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出会ってすぐもふられる


「九頭竜、もうすぐ着くから準備しなさい」

養護施設の所長が高級車を運転しながら助手席にいる私にそう言い放った。

「はい」

もう、こんなところには居たくなかった。

養子縁組の人がどんな人でもいい、はやくここから抜け出したい気持ちでいっぱいだった。


「着いたな、ここで待って居なさい」

そういうと所長は車を降りていった。

所長の歩く先にはお城のようなものが建っている、もしかしてアレが養子縁組の人の家…?

「まさかね…」

あんなお城のような家に住んでる人がたくさん居る子の中から私なんて選ぶわけないから。

あれこれ考えていると所長が戻ってきた。

「いらっしゃるそうだ、門の中まで車をいれるからそこからはもう九頭竜だけでいくように」

「はい」

生返事だった。

車は門をくぐって50メートルの所で停車した、どうやらここから先が私の新しい日常らしい。

「夢咲様によろしく伝えるんだぞ、"お前を選ぶ"なんて夢咲様も変わってらっしゃるな、あ、くれぐれも失礼のないようにな!!」

そう言いながら所長は私とすこしばかりの荷物を下ろすと、車を即Uターンさせ帰ってしまった。

「髭面でぶ……」


「玄関遠い…」

敷地内なのに遠かった…汗だくになりながら扉をノックした。


「はーい」

女性の声がきこえた…少しばかり緊張する…。

ガチャ

ドアが開くとそこには茶髪のロングヘアの年はあまり変わらなさそうな綺麗な女性がでてきた。


「ああの、私九頭竜…」

言い切る前に

「来未ちゃんだ♪まってたよー!!可愛い!!本当にケモミミだ!!」

初対面とは思えないテンションで出迎え&耳を必要に触られる。

正直パニックになりそう。


「あ、ごめんなさい、私、夢咲ゆづりって言います、今日からここがあなたのお家で、私が家族です」


「え、あよろしくお願いします」

先程の髭面所長の言葉をおもいだし、会釈する。

「さ、暑いし疲れただろうから中へ、荷物もつ?重くない?」

「あ、大丈夫です」

一応いい人っぽい、でも演じてる感もあるから油断できな…。

「なに、これ…」

玄関の中に入るなりホテルの様なラウンジがあり、軍隊が行進出来そうな程広い廊下。

「?どうしたの?」

夢咲さんが不思議なものあった?みたいな表情でこっちを見つめてきたので、

「あ、いえ、広いな…って」

と、咄嗟に言ってしまった。

「…そうなんだ、私ひとりで住むのにはちょっと広くてね」

一瞬夢咲さんの表情が曇った感じがした。

「ささ、来未ちゃんこっちこっちリビングだから!」

気がつくと夢咲さんがドアを開けて待っている。

「あ、はい」

待たせてはいけないと急いで夢咲さんの方へ向かう…。

それにしても広い…。

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