フェイは連れていかれる
今日も1話だけです。
お兄ちゃんがホットドッグを買いに行っている間、私はお兄ちゃんに言われた通り待っていた。
「君が産まれたら私が面倒、見るからね」
私はお兄ちゃんに買って貰った、ドラゴンの卵を温めながら呟いていた、私は一度フードからドラゴンの卵を出してみた。
「せっかくお兄ちゃんに買って貰ったんだから、今からでも名前決めておこうかな」
そんな事を考えていると、私の周りに人間の大人達が集まってきた。
「そこの君、君が持っているのはまさかドラゴンの卵か」
私はすぐにフードの中に隠し、大人達の方を見た。
「違うよ、これはさっきお兄ちゃんが買ってくれた普通の卵だよ」
「そんな嘘が通じると思ってるのか、まさかこんな所にドラゴンの卵を持つ奴が居るとは、君その卵私に売らないか」
「絶対に売ったりしないよ、これはお兄ちゃんが私の為に買ってくれたんだから」
私はお兄ちゃんの所まで行こうとした所、大人達に阻まれた。
「全くこれだからガキは嫌いなんだ、ドラゴンの卵がどれ位の価値があるかも知らないから」
大人達の一人にドラゴンの卵を奪われて、私は取り返そうとした。
「返してよ、それはお兄ちゃんが買ってくれたんだから」
「黙れ、おいお前達いい物が手に入ったから、これをオークションに出すぞ」
私はそのまま突き飛ばされると、被っていたフードが外れてしまった。
「あっ」
私はフードを被り直したが遅かった、私が魔族だって事がバレてしまった。
「どうやら今日は本当に運がいいらしい、こんな所に魔族まで居たとはな」
人間の大人の一人が私の所まで来ると、私は立たされた。
「おい魔族、このドラゴンの卵を返して欲しいか」
「返してくれるの」
お兄ちゃんからは人間には優しい人も居ると聞いたが、まさかこの人がそうなのだろうか。
「ああ、だが一緒に付いてきてくれ、ここでドラゴンの卵を返して他の人にでも見られたら、悪い奴に奪われてしまうかもしれないからな」
「でもお兄ちゃんがここで待ってろって言ったし」
「わかった、ならここに仲間を一人残して、君のお兄ちゃんも後で連れてこさせるよ」
「それならお兄ちゃん許してくれるかな、うんわかった一緒に付いていくよ」
私はそのまま大人達と一緒に行き、お兄ちゃんの事を待っていた。
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