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規格外の先代聖女より少し弱いだけで無能認定され追放された聖女の私は、執事君に溺愛されながら幸せになります(旧版)  作者: 山外大河
二章 聖女という存在について

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4 クロウフィール王国の聖女

「それでお嬢。これからどうします? これから宿探し続行、なんて簡単に決められる状況じゃ無くなっていると思うんですが」


「そうだね。多分だけどこの国の聖女も異常には気付いていると思うし、何かしらの手を打つ為に聖女かクロードみたいな立ち位置の人が此処に来るんじゃないかって思う。だったら私は応急処置しただけだから。ちゃんと引き継ぎやらないと」


「なるほど、分かりました」


 だから少し此処で待つ必要がある。

 待って……穏便に話が進めば良いけど。


「クロード、もし何かあったら、その……お願いね」


「分かってますよ」


 どうやらクロードも、もしかしたら今やった事について穏便に終わらないかもしれない可能性がある事を察してくれたみたいで、私の思っている事と同じ事を言ってくれる。


「善意でやった事とはいえ、人様の国の国防の要に勝手に介入している訳ですからね。異常が起きてからの介入なので妙な責任を押し付けられる事は無いとは思いますが……とにかく、話が分かる相手なら良いですね」


「そうだね」


 と、そんなやり取りをしていた時だった。


「……あの人達じゃないですか?」


 クロードがこちらに向かってくる人影に視線を向けながら言う。


「そうかもしれない……なんか既視感感じるし」


 視界の先。

 そこには私とクロードがそうだったように、人一人を抱えて爆走するスーツの男と、抱えられる赤髪の女の子が見える。

 ……あの子がこの国の聖女……なのかな?


 そして向こうも私達に気付いたみたいで。


「ちょっとそこの二人、そこから動かないで!」


 明確に私達に向けてそう声を掛けてきた。


「お嬢、念の為俺の後ろに」


 そして私の一歩前にクロードが立つ。

 ……念の為。


「うん。多分大丈夫だと思うけどね」


 クロードも私もその程度の警戒しかしない位には、走ってくる二人からは敵意のような物は感じられない。

 そしてその印象が変わらないまま、二人は私達の前で立ち止まり、赤髪の少女は地面に着地しながら言う。


「此処の結界の補強してくれたの、アンタ達だよね。誰だか知らないけど助かったよ!」


 そんな、敵意とは真逆の好意的な言葉を。

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