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愚痴、時々受け売り知識のエッセイ書いてみた

ネットで書かれていたなろうアンチネタを元に書いてみた!!〜異世界でスマホ無双しようとしたらサムスン製だった件

作者: 御丹斬リ丸

徹夜して笑いながら書いた悪ふざけです




「……というわけだが、お主は死んでしまったのじゃ」

「はあ!?謝れよ!!」


罪悪感を感じさせない澄ました顔をするクソガキ。その背後に広がるのは白。上を見ても下を見ても白。あるのはパソコンが一台と"のじゃのじゃ"うるさいクソガキだけ。

パソコンには"小説家になろうよ"という有名な小説サイトのページが表示され、この空間はそれ以外が全て白い壁に覆われていた。


とにかく白い。何もない白い部屋。それと押しても引いても開かないドアがあるだけだ。デジャブ。

この状況どっかで聞いたことあるな。

たしか小説サイトで一位を取らなくてはいけないんだっけ?



それから目の前にいるのはクソガキ。少なくとも神なんて大それたものではない。

ロリコ……日本のジェントルマンたちがこぞってエスコートしそうな幼女であるといえよう。

このクソガキがいうには俺は死んでしまったらしい。

死んだという気がしない。

仕事をクビにされてムカついていけ好かないインテリ眼鏡をかけた上司を線路に突き落としたら襲ってきたのはまぶしい閃光と爆音でその後の記憶がない。



「雷を落とした先にいた人が死んだのはワシの責任ではないのじゃ!今の時代に神を讃えろとか古いことを言ってるあの半裸のジジイがお主が殺そうとした男に会おうとしただけでお主は巻き込まれたのじゃ。

雷を撒き散らしながら降り立った方が神っぽい……とかなんとか」

「それで雷が直撃して死んだわけか……なるほど?すると」

「いや、何か格好つけているところ悪いのじゃが、全然違う。

お主は丁度あのジジイが降臨した場所にいて潰されたのじゃ」

「グチャっと?」

「そうじゃな、グチャっとな」

「謝レェェェ!!死ね貧乳がぁぁぁぁ!てめーのせいで死んだんだ!ぁぁぁぁどうしてくれるんだ!」

「え?あの……いきまさん?」

「伊支馬……栗人……だ」

「そうそう、伊支馬(いきま)栗人(くりと)ブフォァ!?ふふふふふぶぶッ」

「ンゴぁぁぁぁぁぁぁぁ!だからいやなんだよ!みんな死ね!しんじまえぇぇぇ」


 クソガキは爆笑しながら動画を再生し始めた。俺がジジイとクソガキが呼んでいる神にグチャっと潰される瞬間を収めた動画らしい。あ、蚊柱立ってる。


「しかし、君は少し落けないのかね?神の前なのじゃから、もっとこう静かに聞けると思っていたが」

「うるせぇ」


「何処かの太郎とは大違いじゃのう」


流石に自分まで死ぬとは思っていなかったが。ズズズ……鼻水ってしょぱくて意外といけるな。鼻くそ食うやつの気持ちが少しわかるわ。



「で、どうなのよ?まさかぁ〜天国とか地獄なんてないよなぁ?ん?」

「いやいや、貴様はワシの落ち度で死んだわけじゃないからのう。

知らん。そこにずっといればよかろう」

「は?責任取れよ!孕ませたら捨てる気!?あなた最低ね!」

「キモいぞ」


 あまりに無責任すぎる神。

だから信仰されないんだよ!この貧乳駄女神が!なんだこのやろう、何か問題があるんのかばかやろう。


「じゃがのう貴様の元いた世界に生き返らせるわけにはいかんのじゃよ。そもそもお主が上司を落とした瞬間の映像SNSにばら撒かれとったぞ?社会的に死んどるじゃないかの?ん?

というわけで、じゃ」

「じゃ、……じゃねーよ!何帰ろうとしてんだよ!」

「はいはい、何?」

「雑!?」

「というのは嘘じゃ、貴様にはそこのパソコンに表示された小説の中から能力を選んで転生してほしいのじゃ。

納得できなくても良い。出来ないならずっとこの部屋にいることになるのじゃからの」

「いやだぁぁぁぁ!ママー助けてぇぇ!」

「……やかましい!!」


癇癪を起こしたガキの真似をすると駄神なクソガキがポカンとした顔でアホかこいつと言わんばかりにこちらを見ている。


「仲間にする。しない」

「ほんとくだらないのう」


「はぁぁぁ……仕方ないな?やれやれ、この最強のキリト様がてめえらの戯言に手伝ってやんよ!お詫びに超スゲーチートつけろよな?」

「…本当にお前さんは人格が出来そこなっとるのう。あの世でも死んでしまえばよかったのに……生きていても有害、死んでも有害。本当にロクでもないのう……異世界の住民たちよ、ゴミ箱扱いして本当に申し訳ない」


 しょんぼりとするクソガキ。かがんでいるので服で隠されていた貧乳が見え隠れする。

紳士じゃないからこれっぽっちも興奮できない。


「そんなんで罪ほろぼしにしたつもりか!この痴女が!」

「んぐ!?はぁ?ななんの話じゃ?」

「うるせぇ黙れ」

「せめて何か言わせてくれんか。」

「はい、今じゃべった」

「ガキか」

「それはお前だろ!」


融通がきかない神のせいで元の世界での復活は無理。役所並みに使えない……どうせ前例がないからとか言うんだろ?明治時代からおんなじ体制とかナメてんのか!?この骨董品が!

まあいい。

伊支馬栗人が……このキリト様にかかれば何ごともうまくいく。ククク。

若かれしころはよくデスゲームに参加したがすっかり丸くなっちまって……俺のハートを尖らせてしまうとはなぁ?!

神相手でも関係ねえ!見せてやろうじゃねえか!

異・世界・転生!

三倍アイスくりぃぃぃむ!!!


ふふふ、嫁と異世界に一緒に行けないのが辛いが、仕方ない。やれやれ。

アスナすまない。あんなにキリトくんと言ってくれてたのに……。

ああ、異世界から帰ってきたら結婚しよう…。そうだ、異世界で指輪を作ろう。


というならば、これから行く世界で役立つものが良さそうだ。

ネタとかありえない。

マグロはいやです。マグロ滑りも結構。


「これから俺が行く世界って、どんなところなんだ?」

「真っ赤な空、乾燥した大地、実り無き不毛の地、三首の犬が徘徊し、幾多の人々が鉄臭い池でバカンスを楽しむ楽しい世界じゃ」

「地獄じゃねぇか!いきなりヘルモードかよざっけんな」

「ヘルォ↑」

「あ"!?」

「ヘルじゃない、ヘルォ↑」

「うっせ」

「での、貴様のいた世界でいうところの中世ヨーロッパ風の世界じゃ」

「なんで?え?中世ヨーロッパ風?世界中中世ヨーロッパなの?多様な文化とかないの?」

「ないの、創造主の趣味で世界全域が中世ヨーロッパ風になっておる」



 うーん、とんでもないことを聞いてしまった。

あ、今神と話しているし、これをネタにして神と出会った男、救世主にでもなって金を巻き上げようかな?ただ言葉が通じるかわからない相手にそんなとこでやっていけるか不安だ。異世界に行く準備とかしてないから知識チートが出来そうな知識もない自分がそんな野蛮人どもが闊歩する世界に飛び込んで大丈夫だろうか。ん?デジャブだな。これ。


この状況、なろうで読んだことある。

あー、進研ゼミやっててよかった!

赤ペン先生の通りだ!


置かれたパソコンをカチカチと音を立てて操作しスクロールして行く。

あったあった。これだ。

異世界はスマホがあれば太郎は無双できる。


「決めた」

「お?なんじゃ?決めたのか早いの」

「スマホ太郎一択だろ」


そう言って俺が選んだのは異世界でスマホを使う能力である。

スマートフォン、最初はアップル社の携帯型デバイスのことを指していたが今ではアンドロイド製でも京セラでもスマホだ。


「こりゃまた、ピーキーな能力じゃの」

「ピーキーって何?」

「知らん」

「何故言ったし……これってインターネット使えるかな?」

「当たり前じゃろ、なんのために持っていくんじゃ?ツムツムでもして時間潰すつもりか?」

「アップルストアもアマゾンも掲示板も使えたり?」

「そうじゃな、使える。しかも持ち主から30m離れると戻ってくる仕様で破壊されても復活できる上、数に制限があるのじゃが、いくつも召喚できたはずじゃ」

「す、SUGEEEEEE!!チート過ぎない!?え?ってことは将棋でとんでもスキルでハロワって事!?うおおおお!三倍アイスクィイィィーム!!」


それにしても、これはすごいあたりかもしれない。

下手な魔法よりも役に立ちそうだ。

俺が圧縮した水素に酸素を加えてぶっ放しても手から水が出るイメージしか湧かないし。

どうやって生きていくにしても情報は大切だ。知識チート仕様にも知識はあっても詳しいことは何もわからないからな。

スマホ万歳!


「おい、スマホって充電とかどうなってんだ?」

「ああ、バッテリーというかのそれは召喚した時点で100%で無くなったら再召喚すればいいのじゃ、ちなみにデータは共有保存できるから安心するといいのじゃ」

「お、おうそうか、いたれりつくせりだな」

「べらんめい!」

「キャラぶれパナい……こいつ」


 魔法は使えなさそうだな。

魔力で充電とかだったらよかったが……まっいっか。

それはそれで面白そうだ。異世界へ行くのが楽しみになってきた。


「さて、そろそろ逝ってくれんかのぅ」

「もう死んでいるが」

「異世界に」

「ニュアンスなんか違くね?」

「早よ行くのじゃ、2度と帰ってくるでないぞ!!」

「もっと優しいこと言えねぇのかよ!」

「だったらお主も、ワシにお礼くらい言えばよかろう!!」

「はいはい、わかりましたよ!ありがとうございます!今度お礼参りに行かせていただきます」

「うむ、いい心がけじゃ……ん?おれいまえり?」

「ん?何?」

「なんでもないのじゃ」

「そ、ほら寄越せ」

「ぬ?」

「ぬ?……じゃねーよポンコツ!加護だよ、かぁぁぁぁぁごぉぉぉ!!お約束だろうが!なろう読めよ!スマホの能力選んだんだから準えよ!」

「む、そうか……しばし待たれよ」

「あくしろよ」

「読み終わった」

「はぇぇぇぇ!?」

「ま、神だからの。神の御業というやつじゃ」

「奇跡の無駄遣い」

「読んだが、たしかに貴様には加護を与えた方が良さそうじゃ」

「え?終わり?」

「赤ん坊の頃から基礎能力をあげたりすると肉体がはじけ飛ぶからの、いやじゃろ?ワシも見たくないのじゃ。だから帰ってこないように程々に強くするのじゃ。文句あるかの?」


 そう言って神様は加虐的に笑った。怖い、超怖い。つられて俺も引き攣った笑いを浮かべる。


「向こうに行ったら神殿に赴きワシをたたえるのじゃ、あとは面白く生きろ……それだけじゃ」

「おう、意外と最後はいいこと言うじゃねぇか」

「いや、他の神とお主の異世界生活を観賞するからの、ただスマホ見て終わられるのは嫌じゃなと」

「あ、そう」

「お主は最後までダメじゃったの、どこかの太郎を見習って欲しいわい」

「あんたも最後までクソガキだったな、どこかの立派な神さまを見習って欲しかったぜ」


最後だからということで、神の手を握って握手をしようとしたところで気安く触ってんじゃないのじゃ!のじゃのじゃ言いながら俺の手を振り払った。

いい度胸だ、何かあったら足を引っ張ってやろう。


「2度と戻ってくるでないぞー!」


 (クソガキ)が笑みを浮かべながら中指を立てた瞬間、俺の意識は暗闇に落ちていき、やがて完全に失った。


読んでいただきありがとうございます。

そのうち2話を書くかもしれません。

1話目→スマホ太郎

2話目→孫

3話目→スマホ太郎

4話目→デス太郎

そのくらいかけたら短編では無くて連載にすると思いますが……


あとは

近日、更新を止めてる最強エージェント(ファンタジーじゃないやつ)を更新します。

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