フェイ達のバレンタイン
今日も1話だけです。
私はお兄ちゃんの部屋のベッドに座りお兄ちゃんの帰りを待っていた。
「それにしてもお兄ちゃんどこに行ってるのかな」
せっかくチョコを持ってきたのに、お兄ちゃんは部屋には居なかったのだ。
「今年は一番甘い所で買ったけど、お兄ちゃん喜んでくれるかな」
私はハート型のチョコを見ながら、私の鼻に甘い匂いが漂った、そういえばさっき部屋を見回した時に、大量のチョコが置いてある事を思い出した。
「まさかお兄ちゃんがこんなにチョコを貰っていたとは」
確かにお兄ちゃんを好きな子が多いのは知っている、そして私はその中にある大量のチョコを少しずつ食べていく。
「お兄ちゃんにチョコをあげていいのは、私だけでいいんだよね」
さっき見た感じ全部まだ開けてないみたいだし、お兄ちゃんはまだチョコを食べてない筈だ、だったらここにあるチョコを全部私が食べれば、お兄ちゃんが食べるのは私だけのチョコの筈。
「ちょっと食べ過ぎたかな」
私は大量にあったチョコを全て食べるとお腹を擦っていた。
「なんだフェイ来てたのか」
するとお兄ちゃんが部屋に帰ってきたようだ、私は立ち上がりお兄ちゃんになぜ部屋に居なかったか聞くと、お兄ちゃんは飲み物を飲みに行っていたらしい、その時にキューがお兄ちゃんにチョコケーキをあげたらしい、そのまま二人で食べていたとお兄ちゃんから聞いた、その話を聞くと私はお兄ちゃんにハート型のチョコをあげた、それからお兄ちゃんは私を励ます為に頭を撫でてくれた、私は嬉しくなった、お兄ちゃんがチョコを食べると美味しいと言ってくれた、毎年お兄ちゃんから美味しいと言われるので嬉しくなってしまう。
「それじゃあ私はそろそろ行くねお兄ちゃん」
お兄ちゃんにチョコを食べて貰ったし、私は部屋に戻ってからこの喜びを噛み締めようと思う、私が出ていこうとした時にお兄ちゃんに呼び止められた、お兄ちゃんはチョコの事を私に聞いてきた時に、私はお兄ちゃんに嘘を吐いてしまった、お兄ちゃんの部屋から出ると私は自分の部屋に戻った。
「そろそろ届いた頃かな」
私は自分の部屋の窓を見ながら呟いていた。
「今年は苦く作ったから、あんまりユーが喜ぶとは思わないけど、食べてくれたらいいな」
ユーの事を想いながら作ったら、自分でもビックリする位の苦さがあった、本当なら甘いチョコクッキーを食べて貰いたかったが、時間もなかったので作ったチョコクッキーを袋に詰めて送った、今度手紙でも送って味の感想を聞いた方がいいのか、考えたが止めておく。
「フェイちゃんは甘いチョコあげたのかな」
フェイちゃんが魔王になる前はいつも二人でユーにバレンタインチョコをあげていた、その時にフェイちゃんのを食べさせて貰ったら甘かった。
「そんな事考えても無駄だよね」
私は呟き窓の外を見ると星が流れた、私はその時に心の中でお願いした。
「いつかユーが私の元に戻ってきますように」
私はお願いするとベッドの中に入り眠った。
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