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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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95話目~魔力の有効活用法

 「ここら辺だね」


 ユージさんが、私を下ろします。

 私達は、消えた魔法陣の場所まできました。

 相変わらず当たりの景色は、呪われた森という感じで、木々が枯れています。

 でも、遠くに目をやると、川が流れているようです。その向こう側は、まばらですが木が見えます。その木は立派で、周りも草が生えて青々としてます。


 私達が、ここに来たのは魔法陣を描く為です。移動方法が見つかりました!

 成功するかわからないですが……。


 描く魔法陣は、行先指定で、出口の方の魔法陣。

 実はこれ、魔法陣に魔力がある時だけ使用できる魔法陣で、普通は使うと魔力が減って起動が停止するんです。

 でも、ここではずっと起動している事になるだろうって。本来は、かなりの魔力が必要な魔法陣のようなのです。やってみる事にしました。


 いつも通り、まず下書きをします。

 ……って


 「え!?」


 「もしかして、下書きの状態で発動したの?」


 「そうみたい」


 一時間かけて下書きを終えた途端、ぱぁっと魔法陣に光が走ったのです!

 びっくりした~。


 「魔石で描いたのと同じ効果になっちゃったんだね」


 「うん……」


 という事は、本番もそうなる。つまり、吸収する魔法陣を描くときもです。いや別に下書きが完成した時は、ちゃんとした魔法陣なんだから問題ないのですが、やっぱり下書きなしで描いた事がないので、不安があります。


 「とりあえず、実験してみようか。大丈夫そう?」


 「うん」


 不安そうに聞くユージさんに、私は頷いた。

 これから私は、一人で部屋に戻ります。そして、部屋で入り口になる魔法陣を描き、こっちにワープ出来るか試します。

 もし失敗した時の為に、ユージさんがこっちに残り私がここに戻る時は、テントを張るという事にしました。


 「じゃ、戻るね」


 私が言うと、うんとユージさんは頷きました。


 「ワープ」


 私は、バッチに触れそう呟きました。無事部屋に戻ってこれたみたい。

 バッチには、魔力の影響はなくてよかった。

 さてと、リュックから黒板を出して入り口の魔法陣を描きます。


 下書きを一時間掛けて終えた私は、魔石を真ん中に置きました。これは、魔法陣を発動させる為の物です。

 リュックに本をしまい、リュックを背負ってから魔法陣を描き始めます。この魔法陣は、描き終わった瞬間に魔力を吸収して発動する魔法陣なので、魔力がないと失敗します。


 魔法陣の大きさで、消費する魔力が変わるらしいので、小さく描きました。

 最後に円を描くときに、魔法陣の中に入り描く。


 円を閉じました!

 サーッと光が駆け上がります!

 一応、発動はしたみたい。


 「ソレイユさん!」


 「きゃ!」


 突然、後ろから抱きしめられました!

 円を描く為、屈んでいたので転がるかと思った。


 「あ、ごめんね。つい、嬉しくって。大成功だね」


 そう言いつつ、さりげなく私を抱き上げます。


 「大丈夫だから……」


 すとんと、魔法陣の外に私を下ろしてくれました。

 こっちに描いた魔法陣は、消えていないので大成功です!


 「じゃ、朽ちた枝の所に行こうか」


 「うん」


 ユージさんの言葉に頷き、私達は部屋にワープしました。

 そして、そのままモーグの森にから聖なる草原へ向かいました。



 ☆   ☆   ☆



 「バジーさん」


 「あ! 錬金術師様! こんにちは!」


 馬の世話をしていたバジーくんは、ユージさんが声を掛けると嬉しそうに挨拶をしました。


 「こんにちは。ちょっと話があるんだけどいいかな?」


 「はい! なんでしょう?」


 「実は、あの朽ちた杭を再利用する事にしたんだよね。それでちょっと手伝ってもらってもいいかな?」


 「勿論です!」


 私達に頼られるのが嬉しい様で、一緒に朽ちた杭が置いてある場所に移動しました。

 朽ちた杭には、ブルーシートが掛けてある。それを取ると朽ちた杭が出て来た。


 「流石に全部は、無理かな。半分ぐらいにする? って、それでも多いか」


 「わくわくしますね!」


 バジーくんには、移動しながらこれから行う事を話しました。なので、また目の前で、錬金術が見れると大喜びです。

 正確には、錬金術ではないんだけどね。

 でも、バジーくんが言ったように、この朽ちた枝の杭が元の生命の枝に戻ると思うとわくわくします!


 まず、供給先の魔法陣を描く前に、その供給が見える様になる魔法陣を描きます。板を作ってそれに描く予定です。

 なので、いつも通り粘土を作る魔法陣と、窯の魔法陣を描きます。

 ユージさんが、魔石の粉と混ぜた土を魔法陣に置いて粘土にし、それを丸く平たくします。

 これを窯の魔法陣に置いた後、今度はメインの供給先になる魔法陣描きです!


 まずは適当な大きさに下書きして、魔法陣の鏡で大きく転写。

 今度は、出来上がった板に魔法陣を描きます。これは、発明品になるので、ドキドキです。


 今回は、創造力が6万必要で、今4万しかありません。でも、経験値が18万ちょっとあるので余裕です! 長所なので、半分の経験値で振れます!

 経験値は8万になって、創造力が6万ptになりました。

 LUKは、最低3万必要で成功率60%。300増えるごとに1%増える。

 残りの経験値をLUKに振って、38,000ちょいぐらいになりました!

 成功率は80%を超えるので、大丈夫でしょう!


 STR:21        握力:120

 VIT:4,269+8,200    視力:120

 AGI:21+2,000     聴力:125

 DEX:21+4,000     読解力:120

 INT:21        創造力:60,022+600

 MND:21+2,000

 LUK:33,102+5,000


 私は、魔石で下書きをなぞりました。

 パーッと光が板の上で駆け上がります。成功です!

 後は、メインの魔法陣を完成させるだけです。

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