同い年なのですね!」

「えぇ、その様です」


「あ!お兄さま。また新しい女性を!」

「えぇ、お姉さま。皆をサロンに集めて頂けますか?」

「はい。お兄さま。すぐに!」


 サロンに入り、巫女が出してくれたお茶を飲んでいると家族が集まって来た。

「月夜見。今日はどうしたのかな?そちらの方たちは?」

「お父さま。私の新しい婚約者をご紹介しに参りました。この方はアスチルベ王国の第十王女でソフィア アスチルベさま。そしてソフィアのお兄さまでアスチルベ王国の第二王子、フェリックス アスチルベさまです」


「初めてお目に掛かります。アスチルベ王国第二王子、フェリックス アスチルベと申します」

「は、初めてお目に掛かります。ア、アスチルベ王国・・・だ、第十王女・・・ソ、ソフィア アスチルベと・・・申します」


「おぉ、そうか。私は天照 玄兎げんとと申します」

 それから、お母さま達を紹介していった。


「フェリックス殿、第一王子のウィリアム殿は結月ゆづきと結婚されたのでしたな」

「はい。兄夫妻には先日、二人目の子、レーアも生まれました」

「そうですか。もうお聞き及びかと思いますが、月夜見もアスチルベに住むことになります。王女を嫁に迎えるとなれば、益々、結び付きが強くなりますな」

「はい。大変に喜ばしく、ありがたいことと存じます」


「さて、それで何故、フェリックス殿もここへ参ったのかな?」

「お父さま。フェリックス殿は既にアスチルベ王国で一番の剣客けんきゃくとなっているそうなのですが、更に高みを目指したいとのことで桜に弟子入りしたのです。それで、当面は私たちと行動を共にするのですよ」


「ほう、そういうことか。それでフェリックス殿は将来どうされるのかな?第二王子ならば世継ぎとはならないのでしょう?」

「はい。それはまだ決まっておりません。ただ貴族の婿養子にはなりたくないのですが」

「ふむ。それは何故かな?」


「神の前で嘘は申せません。正直にお話し致しますと、王家との繋がりとして利用されるのが嫌ですし、貴族の風習や沢山の家族にも辟易へきえきしているのです」

「おや。それでは結婚はしないと?」


「それは・・・」

 その時、フェリックス殿はチラッと水月姉さまを見たのを見逃さなかった。ちょっと心の内を覗かせてもらおうかな。


『月夜見さまが再建される神宮に水月さまが派遣されないだろうか?そうすれば・・・』

 ふむ。これは上手いこと行きそうだな。


「ところで、お父さま。アスチルベに再建する神宮の宮司はどういたしましょうか?」

「あぁ、それなのだが娘はもう水月しか居らんからな。神宮の再建は二年後だが、水月の成人はもうすぐだ。待つことになるが、それで良ければ水月を派遣することになるだろう」


「水月、それでも良いか?」

「私はお兄さまの神宮へ行けるならば嬉しいです。時期はいつでも構いません」

「そういうことだ。月夜見もそれで良いか?」


「勿論です。それでは今後、水月姉さまも私たちと同行頂いても構いませんか?」

「あぁ、水月はもう研修は終了しているからな。結月のところに預けても良いし、月夜見と同行するのも良いだろう」


「ありがとうございます。お父さま、今夜はここに泊らせて頂きますね」

「うむ、では賑やかな晩餐になりそうだな」


 まだ、午前中の早い時間だ。夕食までどうしようということになった。

「水月姉さま、これから行動を共にするのですから、フェリックス殿とお近付きになった方が良いでしょう。庭園をご案内しながらお話しでもされては如何ですか?」

「え?あ、そ、そうですね。フェリックスさま、参りましょう」

「あ、はい。水月さま。よろしくお願いいたします」

 二人は庭園に出て行った。


「ふふっ。あの二人、初々しいですね」

「そうね、琴葉。既に相思相愛なのに・・・」

「え?そ、相思相愛?」

「あ!花音!ソフィアさま、こちらの話なのです・・・」

 読心術で既に二人の胸の内を知っていた花音がソフィアの前でつい余計なことをつぶやいてしまった。桜が慌てて誤魔化している。


 僕ら五人は念話で会話した。

『ソフィアにいつ前世の記憶を取り戻させるのが良いと思う?』

『月夜見さま、早い方が良いと思います』

『そうです。彼女の今世でのトラウマを早く払拭ふっしょくしてあげるべきです』


『えぇ、先日お話しした通りです。記憶を取り戻し、月夜見さまと再会できたならば、彼女のPTSDも治ってしまうのではないでしょうか?』


『私もそう思います。前世の苦しみは月夜見さまに再会することで、今世の苦しみは本来の舞依さまの記憶を取り戻すことで払拭できるはずです』


『今日は時間があるのですから、今すぐに実行されるのが良いと思います』

『今すぐ?そ、そうか。そうだよね。皆、ありがとう。ではどうしようかな・・・そうだ。山の頂上に行って来るよ。そしてソフィアが前世の記憶に入れ替わったら僕の寝室へ連れて行くよ』

『是非、そうなさってください』


「ソフィア。この月の都に良いところがあるんだ。今から二人で行ってみようか?」

「よ、良いところ・・・ですか?は、はい。い、行って・・・みたいです」

「では瞬間移動するから抱きしめるよ」

「え?そ、そんな・・・あ!」

「シュンッ!」


「あ!ここは!」

「どうですか?山の頂上ですよ。ほら、あそこに小さく皆が見えるでしょう?」

「と、とても・・・う、美しい・・・だ、大地・・・なのですね・・・」

「そして下界もあの様に海や大陸が見えるのです」

「ま、正に・・・か、神の住まう・・・つ、月の都・・・なのですね・・・」

 僕はソフィアをえて抱きしめたままで話した。


「あ、あの・・・つ、月夜見さま・・・」

 ソフィアは真っ赤な顔をして僕に抱かれたままでいる。


「月もあの様に大きく見えるのですよ」

「ほ、本当に・・・あ、あんなに・・・お、大きく・・・み、見えるのですね・・・」

「如何ですか、ここで景色を眺めていると下界での嫌なことも全て忘れられませんか?」


「は、はい・・・こ、心が・・・澄んでいく・・・様です・・・」

「ソフィア。僕は君を苦しみから救ってあげたいのです」


「つ、月夜見さま・・・わ、わたくしの・・・私の苦しみを・・・ご、ご存知なのですか?」

 ソフィアは顎を上げ、下からのぞき込む様に僕の顔を見上げた。


「えぇ、私はあなたの全てを愛しているのですからね・・・」

「え?わ、私のすべて・・・」

 そして、ソフィアを優しく抱きしめたまま、顎に右手を添えると唇を重ねた。


「うっ!う、う、う・・・」

「ソフィア。どうしましたか?」

「あ、あなたは?ここはどこ?あ!な、何?あの月!」

「舞依!君は舞依なのか?」

「え?えぇ、私は舞依・・・ですが・・・う!あ、あぁ・・・」


 そして舞依は僕の腕の中で意識を失った。舞依をそのまま念動力で持ち上げ、お姫さま抱っこをして自分の寝室へ飛んだ。

「シュンッ!」


 舞依をベッドに寝かせると皆に念話で報告した。

『皆、ソフィアにキスをしたら一瞬舞依に入れ替わって意識を失ったよ。今、僕の寝室に寝かせているよ』

『おめでとうございます!』

『おめでとうございます!月夜見さま。ではフェリックス殿には、二人は大事な話があって席を外していると言っておきます』


『フェリックス殿には私が軽く稽古をつけておきますね』

『うん。桜、皆、ありがとう!舞依が目覚めて落ち着いたらまた連絡するよ』

『はい。お待ちしております』


 僕はベッドの横に椅子を持って来て座ると、ソフィアの髪に触れ頬を撫で、そして手を握り、そのまま舞依として目覚める時を待った。


 こうしてベッドに横たわっているソフィアのかたわらに座り手を握っていると、前世の光景がよみがえり、ソフィアの顔に舞依の顔が重なって見える。涙がとめどなく流れ落ちた。


 でも、涙は流れるがつらくはない。次に舞依として目を覚ました時には健康な身体で生まれ変わるのだ。だから辛くない。辛くないというのに涙が次から次へと流れ落ちて行く。


 長かった・・・この世界に生まれ変わってからもう少しで十三年が経つのだ。

十三年ぶりに再会できるのだ。嬉しい。嬉し過ぎて始めに何を話したら良いのか思い浮かばない。


 そうして一時間の間、舞依の手を握ったまま涙をこぼし続けていた。


 もう時間のことなど分からなくなっていたその時、舞依はゆっくりと目を開いた。

「あ!月夜見さま・・・何故、泣いていらっしゃるのですか・・・」

「君は・・・舞依なの?」

「え?・・・私のことをご存知なのですか?」

「ソフィアとしてこの世界に転生する前、前世で君は地球で暮らしていた、橘 舞依だった」

「な、何故、それを・・・」


「舞依。僕もこの世界に転生したんだ。前世では碧井 正道だったんだよ」

 舞依は大きくて可愛いルビーの様な瞳を見開き、がばっと身体を起こした。

「え?まぁくん?まぁくんなの?」

 僕は舞依を思いっ切り抱きしめた。


「あぁ、そうだよ。舞依。探したよ。やっと見つけた。舞依!」

「あぁ!まぁくん!まぁくんなのね!なんてことなの!まぁくんが月夜見さまだなんて!」


 舞依は僕を強く抱きしめてくれた。でも次の瞬間、僕を突き飛ばす様にして身体を離し、目の前に顔を寄せた。その表情は真剣だった。


「え?ちょっと待って!え?何故?何故まぁくんは転生しているの?それでは、まぁくんは前世で死んだってことなの?」

「あ、あぁ・・・実は・・・その・・・舞依が死んだその夜・・・僕は・・・自殺・・・したんだ」

「な、なんてことを!・・・どうして?」

 舞依の瞳から涙がボロボロとこぼれ落ちていく。


「僕には君が全てだったんだよ・・・もう他には何も無かったんだ・・・」

「そんな・・・あなたは私のために沢山のことをしてくれた。獣医になる夢を捨てて医師になり、昼夜を問わず、休みもなく、私の病気を研究してくれた・・・」


「でも私はあなたの人生を奪っている。そう思って私は苦しくて・・・苦しくて・・・早く死にたいと・・・思う様になっていたわ・・・そうなれば、その後に・・・あなたに幸せになってもらえると思っていたから・・・」


「それなのに・・・あなたは・・・私の後を追って来たなんて・・・」

「僕には舞依との人生しか考えられなかったんだ・・・」

「私が・・・あなたを追い込んでしまったのね・・・」

「追い込む?そんなことは考えていないよ。僕は君を救うことしか考えていなかった」

 僕は舞依の頬に手を当て、懇願する様に訴えた。


「舞依。前世のことはもう終わったことなんだ・・・」

「あ!え、えぇ、そう。そうだわ。私、混乱してしまって・・・ごめんなさい。まぁくんを責めるなんて・・・」

 そしてもう一度、無言のまま舞依を深く抱きしめた。


「あぁ、まぁくん。これは夢ではないの?また逢えるなんて・・・」

「うん。夢ではないんだよ。僕は天照家の世継ぎとして生まれ、舞依はアスチルベ王国の王女に生まれた。僕らが死んだ十二月八日に生まれ変わったんだ」


「えぇ、でもこの世界は何なの?色々とおかしいと思うの」

「そうだね。僕も調べているのだけど、まだまだ分からないことが多いんだ」

「神のあなたが調べても分からないの?」

「うん。でもやっと舞依が見つかったからね。これからは本腰を入れてこの世界の謎の調査ができるよ」


「あぁそうだ!私を探していた?まぁくんは何時いつ、前世の記憶を取り戻したの?」

「僕は生まれた瞬間から前世の記憶があったんだ」

「え?そうなの?あ!では初めから医師の知識があったのね!だから五歳で女性や性の知識の本が作れたのね?」

「そういうこと」


「でも、どうして私も転生しているって分かったの?」

「初めは分からなかったよ。はっきり分かったのは三年前なんだ」

「ではそれまでは、私も転生しているとは思わなかったのね」


「いや、舞依も一緒に転生していて欲しいとは思ったんだ。でも僕は自殺したからね。それでその罰みたいなもので前世の記憶があるまま、苦しみながら生き続けろ、ってことなんだと思っていたんだ」


「舞依は病気で亡くなったけれど、人生はまっとうしたからね。こんな形でこの変な世界に生まれ変わっているはずがないと考えていたんだよ」

「あぁ・・・まぁくんの考えそうなことね・・・」


「でも、小さい時に夜中に舞依が僕を呼んでいる幻聴が聞こえたり、舞依の写真や物を見ると頭にソフィアの姿が映る様になってね。それで、もしかしたらと思ったんだ」

「え?私の写真?物?どういうこと?」

「あ!しまった!」

「しまった?あー!まぁくん、何か隠し事があるのね?」

 舞依はすっかり幼馴染の彼女に戻ったかの様な物言いで僕に迫って来た。


「うーん。隠しても仕方がないか。これなんだ」

「シュンッ!」

「シャラッ」

 僕はネックレスを舞依の首に下げた。


「まぁ!これは!私の誕生日にまぁくんからもらったネックレスじゃない!どういうことなの?」

「うん。この神の身体には色々な能力があってね。物を持ち上げたり、飛ばしたり、遠いところから引き寄せたり、送ったりもできるんだ。それで舞依のことを考えていて誕生日にネックレスを贈ったなって思い出したら、舞依の家から引き寄せてしまったんだ」


「そんなことができるの!凄いじゃない!え?でも世界が違うのにどういうこと?」

「うん。僕にもよく分からないのだけど、パラレルワールドってやつらしくてね、地球とは次元が違うだけで同じか凄く近い場所にある様なんだよ。だから強く念じれば物のやりとりができるんだ」

「物のやりとり?」


「ほら、これ」

「え?そ、それって、珈琲メーカー?あ!パソコンにプリンター、デジカメも?」

「うん。他にもシャンプーや化粧品に生理用品も使っているよ」

「嘘でしょう?あ!ではブラジャーをあなたが作ったっていうのも?」

「あぁ、それもあったね。これだよ」

「シュンッ!」


「あ!それ、私のブラジャー!」

「うん。勝負下着って奴?」

「キャー!こんなところでなんてことを言うの!」

 舞依は僕の手からブラジャーを奪い取ると胸に抱きしめた。


「ごめん、ごめん!」

「あぁ、懐かしいわ。でもこのお子さまな身体には合わないわね」

 舞依は微笑みを浮かべながら目の前にブラジャーを掲げた。


「それなんだけど、きっとあと数か月で桜たちと同じ様なスタイルに成長すると思うよ」

「え?どういうこと?数か月で?」

「うん。僕の婚約者の桜、花音、幸子、琴葉は皆、転生者で元日本人なんだ。しかも桜と花音は前世で同い年だった。死んだ年は違うけれどね。それで僕らは前世の名前で呼び合っているんだよ」


「それでね。転生者は皆、前世の記憶を取り戻すと神の能力が発現するんだ。そうなるとまず、身体が十代後半の成熟した最も健康な状態になって行くんだ」

「それって、どういうこと?」

「桜と琴葉は二十八歳なんだ。でも数か月で若返って今の姿に、花音は十七歳だからまぁ、若さはそのままで身長が伸びて身体が引き締まったかな。そして幸子は十一歳なんだけどあっという間に身長が伸びてあの姿になったんだ」


「では、私も数か月であの身長に?」

「うん」

「胸も大きくなるかしら?」

「それは各々おのおのの体質によるみたいなんだ。大きさは約束できないかな?」

「ふふっ。それは良いわね。あ!婚約発表のドレスが合わなくなるのでは?」

「うん、一か月後だからね、後でもう一度行って、十センチメートルは背が伸びると伝えておこう」


「あと、私も神の能力が発現するの?」

「そうだね。日本でテレビやアニメとかで、超能力って見たことがあるでしょう?それができるんだよ。さっき言った念動力とか、透視、瞬間移動、治癒能力、読心術、念話、そうだ、念話でセレーネとも話せる様になるよ」

「ホントに?!凄いのね!」


「あ!そう言えばセレーネだけどね。アルテミスの生まれ変わりだったよ」

「え!セレーネがアルテミスの生まれ変わり?そんなことがあるの?でもそうなら嬉しいわ!」

「うん。これから能力の訓練をしていこう」


『舞依!舞依!聞こえるかい?』

『え?まぁくんの声が頭の中に響いているわ』

『舞依。これが念話だよ』

『まぁ!私、もう念話ができているの?』

『そうだよ。では皆にここへ来てもらおうか?』

『え?ちょっと待って』


「まぁくん。キスして!」

「あぁ、そうか。そうだね」

「もう!まぁくんったら、こんなに綺麗になっちゃって!私の立場は?」

「いや、こればっかりは・・・」

「ん!」


 そして、舞依に強引に唇を奪われ、長い長いキスをした。

お読みいただきまして、ありがとうございました!

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